もともと全世界株式・全世界債券への分散投資からスタートした資産運用ですが、結局の所米国株式へのインデックス投資と高配当株投資に落ち着いてきました。
ここに来て気になっているのは連続増配株式ETF
連続増配ということは減配していない銘柄だけを組み入れたETFですから時間が経つほどに配当金が増えていくことが期待できるわけです。
もちろん高配当株式戦略を取る時にも増配は欠かせないポイントなので増配が大いに期待できるVYMを中心にポートフォリオを作っているのですが連続増配ETFについても調べないわけには行かないと思い今回まとめてみることにしました。
メジャーな連続増配ETF
取り上げるのは以下のETF、いずれも連続増配として有名ですね
VIG:バンガード米国増配株式ETF
SDY:SPDR S&P 米国高配当株式ETF
連続増配株ETFの基本仕様を確認
配当金を目的としている投資で重要なポイントは以下の4点だと思います。なのでこれらについて確認していきましょう。
手数料が安いこと
利回りが高いこと
配当が安定しているか
長期で見て株価が下がらないこと
基本仕様比較
高配当ETFのSPYD・HDV・VYMも合わせて記載しています。
VIG | SDY | SPYD | VYM | HDV | |
経費率 | 0.06% | 0.35% | 0.07% | 0.06% | 0.08% |
分配金利回り | 1.79% | 2.91% | 3.95% | 2.75% | 3.33% |
組込銘柄数 | 約250 | 約110 | 約80 | 約400 | 約75 |
設定日 | 2006.4/27 | 2005.11/8 | 2015.10/21 | 2006.11/10 | 2011.3/29 |
(2021/09調べ)
VIG:
米国 NYSE Arcaに上場している海外ETF。
「 NASDAQ USディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス」に連動。この指数は10年以上の連続増配実績を持つ銘柄で構成されており、修正時価総額加重方式の指数です。またREITは除外されています。
SDY:
S&P高配当貴族指数の値動きに、経費控除前ベースで概ね連動する投資成果を追求。この指数はS&Pコンポジット1500指数の構成銘柄から過去20年以上連続増配している銘柄から構成されています。
過去の運用実績を確認
まず配当含めたトータルリターンから見てみましょう。過去15年のトータルリターンです。さすが連続増配という感じですね、個人的に大好きなVYMが霞んでいます。
過去15年トータルリターン

次に株価を見てみます。上記同様に過去15年の価格推移です。VYMとSDYがほぼ同じようなチャートを描いていますがVIGは別格に強いですね。ただこのため配当金利回りが低めに出ているようです。
過去15年株価チャート

最後に配当金の推移を確認、配当金狙いであればここは外せません。
VYM:
高配当ETFで有名なVYMの配当金推移です。リーマンショック後に配当金が減っていますがそれ以外はかなり頑張っています。2008年を起点にすれば昨年の配当は2倍まで増配しています。

