楽天VTIの経費率+0.12%は妥当なのか/SBI証券の定期買付けを検証

株式投資
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楽天ヴァンガードリシーズは米国のバンガード社が運営するETF4種類に対して投資を行う投資信託、バンガード社のETFを買う投資信託ということになります。

 

なんと言っても、直接米国のETFを買うということは円をドルに交換し、米ドルでETFを買い付けることになります。 やってしまえば簡単ですが、やはり投資初心者にはハードルは高く、また米国のETFは積立投資ができなかったので面倒でもありました。

 

 

この手間を投資信託として簡単にしたのが楽天ヴァンガード、信託報酬は米国ETFの経費率に0.12%を加えたもの、VTIであれば0.04%+0.12%=0.16%です。

販売しているのが
VT ⇒ 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
VTI⇒ 楽天・全米株式インデックス・ファンド
VWO⇒ 楽天・新興国株式インデックス・ファンド
VYM⇒ 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド

VTはこれ1本で世界中に分散投資か可能なETF、VTIは米国株式全体を買うETF、VWOは新興国株式

 

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これらを組み合わせれば、世界中に分散投資することも、高成長が見込める米国に投資することも、米国の高配当銘柄に投資をすることも、今後の発展に期待して新興国へ分散投資をすることも可能になってきます。

つまり、この4つを組み合わせておけば大抵の人が満足できるポートフォリオを組むことも可能ということですね。(債権投信は別ですが)

 

でも最近、SBI証券でも直接米国ETFを積立投資ができるようなサービスが始まっています。 となると手数料0.12%プラスとはどのくらいコストに影響するのか気になって整理をしました。

 

SBI証券 米国株式/米国ETF定期買付サービス開始(2018.3/10~)

SBIのサイトには以下のように記載があります。 円でも、ドルでも積立購入可能、ボーナス月の設定も可能です。

2018/3/10(土)より、当社取扱い米国株式(ADRを含む)、米国ETFを、お客さまがあらかじめ設定した金額(円貨決済/外貨決済)、または株数(口数)ごとに、お客さまの指定日に定期的に銘柄ごとに買付するサービスを開始いたします。更にボーナス月の設定も可能ですので、ご自身の投資スタイルに合わせた好きなタイミングで効率良く米国株式を買付できるようになります!

 

では必要なコストについて整理してみましょう。

1:円⇒米ドル交換手数料
2:ETF買い付け手数料
3:経費(信託報酬)
4:配当金にかかる税金
5:売却時手数料

 

1:円⇒米ドル交換手数料

SBI銀行で交換すると1通貨あたり2銭(最近まで4銭でしたが)とほぼ最安、1ドル2銭ですから、1ドル100円とすれば100ドルを両替しても2円ですよね。

投資信託の楽天ヴァンガードは信託報酬に含まれます。 

 

2:ETF買い付け手数料

SBI証券の場合、1注文あたりの手数料は 約定代金の0.45%(税込0.486%) ただし最低手数料:5ドル(税込5.4ドル) 上限手数料:20ドル(税込21.6ドル)」となっています。

 

最低手数料が5ドルなので購入額が少ないと手数料が高額になってしまいます。 つまり100ドルでも、1000ドルでも手数料は5ドル、 1200ドルを超えると0.45% 4500ドルを超えると手数料20ドルですから、できるだけ購入単位はおおきい方がよいとなります。

 

楽天ヴァンガードはノーロードなので手数料はかかりません。信託報酬にふくまれます。

 

3:経費(信託報酬)

例えばVTIの経理筆は0.04%、これに対して楽天ヴァンガードでは0.16%の差があります。 一般的に信託報酬は0.5%を切れば安いとされているので 大きな差にはなりません。 ちなみに積立NISAの条件としてETFは信託報酬0.25%以下となっています。

 

シミュレーションですが、100万円を年6%の運用益とし、経費率0.04%、0.16%を差し引いた計算結果が以下の通りとなります。

20年運用したとして、運用結果の差が4000円弱です。

3,181,576-3,177,756=3,820円

年目 VTI 楽天VTI
1 1,059,576 1,058,304
2 1,122,701 1,121,354
3 1,189,587 1,188,159
4 1,260,458 1,258,945
5 1,335,551 1,333,948
6 1,415,118 1,413,419
7 1,499,425 1,497,625
8 1,588,755 1,586,848
9 1,683,407 1,681,386
10 1,783,697 1,781,556
11 1,889,963 1,887,694
12 2,002,559 2,000,155
13 2,121,864 2,119,316
14 2,248,276 2,245,577
15 2,382,219 2,379,359
16 2,524,142 2,521,112
17 2,674,520 2,671,310
18 2,833,858 2,830,456
19 3,002,688 2,999,083
20 3,181,576 3,177,756

 

4:配当金にかかる税金

楽天ヴァンガードの場合は「配当金を受け取る、再投資する」を選ぶことができます。 配当をうけとれば課税されますが、再投資すれば課税は解約するまで後回しとなります。

外国税額控除はありません。

 

ETFの配当には税金がかかります。 ただ米国と日本で2重課税されているので外国税額控除の対象です。

 

5:売却時手数料

これは買い付けと同様に、楽天ヴァンガードは費用がかかりません。 直接ETFを売る場合には手数料がかかります。

 

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SBI証券の積立はお金がある人向け?!

以上費用がかかるポイントを整理しました。 税金ははなしがややこしくなるので割愛しました。

 

結果、経費率の差は有るものの、先程のシミュレーション 100万円を年6%の運用益とし、経費率を差し引いたもので20年運用すると、経費率の差で運用益に4000円弱の差がでましたが、

 

これに対して買付け時の手数料として 100万円分のVTIを買い付けると手数料が0.45% つまり手数料は4500円+税 となり、経費率の差0.12%(4000円弱)は吹っ飛んでしまいます。

 

また、少額でETFを直接買うと手数料は最低5ドルですから半端ない金額になってしまいます。

 

このため、SBI証券で積立投資ができる状況になったと言っても、一般の方が少額から積立投資をするイメージではないですね。 例えば月々の積立額が5万円とすると単純計算で手数料が1%超えるので非常に高くなってしまいます。

 

つまりSBI証券の始めた定期買い付けはあくまでも一回の購入金額が大きい人向けのサービス、信託報酬が多少高めではありますが、一般の方が積立を行うのであれば楽天ヴァンガード、0.12%プラスは妥当、むしろ安いと言えるのではないでしょうか。

 

 

楽天VTIと本家VTIの経費率の差を調べました。 今回はこれに購入手数料を加味したものです。

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