投資スタイルには大きく2つあります。御存知の通りインデックスとアクティブですね。
一般的に長期運用においてアクティブファンドはインデックスファンドには勝てないと言うのが定説となっており、このブログでもインデックスファンドによる長期投資をおすすめしています。
インデックスファンドとアクティブファンドをざっくりとおさらいすると・・・
インデックスファンド
市場のとある株価指数をベンチマークにして、これと同じ動きをする運用を目指すものです。アクティブファンド
独自で銘柄選定や資産配分をきめ、株価指数などよりも高い投資成果を上げることを目的としたファンドです。
アクティブファンドは市場平均以上を目指しているのでさぞかしアクティブファンドのほうが儲かるだろうというのは誤解、長期間インデックスファンドに勝てるアクティブファンドは少数で、更に独自に銘柄選定などをするためのコストが乗っかってくるのでほぼすべてのアクティブファンドはコストの安いインデックスファンドに負けるということです。
ではインデックス投資をするためにどのようなファンドを選んだら良いのでしょうか?それは時価総額加重平均を採用したインデックスファンドと言われています。
つまりこれから投資を始めようと考える人が選ぶべきファンドは
●時価総額加重平均を採用している
●コストが安い
●幅広く分散されている
●実績がある
この条件に当てはまるのがS&P500をベンチマークにしたVOOやVTI、VTということになります。多くのブロガーさんなどがこれらのETFを勧めるのはこのような条件を満たすファンドと言うことですね。
コストや分散についてはなんとなく理解できそうですが、時価総額加重平均が何故よいのか、その理由について考察してみたいと思います。
時価総額加重平均とは
そもそも「時価総額加重平均」とは株価指数を計算するための方法の1つで、他にも「株価平均」や「スマートベータ」といった財務指標や配当など特定な要素にウエイトを置く方法があります。
ウィキペディアによると
時価総額加重平均型株価指数(じかそうがくかじゅうへいきんがたかぶかしすう)は株価指数の算出方式の一つ。組入銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計で除算して求めるものである。世界の多くの株価指数がこの方式を元に、浮動株の時価総額で計算した浮動株基準株価指数を採用している。
ざっくりといえば、組み込まれている銘柄の割合を時価総額の大きさで決めることです。また多くの場合、市場に流通する可能性が低い浮動株を除いて調整しています。
ちなみに時価総額加重平均を用いた主な株価指数には以下のようなものがあります。
東証株価指数 (TOPIX) (日本)
S&P 500(アメリカ)
ナスダック総合指数(アメリカ)
ラッセル 3000指数(アメリカ)
ラッセル 2000指数(アメリカ)
なお高配当で人気のSPYDは高配当銘柄80社を均等に組み込む方式なので時価総額加重平均ではなくスマートベータですね。
時価総額加重平均を採用したファンドが良い理由
ニッセイ基礎研究所が年金ストラテジー(vol.129)として公開した資料によると・・・
時価総額加重インデックスの理論的根拠で、ノーベル賞学者シャープ氏が創案した CAPM (資本資産価格モデル)によれば、全てのリスク資産を時価総額ウェイトで組入れた“市場ポ ートフォリオ”は平均-分散アプローチの観点から最も効率的であり、いかなる投資家もこれ を上回る運用はできない、とされている。
つまり時価総額加重平均を採用したファンドが良い理由は理論上もっとも効率が良いから・・・ということになりますね。
前提をおいて考察してみます。
●株価が上がるのか、下がるのかわからない
●全体で見れば長期運用で、右肩上がりに成長する
この前提にたって、最適なポートフォリオを組もうとすると市場全体を買い、全体で右肩上がりに成長する流れに乗っかる必要が出てきます。
もちろん市場全体を買うことはできませんが、同様のポートフォリオを組もうとするならば時価総額加重平均ということになります。
また、売上や配当など特定の要素にウエイトを置くスマートベータは、特定の要素をもとに株価の予測を入れてきているので結果的にリスクを大きくする事になります。これは長期的には効率が悪くなるということです。
リターンが変わらなければリスクが大きくても良いのでは?
投資にリスクはつきものですが、リスクはできるだけ低く抑えなければなりません。リスクが大きいということは期待リターンからブレる可能性が大きく、長期投資になればなるほど期待リターンからずれていくことになります。
参考ですが、リスクは標準偏差σで表され、統計上は期待リターンから±1σに収まる可能性は68%、±2σの場合は95%となっています。
プラスにずれていけば良いのですが、中央値で見れば期待リターンより下がる可能性が増します。
●「株価が上がるのか、下がるのかわからない」
●「リスクが大きい=期待リターンの達成確率が下がる」
※:リスクが大きくなると期待リターン(平均)よりも中央値が下がるのは計算するとわかると思います。
つまり投資効率を上げるためには期待リターンも大切ですが、リスク(ばらつき)が小さいことが大切になってきます。そして最もリスクを小さくできるものが時価総額加重平均、インデックス運用をするのであれば時価総額加重平均を採用したインデックスファンドと言われる理由です。
まとめ
普通の人が長期運用で効率よく資産を増やすにはリスクを減らして投資効率をあげていく必要があり、理論上は時価総額加重平均を採用したインデックスファンドを選べば良い。ということになります。
このため選ぶべきファンドの条件は
●時価総額加重平均を採用している
●コストが安い
●幅広く分散されている
具体的に言えばS&P500やVTI、世界中へ分散させるのであればVT。円で気軽に購入したいのであればオススメは
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS slim 全世界株式
SBIバンガード S&P500
楽天・全米株式インデックスファンド
楽天・全世界株式インデックスファンド
投資未経験者であればここから1つ選択しておけば間違い無いでしょう。
あとは投資を始める方に伝えたいのがリスク許容度や、やってはいけないこと・・・これについては別途まとめていきたいと思います。
投資で大切なことのひとつにリスク許容度があります。今回のコロナ騒動心穏やかに過ごせたでしょうか?
投資のスタイルで有名なのがインデックスと高配当です。とりあえず誰にもおすすめできるのがインデックス、高配当は資産規模が大きくないとものたりませんが生活のレベルが上がるのを実感できるのは高配当ということです。
コロナ対する経済対策で各国がお金を大量に刷って配っていること、このお金最終的にどこに行くのでしょうね。