VIG:
さすが人気の連続増配株式ETF、きれいに右肩上がりに増配しています。2008年を起点にすれば昨年の配当は2倍以上でしょうか。

SDY:
あれー連続増配のはずなのになぜかバラついていますね、きれいな増配を期待してたのですがちょっと・・・

この理由は、リバランスの時に発生した売却益は株式購入の資金に当てるのが普通なのですがSDYはこの売却益の一部を頻繁に配当金として支払っているようです。
通常のETFは5~10年に一度行っているようですが、SDYは1~2年に一度という頻度のためこのような配当金の推移になるようです。
セクタ分散について
各ETFのセクタバランスを見てみます。最もこれらETFがインデックスにしているものは高配当や連続増配銘柄に偏っているので時期や環境によって順位や割合は大きく変わるものと理解してください。
セクタ | VYM | VIG | SDY |
素材 | 4.50% | 3.00% | 8.63% |
一般消費財・サービス | 8.40% | 16.60% | 6.08% |
生活必需品 | 12.80% | 9.80% | 15.37% |
エネルギー | 6.20% | 0% | 4.40% |
金融 | 22.10% | 14.20% | 16.62% |
ヘルスケア | 12.90% | 15.10% | 6.28% |
資本財・サービス | 10.10% | 21.50% | 14.42% |
情報技術 | 7.70% | 13.70% | 2.89% |
コミュニケーション | 7.20% | 2.20% | 4.98% |
公益事業 | 8.10% | 3.90% | 14.17% |
不動産 | 0% | 0% | 6.17% |
(2021.09月調べ) |
どのETFも幅広く分散しているようですが、VIGは成長セクタの割合が高そうです。情報技術、ヘルスケアの割合も高いのが株価の伸びにつながっているのかもしれません。
配当金を得るのに向いているのはどれか
配当金を狙う高配当株式投資の選択肢として連続増配ETFを確認してきました。まずは高配当株式として基本的におさえておきたいところについて個人の感想です。
手数料が安いこと
SDYの経費率が0.35%とかなり高く感じますが、その他ETFは0.1%を切っていてかなりやすいです。
利回りが高いこと
利回りは株価が上がると下がってしまうので、現状の利回りを問うのはいまいちなのかもしれません。暴落時に買うのが鉄則ですしね・・・
とは言うものの、VIGの利回りは1.79%と物足りない数字です。トータルリターンではVIGが一番成績が良かったで、成長セクタの割合が多く組み込まれているためだと想像できます。
配当が安定しているか
配当金は安定して増えているようです。ただSDYは特別配当が不定期に出ているようで、実際の増配がどのくらいなのかわかりにくいですね。
なので配当金でキャッシュフローの改善をしたい・・・と考えるのであればSDYだけでは不安です。
長期で見て株価が下がらないこと
これは米国株式に幅広く分散しているETFはほぼ満足する項目でしょう。チャートを見ても増加傾向が見て取れます。
個人的な感想です
VIG:
連続増配であるが、利回りが低いので高配当と捉えて買うものではない。でも配当実績を見ると確実に増配しているので長期保有前提ならば選択する価値あり。
過去の実績から成長セクタの割合も高かったのでトータルリターンは一番よかった。これは米国全体を買うVTIに匹敵するレベル、ここは注目です。
高配当ではないけれど連続増配し、売却益も狙えるという感じですね。
SDY:
最近のETFとしては手数料が高く感じますね、トータルリターンはVYMとほぼ同じ実績なのでここだけ見るとより分散が進んでいるVYMの方が良さそうに感じます。
配当金が毎年大きく変わるので配当金をキャシュフロー改善に使うのであればちょっと工夫が必要かもしれません。
VYM:
リーマン・ショック時には配当が減りましたが、連続増配ではないのでこれは仕方ないですね、ただそれ以外は安定して増配していますのでキャッシュフローの改善にも安心して利用できるETFだと思います。
売却益も狙えるもののVIGのほうが過去の成績は良かったですね、ここはセクタにしても銘柄数にしても幅広く分散しているためだと思っています。
まとめ
配当金を目的とする投資では、高配当に振る場合が多いと思います。実際に購入されているETFもSPYD・HDV・VYMなど高配当銘柄が多く買われています。
やはり利回りの高さが魅力なのだと思います。
でも長期的に配当金をもらい続けるのであれば直近の利回りよりも毎年配当金が増えてくれたほうがよいはず、そういう意味では連続増配という選択もありですね。
配当利回りが低めですが個人的にはVIG、手数料のやすさや連続増配・増配率の高さ(過去12年で2倍以上の実績)から資産を取り崩さないで配当をもらい続けるのはアリです。
ただ投資に絶対はありませんからどのようにして想定外の事態に対応するか考えておくことも必要です。
以上「金の卵を産む鶏」を高配当ETFで育てるか、連続増配ETFで育てるか参考になったでしょうか。
それでは、また!!
コメント