投資をしている人の中にはFIREを目指している方も多いのではないでしょうか。このFIREという言葉「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとったもので日本で米国発祥のムーブメントです。
「経済的な自由を果たして早期にリタイヤ」することを目指すもので、若いうちに株式などで多くの資産を築いて会社や組織に縛られない自由を手に入れるものですね。
当然それなりの資産を持っていなければできないので普通の会社員にとってはハードルが高そうですが、老後生活にターゲットを絞ると結構ハードルが下がります。
退職金というまとまったお金の活用と年金でたりない分を補完する
生活に必要なお金の25倍の資産を築き、それを運用しながら毎年資産の4%分を取り崩して生活するのがFIREの基本的スタイル、現役世代の生活費すべてを賄おうとすると億単位のお金が必要ですが老後生活にターゲットを絞ればかなり現実的になってきます。
FIREしたいけどどのくらいのお金が必要?
「いやーFIREして自由な時間を手に入れたいけどハードル高そう」ですよね、なのでざっくりと必要金額を試算します。資産の4%で生活なので生活費の25年分が目安です。
・生活費が年間500万円かかる家庭
⇒ 1億2500万円必要
・生活費が年間300万円かかる家庭
⇒ 7500万円
確かにハードルは高い!
こんなにお金貯められないよ!!
など色々と意見が出てきそうですがこれがFIREの基本形、これだけで諦めてしまいそうです。これを達成するための方法については別記事で考えたいと思いますが、50歳代のFIREに限ればハードルは下がると思っています。なので今回は どうすれば50歳代でFIREができるか方法を考えてみたいと思います。
50歳代はもう少しで年金が受給できる
50歳代での早期退職は、年金受給開始までの期間が短いことがポイント、年金の受給開始年齢65歳で受給できる年金の平均額は以下がおおよその目安となります。(会社員の場合)
平均年収 | 年金受取額(月額) |
300万円 | 約11万5000円 |
500万円 | 約15万1000円 |
700万円 | 約18万8000円 |
モデルケース
夫:正社員 平均年収500万円
妻:専業主婦 国民年金のみ
⇒ 世帯合計受給額は約21万6000円/月
モデルケースではだいたい年間240万円ほど年金が受給できるわけです。あくまでも大体の目安ですが必要額の算出には使えると思うのでご自身の場合がどのくらいなのか確認してみてください。
そして、老後の年間生活費が300万円必要とすれば、モデルケースの場合は年金プラス80万円あれば生活が成り立つ計算になります。
トリニティスタディ(4%ルール)
ここに4%ルールの考え方を導入すれば年金受給開始時に「80万円x25倍=2000万円」の資産があれば取り崩しても資産が減らさないで生活できる可能性が出てきます。
つまり2000万円の資産と、あとは年金受給開始までの生活費の確保ができればFIRE可能ということになりますね。
早速試算してみましょう
いま40歳で55歳でリタイヤしたいと思うのであれば、一例ですが以下のような試算ができます。
資産運用:老後資金不足分の確保
目標金額 2000万円
運用利回り 5%
積立期間 15年
初期投資額 325万円
⇒ 月々の積立額 5万円
貯金:55歳から65歳までの生活費(年間300万円とすると)
目標金額 3000万円
退職金 1500万円
⇒ 月々の貯金額 8.3万円
40歳から月15.3万円の積立ができれば55歳でリタイヤしても経済的には回る可能性が高くなるということです。
月15万ってかなりハードル高いじゃないか・・・
でも55歳から資産の取り崩しが始まる65歳までは積立投資せずに放置、この間も資産は増えていきますのでもう少し詳細な試算をすれば余裕が出てくるかもしれません。
あとこの計算で抜けているのは生活防衛費や教育費など近い将来使うお金、これらについても考えて蓄えが必要です。
ちなみに積立期間を20年に伸ばしてみると・・・
35歳からの積立で55歳退職とすると月々の積立額は更に減り月々10万切りも可能です。
資産運用:老後資金不足分の確保
目標金額 2000万円
運用利回り 5%
積立期間 20年
初期投資額 280万円
⇒ 月々の積立額 3万円
貯金:55歳から65歳までの生活費
目標金額 3000万円
退職金 1500万円
⇒ 月々の貯金額 6.3万円
積立期間20年でも毎月10万円近くの入金が必要、誰もがかんたんにクリアできるものではありませんが共働きや副業など工夫次第で達成の可能性はあると思います。
もし遺産相続などで大きなお金が手に入った場合には、資産形成の計画に組み入れてしまえばその分FIREが近づきます。50歳代のFIREは年金や退職金をうまく組み合わせると普通の会社員でも経済的自由を手に入れられる可能性が結構ありそうに思いませんか?
まとめ
最近話題のFIRE「経済的な自由を果たして早期にリタイヤ」、会社員であれば一度は憧れますよね。
とは言ってもFIREにはまとまった資産必要なので普通の会社員にとってハードルが高いのも事実、なぜならば年間生活費の25倍の資産が必要ですから年間500万円生活費がかかる人の場合はFIREに必要な資産が1億を超えてきます。
ただ50歳代でのFIREであれば、退職金や年金を意識すれば実現の可能性が大きく上がります。
退職金で資産を積み増しできる可能性
年金の不足分だけを4%ルールで取り崩せば良い
これらを活用すれば普通の会社員でもFIREのハードルは高くないのではと思いまとめてみました。
FIRE後、65歳までの生活費は貯金や退職金で
年金の不足分だけを4%ルールで取り崩す
このように考えれば35~40歳からの準備でも50歳代からのFIREは可能、余裕があれば更に多く積立すれば、より早く・より多くの取り崩しが可能になりますよね。
重要なのは資産形成の計画を立てて実現可能性を図ること、そして生活費の不足分を取り崩すのではなく4%ルールの範囲で生活できるよう生活設計をたてることが大切だと思います。
4%の枠を決めないと徐々に生活支出が増え資産が枯渇する可能性が大きいですからね。FIREに必要なのは資産を築くだけでなく、生活支出を管理する能力も問われるわけです。
次回はこの生活支出の管理についてまとめてみたいと思います。
以上、なにかお役に立てる情報あったでしょうか?
それでは、また!!
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