なぜ貯金をするのか考えたことありますか? 何となくみんながやっているから、親からそう言われたから等々 なんとなく貯金をすることが正しいというイメージが植え付けられていますよね。
貯金のルーツ
じつは貯金が一般化してたのは1952年に日本銀行貯蓄増強委員会(現在の金融広報中央委員会)か、貯蓄の日を10月17日に設定してからだそうです。
「勤労の収穫物であるお金を大切にして、貯蓄に対する関心を高めてもらう、そして貯蓄増進を図る」という意図で制定、
でもこれは国民のために始まった政策なのではなく、元々は膨大な戦費を賄うために貯金を推奨したもので けっして国民のために貯金をすすめたわけではないのです。
それでも貯金は正しい
国策であっても当時は貯金は正しかったのです。 少なくとも国にとっては・・・
なぜならば貯金で集まったお金で戦費を賄ったり、高度成長期をささえる石杖になったのは間違いないからです。 また、たまたま高度成長期に貯金の利子が大きくなり、貯金をしておけば資産が大きく増えたという時代を経験をしてきた年配の方にとって、貯金は正しい、貯金は正義 という成功体験が強く結びついて現在に至っています。
同様に、今当たり前だけど それって国策だよね・・・と言うものの代表に住宅ローンがあります。
これもお金を貸す側にとっては収入が安定するので、みんながローンを組んで家を買うという行動は経済を回すという意味では正しい、でもローンを組んで何十年も支払い続けるということは消費者の可処分所得の大きな部分がローンに消え、生活が不安定になる事を意味します。 このため余裕をもった支払い計画が必要なのです。
また日本の場合、購入した住宅の資産価値は買った直後から大きく下がっていきますし、住宅を持っているがゆえに固定資産税という税金を支払わなければなりません。
つまり正しい、当たり前と思っている行動に実は他者の利益のため仕組まれていることも多々あるということ、資産と思って買った住宅でも実はただの負債、これに多額のローンを組むのが当たり前、正しいと思わされていることも、実は相手にとって・日本経済にとって有利な方向に誘導されているとも言えるのです。
貯金から投資へ
消費者の思想誘導をすることで貯金は美徳というイメージが植え付けられていますが、現在それが裏目に出ていることは言うまでもありません。
最近は少子高齢化によって税金を払う人が減り、社会保障を受けるお年寄りが増えてきているので今後、どんどんと財政的に厳しくなるのは目に見えています。
このような状況の中、国の社会福祉でできることも限度があり最終的には自分の身は自分で守るよう促しているのが今の 貯金から投資へ という国策といえます。
現在、日本人の資産の半分以上が現金や預金、しかも 貯金から投資へ と政府が呼びかけたのが約17年前ですが、 現金と彫金の比率は当時とほぼ変わらずに50%以上の比率です。 そして金額にして約1800兆円もの金額が現金や預金として眠ったままになっています。
もしこの金額の10%でも投資に回ったら その金額は日本の税収の約1/3となり、市場へのインパクトは半端ないものと思います。
更に、もし1800兆円が世界中に分散投資され、毎年2%の配当があったとすれば、それだけで年間に36兆円、しかも元本を減らさずに。 この配当金だけで日本の税収の半分に届くんじゃないですか?
いずれにしても、ものすごい貯金が眠っていることが分かります。
なぜ貯金から投資へ進まないのか
貯金から投資へと叫ばれてから約17年、その間貯金や現金の保有率は50%超えでほとんど変化をしていません。
これは、日本では本格的な金融教育をしておらず、いまだに子供貯金という名目で小学校にお金を持ってこさせて、銀行の職員がそのお金を貯金するようなイベント(洗脳?)が行われています。
また将来への不安をあおるようなTV番組や雑誌報道、さらに手数料を稼ぐことに躍起になっていた金融機関 など どう考えても一般の人が投資を進めようという気にならないのも事実。
ただ、貯金を持つことでインフレのリスクは大きいのは事実。 政府もインフレ誘導政策を進めていますし、このためちゃんと投資の勉強し、眠っているお金は働きに出させるのが消費者にとっても良いことであるのは間違いありません。
個人はどうするべき?
貯金から投資へ は国策として行われています。 でもはじめてから いままで約17年もほとんど効果がなく、現在は積立NISAという仕組みまで登場しています。
積立NISAは金融商品は金融庁が長期運用で資産形成に向くと判断したものが対象となっており、かなり攻めた施策だと思います。 きっと手数料を稼ぐことに躍起になっている金融機関にきつい一撃を加えたことでしょう。
インフレの進行、社会福祉の縮小は近い将来必ず起こってくるものと考えられ、それに備えることは重要となります。 このため投資初心者であっても積立NISAのような国策に乗っかっておくべきでしょう。 まずは少額でいいので初めてみることが大切だと思います。
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