何でもそうですが投資でも目的を明確にしておくことは大切だと思います。投資ですから単純にお金を増やすのが目的なのはわかりますが、もう少し具体的に・・・
いつまでにどのくらい貯めるのか
資産をどのようにして使っていくのか
いつまでにどのくらいの資産がほしいのが現実的に決めていくというのは誰もが思いつくところですが、資産をどのようにして使っていくのか・・・これは非常に大切です。
増えた資産はどこかのタイミングで使って行かなければなりませんからね。
この目的が曖昧だと、退職金が減らなければいいや・・・なんて思って銀行や証券会社でカモにされかねません。また、たまたま景気が良い時にもっと入金すればもっと増える・・・など欲をかいて大損するかもしれません。
そこで目的のひとつ「資産をどのようにして使っていくのか」をキーにして年配者の投資についてまとめてみたいと思います。
結論は資産運用しながら取り崩すことで資産寿命を伸ばすことですね、その運用をどのようにして行うか、必要な資金がどのくらいなのか・・・これを決めていくのがポイントになります。
老後資金は・・・
●必要金額の試算が難しい
●一生働くという選択肢
●資産を減らさないトリニティスタディ
必要金額の試算が難しい
老後資金の難しいところは、いつ寿命を迎えるのかは誰にもわからないことです。つまり毎年使うお金はある程度試算できても、最終的にいくら必要なのかは計算できないのです。
例えば、毎年300万円使うとして年金でカバーできる分が夫婦で200万円、つまり年間の取り崩しは100万円・・・平均寿命まであと30年生きるとすれば3000万円必要。
というのはよくある計算のパターンですよね。
でも平均以上長生きしたら・・・
施設に入ったらいくらかかるのか・・・
しかも取り崩し中は毎年100万円づつ資産が減っていくわけですし、これくらい用意しておけば大丈夫のはずなんだけど、など悩むのは気持ち的にあまり豊かとは言えない気がします。
となると基本は入ってくるお金で生活をすること、できればそれにレジャーや趣味のための余裕資金も入れたいところです。
ここは人それぞれ環境も異なりますし、やりたいことも人それぞれだと思うので 毎年入ってくるお金がどのくらい必要なのかしっかりと見積もってください。
生活費がどのくらいかかっているのか、どうしたら生活のレベルを下げずに支出をおさえられるのかも検討必要です。
一生働くという選択肢
人生100年時代といわれて久しいですが、それだけ老後が長くなるとかかるお金も大きいことが想像できますね。
もし老後40年生きるとして、生活費300万円/年 年金が200万円とすると差し引き100万円 これを40年ですからざっくりと4000万円の資金が必要なわけです。
それだけ大きなお金、老後資金として準備するのは現実的に無理・・・と考えるならば定年以降も働く必要があります。
すでに企業には65歳以降も働ける環境を実現させるための環境整備が進んでいますし、近い将来70歳が定年なんて時代が来るかもしれませんね。
一生働けばお金の問題はほとんどなくなる
預貯金の取り崩し、投資など資産収入、年金、そして自らの労働 というようにいくつかの収入源を確保するのも重要です。
ただ問題は好きな仕事で稼ぐこと、老後働くにしてもお金のために好きでもない仕事を続けるのは精神的にもかなりきついものと思います。
好きでもない仕事は続かない
なのでフリーランスとして働けるようなスキル、社外でも通用するスキルというのはますます重要になって来るでしょう。
資産を減らさないトリニティスタディ
投資の目的を老後資産確保と考えた時に、特に有効と考えられるのが運用を続けながら取り崩すという考え方です。
最近話題のFIRE(Financial Independence, Retire Early)と同じ考え方ですね。
1)リタイヤ後にかかる生活費を試算
2)生活に必要なお金がいくらの資産収入でカバーできるか算出
3)インデックス投資や高配当株投資で資産を作る
一般的に米国株式のリターンが6~7%と言われていますからインフレ2%を考慮して、毎年4%を取り崩して生活できれば資産を減らさないで生活が可能というもの、米国ではFIREムーブメントが起きており最近では日本でも話題になっています。
資産の4%で生活をしなければならないので年間300万円の生活費がかかる人は7500万円もの資産が必要になってしまいます。 このように大きな資産を用意するのがなかなか難しいところです。
ところが日本の場合は年金があるのでFIREのハードルがめちゃめちゃ低くなります。
年間生活費<資産収入+年金
生活費が300万円/年の場合、必要な資産は7500万円でしたが年金で生活費200万円が補完されれば資産からの取り崩しは毎年100万円でいいわけです。
つまり年金受給開始時には2500万円があれば資産を減らさないで生活ができそうです。
とはいえ2500万円は大金ですが、かなりハードルが下がったことがわかるでしょうか。このような考え方で生活費を300万円ではなく250万円まで倹約すると必要な資産は1250万円まで減ります。
なので老後は単純に資産を取り崩すのではなく、資産運用をしながら取り崩すことをベースに考えることをおすすめしたいと思います。(私もこの考えをベースに運用中)
老後FIREの良いところ
もし、どうしても資産の4%と年金では生活できない!! そのような場合でも取り崩し率を少し上げれば済む話ですし、その場合でも貯金の取り崩しよりも遥かに資産寿命が伸びます。
例えば資産取り崩し時点で2000万円の資産があったとして毎年、年金不足分100万円を取り崩すとします。このとき投資のリターンを4%と仮定すると貯金と比べてかなりの差ができることがわかります。

また一時的に大きなお金が必要になったときでも臨機応変に対応が可能、資産は減っていないはずですから大きなお金が必要になったときは取り崩してお金を準備するという選択肢もあります。
もちろん株式ですから思い通りに行かないというデメリットや注意点もありますが今回は考え方だけ書きました。詳細は別途まとめていきたいと思います。
まとめ
投資した資産をどのようにして使っていくのか運用方法を考えておこう。
一般的に老後資金がいくら掛かるのか・・・については生活費に何年生きるかを掛けて計算するので見当違いな金額しか出てきません。そこで老後お金をどのようにして使っていくのか、生活費や余裕費は年間いくら掛かるのか・・・ここを検討して必要な資産額を算出しましょう。
仕事を続ける選択
もし今の仕事が好きで、苦なく働けるのであれば一生働くのも良い選択ですよね、何しろ社会とのつながりも維持しながら好きなことができてお金ももらえる・・・
このような状態ならばお金の心配はしなくても良いのかもしれません。
資産を取り崩す方法
そうでなければ資産の積み上げと、投資を続けながら取り崩しを行うことを基本に考えたほうが良いと思います。幸いまだ年金の受給額はそれなりにありますから、自分の年金受給額を確認して生活費の不足分を算出、これに4%ルールで取り崩すことを前提で試算すると老後に必要な資産額が計算できると思います。
もちろんトリニティスタディは株式の運用益を利用するわけですから色々なリスクや運用の作戦を考えておかなければなりません。 これについてはまた別記事でまとめたいと思います。
それでは、また!!
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