日本は今後少子高齢化が進み、経済的にも大きく発展する可能性が低いことから、私は将来的には円の価値が下がり円安になっていくものと考えています。
でも最近は北朝鮮がミサイルを発射したとか、米中の貿易戦争というニュースが取り上げられるたびに何故か円が買われて円高になるケースが多くありますよね。
なので、このタイミングで円ドルに交換するようにしているのですが、なぜこの様になるのかは考えたことがありませんでした。
北朝鮮と日本は地理的に近いのに、ミサイルを打てば円高ってどういう事? という事です。
円は安全通貨なのか?
有事に買われるなんて、世界的に見れば円は安全な通貨と思われている。 つまり有事のときに、他の通貨に比べれば安全なので買われるということなのでしょう。
しかし日本は超借金大国で1000兆円以上の借金、GDP比 約2倍という位のとんでもない額になっています。 GDPの2倍ということは国民が1年に稼ぐお金の2倍借金があるということです。
これだけ見れば円が安全通貨であるわけがありません。 他にも安全通貨と思われている理由が有るはずです。
日本の借金って誰から借りているの?
借金がじゃんじゃんと増えて今やGDPの2倍まで膨れているわけです。 これは破綻したギリシャでもGDP比1.8倍くらい、それを超えるわけですからとっくに日本も破綻してもおかしくない。
でもこの借金、政府が日本国民から借りている借金なので 対外的な借金ではないのです。 このため円をじゃんじゃんと発行すればインフレになって借金帳消しに・・・
ギリシャの場合は外国債、他国から借りている借金、しかも通貨がユーロなのでヨーロッパ共通です。 勝手にお金を発行し増やすわけにはいきません。
実は日本はお金持ち
財務省発行の「本邦対外資産負債残高の推移」を見ると安全資産と言われる理由が少し見えてきます。 これは日本政府や企業、個人投資家が海外に持つ資産から負債を引いたものです。
数が多すぎて額がよくわかりませんが、300兆円付近に有ることが分かります。
日本の対外資産負債残高
(単位:10億円)
このグラフから、日本は海外に貸したお金から借りたお金を引いたら300兆円あります。 ということになります。
実はこの額は世界第一位という巨額なもので 日本は世界最大の債権国なのです。
主要国の対外純資産 (兆円)
(注) 1. 日本以外の計数については、各年末のIFSレートにて円換算した。 2. 一部中東諸国等については計数が公表されていない。 (出所) 日本:財務省資料 その他:各国ホームページ、 Eurostat IMF「International Financial Statistics (IFS)」
このグラフは2017年末の主要国の対外純資産、日本が世界一の債権国、米国がダントツの借金大国であることが分かります。
このため円は安全通貨として認識され、経済的なショックが有ると日本に資産が引き上げられる と考えられます。
デフレが影響している
さらに、日銀はインフレに誘導するため様々な金融施策を進めています。 しかし米国やヨーロッパのようにインフレが進んでいません。 つまりデフレ脱却ができていません。
資産を持っている人は「インフレ=通貨の価値が減る」 わけですから、できるだけ政情が安定していてデフレが状態の国に資産をおくのが望ましいわけです。
超低金利の影響も
他にも日本が超低金利の国であることも影響、つまり金利差を利用して投資を行う多くの投資家がいるのです。
日本では日銀のゼロ金利政策からマイナス金利へ、一方で米国の金利は1.5%とかなりの差があります。 このため日本円で資金を調達し、米国で株や債券として運用すれば金利差の分利益が大きくなりますよね。
リスクが大きいのでお薦めはできませんよ(*´∀`*)
円高になる理由は他にも有るものと思いますが、一般的には 「日本が政情的に安定していること、対外資産が多く世界一、デフレ脱却ができていない、低金利」 といった要因が影響しているようです。
他にも金利の決まり方などは知っておいて損はないです。

コメント