一般的に退職金を利用して投資デビューはあまりオススメされていません。なぜならば投資未経験でリスク許容度を理解しないままいきなり退職金という大きなお金を手にしたわけですし、もし投資で資産を失ってもリカバリーする時間がないことが理由です。
当の本人は老後不安から少し手も手元のお金を増やしたいというのはわかりますが、どのくらいの資金を投資に回すのか、暴落した時に耐えられるのか、うまく行った時についリスクを取りすぎないか・・・等々心配は尽きません。でも実はこれ以上に怖い問題があるのです。
この合法詐欺を仕掛けるのは銀行や証券会社・保険会社など、特に銀行は私達の口座の動きを知っていますから特に注意が必要ですね。
有名な例ですが・・・
・退職金専用定期預金
・タコ足配当やテーマ型の投資信託
・外貨建て保険や貯蓄型保険 等々
退職金専用定期預金
退職金専用の定期預金ですね、最大のメリットは高金利0.5~2%程度の金利が設定されている場合が多いです。
元本保証でこの金利だったらオイシイ・・・でもあくまでも顧客囲い込みのための商品で、しかも運用期間が3ヶ月とか超短いのが特徴です。金利2%をうたっていてもあくまでも年利換算ですから運用期間3ヶ月ならばリターンは5,000円ということです
しかも条件の悪い投資信託とセット売りだったり、あとからタコ足配当投信を買わせる布石だったりもするのでやめておいたほうが賢明です。
タコ足配当やテーマ型の投資信託
流石に最近は少なくなってきたと思っていたのですが、最近投資信託の人気ランキングで1位をとっている「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」もタコ足ですね、しかも信託報酬が1.727%と尋常ではない高手数料です。
それでいてベンチマークはS&P500ですからもはや何をやっているファンドなのか正体不明です。(S&P500に投資できる優良なファンドは数多くありますよ)
外貨建て保険や貯蓄型保険
外貨建て保険といえば銀行と契約者の間でトラブル頻発ですし、貯蓄型保険も中身はボッタクリの投資信託といいます。
基本銀行や証券会社の利益は手数料ですから必然的にリスクは投資家に負わせる一方で安定的に高い手数料を取るわけです。なので保険と貯蓄はわけてシンプルに掛け捨てで十分。
合法詐欺に騙されるのは
詐欺には様々なものがありますが、少なくとも投資について自らが勉強して少額でもいいから投資経験があれば投資家に全く役に立たないような金融商品や保険を買うことはないでしょう。
もちろん絶対に引っかからないと言うことではありませんが確率はかなり減るはずです。
・投資経験がない
・定年が近づくと老後生活が不安になってきた
・まとまったお金を手に入れた
・勧められるままよくわからないゴミ商品を買ってしまった
くれぐれもよくわからない商品には手を出さないことです。
50歳代こそ投資の勉強をしよう
個人的に長期投資は貯金と同じように一生付き合うモノ、なのでこれからの世の中必須の知識だと思っています。
自らが優良なファンドとはなにか研究し、資産分類をどうするか考え、少額から損をしてリスク許容度を体験するのは50歳代からでも遅くはありません。
投資経験がないまま定年を迎え、老後不安を煽られて退職金というまとまったお金でゴミ商品を買わされてしまわないためにも少額から色々とチャレンジしてほしいと思います。
あくまでも少額で・・・
また、投資経験を積むことでリターンはせいぜい数パーセントであることが理解できると思います。気がついたらもっと大きなリターンがほしい、もっともっと・・・とならないようリスクのとりすぎにはお気をつけください。
保険の場合はIRR関数で比較してみよう
いきなりIRRという言葉が出てきましたが、投資した金額とリターンを比較するのに便利なEXCELの関数です。もちろんGoogleのスプレッドシートでも同じ関数が使えます。
このIRR関数は投資の採算性を評価する関数で複利計算ができ金融商品の利回りがわかるので様々な金融商品のリターンを比較することができます。
条件が良い商品を選ぶためには比較が重要ですからね。
では早速貯蓄型の生命保険の例で利回りを試算してみます
例)貯蓄型の生命保険
・保険加入年齢:30歳
・月額1万円の保険料(年間12万円)
・支払い期間:60歳までの30年間
・死亡保障:500万円
・返戻率110%
計算結果
なんと利回りは0.61%、米国株式の期待リターンが5~6%なので、そのたった1/10しかありません。つまりこの保険は手数料が超高いボッタクリ商品であることがわかります。
この場合はIVVやVTIなど優良な米国株式ETFでリターンが5~6%を狙いつつ保険は安価な掛け捨てで対応したほうが良いだろうという判断もできます。
まとめ
退職金を利用した投資デビューは一般的にオススメされていません。投資未経験者がリスク許容度を理解しないまま投資をするのは危険だからです。
ただそれ以上の問題なのが合法詐欺、投資未経験者の老後不安を煽り明らかに割高な手数料や条件で契約させる手口です。これを防止するには窓口には近づかないこと。
ここにはゴミしかありません
その意味ではネット証券の開設は必須ですね、あとは自分で優良な商品を探し、自分にあった運用方法を考えながら少額から経験を積むことがが大切です。
幸い今はネットで様々な情報が手に入りますから長期投資家が注目しているファンドやETFはすぐに分かります。
ちなみに証券会社の人気ランキングは全く当てになりませんよ
それでは、また!!
コメント