先日Yahooニュースで意外な記事を見つけました。なんと、つみたてNISAをすぐ売却する日本人が以外に多いとのことです。2018年からスタートしたつみたてNISA、長期分散投資が前提の制度のハズですが以外です。
「日本人はなぜ「つみたてNISA」をすぐ売却してしまうのか」
記事によると、18年につみたてNISA専用口座で買い付けた金額が931億円、そのうち約2割にあたる158億円が翌19年に売却されているとのことです。
イメージとしては全体の約2割の人が1年で利益確定に走った感じです。長期運用が前提、20年の非課税期間がありますよ・・・と言ってるのにも関わらずなぜたった1年で利益を確定させてしまうのでしょうか。
例えばつみたてNISAは20年非課税、年40万円まで投資が可能ですから、月々33,333円(年40万円)の積立を20年間、5%のリターンで計算すると
元本合計: 800万円
試算額 :1370万円
全世界株式のVTは過去10年で平均リターンが年8.8%ですから試算結果5%は現実的でしょう。つまり積立しながらほっぽらかせばこれだけのリターンが期待できるです。
にもかかわらず利益を確定してしまう人が約2割もいるのは何故か?
これはリスクに慣れていない人が含み損を怖がって利益確定してしまったものでしょうね、本来取れるはずのリターンを放棄してしまったものです。
今回はせっかく投資をはじめた人が利益確定して損をしないように改めて知っておきたいことをまとめてみたいと思います。
●リスク許容度を意識する
●リスクの大きさになれる
リスク許容度を意識する
投資信託で長期の実績が出ているものがないので、樂天VTの投資先であるVTでリスクの大きさを確認してみましょう。
MyIndexによると年率平均で以下のようになっています。
過去1年平均
リターン 18.2%
リスク 26.3%
過去5年平均
リターン 13.3%
リスク 15.1%
過去10年平均
リターン 8.8%
リスク 14.4%
このリスク分くらいは資産の評価額が上げ下げする可能性があるわけです。例えば年間40万円まで投資が可能ですから過去1年の成績からマイナス26%、つまり評価額がざっくりと30万円くらいまで下がってもおかしくないわけです。
株式ですからこのくらいの変動はあっても当然、もしこのレベルのリスクを嫌うのであれば債券等を組み入れたバランス型にしたほうが良いかもしれません。
投資先の商品についてリターンだけを気にして投資をすると、リスクの大きさににビビってしまう可能性が大、なのでどのくらい変動するのかリスクも確認しておかないといけませんね。
リスクの大きさになれる
これは樂天VTのチャートを見てみましょう。2018年12月に一時的にマイナス10%となっています。 他の商品でもこの時期に大きく値を下げていますから これにビビってしまったひとが もとに戻ったタイミングで利益確定に走ったことが想像できます。
つまりリスクに慣れていない、リスク許容度を超えていた人が多かったと想像できます。
ちゃんとした商品を買えばあとは上げ下げを繰り返しながら成長を続けていくでしょうから、ここを体で理解出るまでは年40万円と言わず、もっと少額で買い進めたほうが良いのかもしれません。
また投資は当面使う予定のないお金で行うものです。たしかに過去の成績からどのくらいまで下がるのか、上がるのかは過去の成績から目安が計算できますが、あくまでも過去の成績からの計算なので絶対ではありません。
リーマンショックのときは殆どの株式で計算上のリスクを大きく下回りました。将来のことは予想できないというのはこういうことです。なのでホールドする自身がなければ 当面使う予定のないお金以外は投資に回さないことです。
過去長期に渡って株式が最高のパフォーマンスを上げてきたことを考えれば株式へ投資をしないという判断は無いでしょうが、リスク許容度を意識して程よいリスクを取りながら投資を続けるというのが理想です。
つみたてNISAが年40万円までに制限されているのは、このくらいが投資未経験者であっても程よいリスクの部類に入るだろうということで設定されているのかもしれませんね。
まとめ
つみたてNISAはもともと長期運用でリターンが期待できる優良な商品が対象であり、長期間の運用前提のため非課税期間も20年とかなり優遇されています。
この優遇=お得だけをイメージしてつみたてNISAを始めるとリスク資産特有の値動きに悩まされることになるのかもしれません。
全くほっぽらかせばいいのでしょうが、やはり値動きは気になります。でもしょっちゅう値動きを確認していくと、そのうち大きく値を下げるときも出てきます。このときに慌てないように 選んだ商品はどのくらいのリスクを持った商品なのかを確認しておきましょう。
とりあえず商品説明書を見ると記載があります。
これは楽天VTIの運用報告書抜粋ですが、-15.1~+33.6%の範囲で値動きすることが想定されています。 このくらいは当たり前という商品に投資をしているのだと言うことは知っておけば そんなもんだ・・・と安心できます。
そしてどうしても心配ならば年40万円の枠を全額使うのではなく、その半分、1/4くらいの少額で値動きになれることおすすめします。
これからの世の中で投資をする人としない人の格差は開く一方ですからつみたてNISAを通して少額からリスク資産になれることが大切、一時的に下がったからと言って慌てて売ると損をしてしまいます。
つみたてNISAは長期運用が前提、じっくりと腰を据えて運用していきましょう。
つみたてNISAの対象商品は現時点で180ほど、どれを選ぶべきかまとめています。
絶対にマイナスにしたくない。そんな方にまとめてみました。参考にしてみてください。
つみたてNISAははじめたら原則ほっぽらかしで良いと思いますが、たまには見直しが必要です。
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