高配当株式の利点は資産を取り崩さなくても配当金が支払われるということです。取り崩しのストレスが無く勝手に口座に振り込まれるなんて素敵です。
これから高配当株式をしたいと思う人にとっても実は米国株式ETFはお勧め、ただ運用目的や資産の使い方のイメージを決めておいたほうがより適切なETFが選べます。
では早速人気のETFについて確認しましょう。「SPYD・HDV・VYM」ですね、どれも優良で手数料もやすく、楽天証券の海外ETF買付ランキングを見ても、2位、6,7位と上位に食い込んでいます。(2021/08/01~2021/08/31)
順位 | コード | 銘柄名 | 市場 |
1 | VOO | バンガード・S&P 500 ETF | 米国 |
2 | SPYD | SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF | 米国 |
3 | VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | 米国 |
4 | QQQ | インベスコQQQ 信託シリーズ1 | 米国 |
5 | SPY | SPDR S&P 500 ETF | 米国 |
6 | VYM | バンガード・米国高配当株式ETF | 米国 |
7 | HDV | iシェアーズ コア米国高配当株 ETF | 米国 |
8 | 2800 | トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン | 香港 |
9 | SOXL | Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF | 米国 |
10 | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 米国 |
今回は米国株式で高配当株式投資をはじめたい方にどのようなETFがいいのか考えてみたいと思います。
なぜこれらのETFが人気なのか
個人的には高配当株式に要求される要件をかなりの部分で満たしているためだと思います。
手数料が安いこと
利回りが高いこと
配当が安定しているか
長期で見て株価が下がらないこと
基本仕様比較
SPYD | VYM | HDV | |
経費率 | 0.07% | 0.06% | 0.08% |
分配金利回り | 3.95% | 2.75% | 3.33% |
組込銘柄数 | 約80 | 約400 | 約75 |
配分方式 | 均等加重 | 時価総額加重 | 配当加重 |
設定日 | 2015.10/21 | 2006.11/10 | 2011.3/29 |
●手数料:
すべて0.1%を切っているのでどれも超安い事がわかります。
●利回り:
すでに幅広く分散されているのでどうしても個別株よりは低め、また最近の株高により利回りが低めに出ていますがそれなりの数値です。
●増配傾向か?:
配当金が安定して支払われているか、過去の配当額をグラフで確認します。ETFの設定から現在までの配当額のグラフは以下の通り、安定という意味ではどれも安定しているのですが増配がはっきりと確認できるのはHDVとVYMですね。



●長期で見て株価が下がらないこと
いくら配当金を出しても長期的に株価が下がってしまえば資産価値は減ってしまいます。なので配当金は出しながら、株価は維持か上昇をすることが望ましいです。
過去5年チャート

その意味ではどのETFもコロナショックで一時的な減少はあるものの、元値以上に戻しています。
特筆すべきはVYM、この3点の中では利回りは低めですが、株価はしっかりと上昇していることがわかります。これだけ上がれば利回りが低めになるのは仕方ないですね。
何故このような結果になっているのか?
ETFを選ぶ際にも、それがどういう特徴をもっているのか知らないわけには行きません。そこで各ETFの中身について考察したいと思います。
VYM:
高配当で財務優良企業400社と多くの企業を組み込んでいます。他の高配当ETFよりも分散されているので配当がやや少なめ、また時価総額加重平均なので企業の成長も取りこぼさないのかなと思っています。
増配傾向がはっきりと見えるので数年後は配当が増えている可能性が大ですね。コロナショック後の回復も見事!! 配当金+インデックス運用のいいとこ取りができそうなETFです。
SPYD:
S&P500の中で高配当銘柄80に均等荷重で組み込んだETFです。利回りはやや高め、金融や不動産といった景気敏感株式が多いことから暴落時の落ち込みは大きめのようです。
暴落時に買うという高配当株式投資の大原則に則ったようなETFですね。いまのところ増配がどうなりそうなのかは見えませんが、すぐに高い配当金がほしいということであれば注目です。
HDV:
財務優良で高配当な銘柄から75銘柄を組み込んでいます。面白いのが配当に着目した荷重付をすることですね。エネルギーやヘルスケアの割合が大きく、景気敏感な金融や不動産が少ないのでディフェンシブで高配当が期待できるETFです。
コロナショック後、SPYDよりも早く回復していますが、エネルギーセクタ落ち込みの影響がかなり大きいようです。こちらも増配傾向が見えるので数年後の配当には期待しちゃいます。
どのような高配当戦略をとるか?
高配当株式と言っても特徴は様々、運用方法もさまざま。なので自分がどのようにして資産を作り、どの様に資産をどのように使っていくのかを考えることは大切です。
高配当ETFの特徴を知ってどう活用するか考えてみましょう。
あくまでも個人的感想です
VYM:
オールラウンドに誰にでも勧められるETF、バランス良く分散されているので積立投資との相性も良さそうです。ただ幅広く分散のためか、人気のためか配当は低めですね。
コツコツと積立投資を続けながらキャピタルとインカム同時に狙えますし、増配もありますから日々のキャッシュフローも良くしつつ、資産も増やしたい人にはおすすめです。
HDV+SPYD:
HDVとSPYDどちらもセクタに偏りがあるのですが、両方持つことでバランスが取れます。なので長期投資であれば単体で持つよりは組み合わせる事をお勧めします。
またVYMよりも利回りが高いので、すぐに高配当でキャッシュフローを良くしたいという目的であればHDV+SPYDがお勧めですね。
VYMと比較するとキャピタルへの期待は小さめ、なので暴落時に買い込む逆張りが中心の投資となるでしょう。
まとめ
米国好配当ETFとして有名な「SPYD・HDV・VYM」、どれを買っても失敗はありません。ただ性格は異なるので自分の投資目的にあったETFを選びたいです。
また米国のETFは商品の幅が広くて魅力的なものが多いです。またHYGなど投資格付けが低いものの組み込む数でリスク分散するハイイールド債(ジャンク債)など更に高配当なものもあります。
まずは 「SPYD・HDV・VYM」 から検討して利回りに納得がいかなければハイイールド債ETFなんかも検討してもいいかもしれませんね。
それでは、また!!
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