少し前までは周りで投資の話ができる人はほとんどいなかったのですが、最近少しづつ投資をしている人が増えてきています。年々改悪される社会保障や増税・増えない給料・・・となれば投資を考えても不思議ではありません。
でも話を聞くと
TECL(情報通信系のレバレッジETF)を買った・・・とか、ARK社の商品は将来性があるけど日本で買えないんだよね、でも投資銘柄が公開されているから個別株で同じもの買えばいいんじゃね(やす吉コメント:これだめですからね)・・・
なんて話が多く、おいおい投資経験がほとんどない人が退職金でこんなの買って大丈夫かよ、と思うこともしばしば、まだ若い人であれば多少リスクを取ってこのようなETFを買ってもいいかもしれませんが、特に定年間際の人だったら明らかにリスクとりすぎだと思います。
いまコロナ対応で各国はお金を刷りまくってるからリスクをとっても大丈夫・・・確実に損はしないはず・・・という理屈を積み上げて 損をしないで大きく儲ける方法がないか、これは大儲けのチャンスなのではないかと意見を求められている感じです。
損をしたくないというのはよくわかるのですが投資である以上はリスクはあります。だから自分のリスク許容度に応じた商品を選び、どれだけ買うのかを決めていくのです。
どうしてもお金を減らしたくない、でも資産運用しないと将来が心配という方には以下の順番でおすすめしています。
1)節約と貯金
2)つみたてNISA
3)年金の繰り下げ受給
今回は資産を減らさないで投資に成功する方法について解説したいと思います。
節約と貯金
まず資産形成の基本はまずは貯金です。貯金であれば使わない限り確実に資産がふえていくのでほぼ100%確実な資産運用ということができると思います。
例えばイメージですが米国株式の長期リターンが6%前後、でも支出を6%減らせばリスクを取らずに資産が増えることになります。
名著「バビロンの大富豪の教え」では黄金に愛される7つ教えのひとつに「収入の1割を貯金せよ」というものがあります。
つまり収入の1割を貯金に回すことができる家計が破綻することはなく、確実に資産が増えていくことになるのです。
また教えには「欲望に優先順位をつけよ」というものもあります。人は欲望の赴くまま支出を増やしてしまう生き物なので、意識していないと 持っているお金は全て使い切ってしまうものです。
なので1割の貯金をするためには欲望に優先順位をつけて残りの9割で買えないものは諦める覚悟をする。・・・でも実際に諦めても生活の満足度は下がらないというものです。
たった1割貯金しても生活が変わるわけないじゃないか、と言われそうですが たとえばサラリーマンの生涯賃金は約2億円、1割が貯金できればそれだけで2000万円の資産が完成する計算、バカにはできません。
断捨離のすすめ
貯金を増やしていけば更に多くの資産が作れます。ただ今の生活も大切ですから生活の満足度に関係しない支出をバッサリとカットしていくことが大切になってきます。
そのため必要なのが断捨離、自分の価値観と向き合って満足度が低いものは買わないところを目指していきたいですね。安かったから買った、保険に入っておけば安心だから、みんな買ってるから・・・これでは貯金はできません。
また固定費にも注意が必要です。
たとえば「車・保険・携帯」他にも それほんとに必要か?と言う見方で一度全部やめて見るくらいで丁度いいと思います。
わが家では、生命保険解約・がん保険解約・傷害保険解約・スマホの契約見直し・家の光回線見直し・楽天経済圏での生活・・・などを行うことで生活のレベル・満足度は変わらずに年間20万円以上節約できています。
ちなみに必要と思う保険は、自動車保険と地震保険・生命保険、でも子供の教育費は貯金で取り分けてあるので生命保険は解約しました。
以上、ほぼ100%確実な資産運用は「節約と貯金」、節約して貯金ができる家計が破綻することはありません。
つみたてNISA
そして、その次に勧めるのが「つみたてNISA」、個人的には国民全員がつみたてNISAすべきじゃないかと思うくらいです。
「節約と貯金」は無駄なお金は省きつつ、満足度が高いところにお金を使いながら資産をためていく能力を高めていくものです。
しかし貯金だけではお金は増えずインフレに負けてしまいます。インフレとは物の値段が上がり、お金の価値が減っていくこと、日本はあまりインフレが進んでいないような印象もありますが、教育などモノによってはかなり進んでいるものもありますし、日銀や先進国の中央銀行はインフレ目標を2%としてお金を刷っていますからいずれインフレは進んでいくでしょう。
このため長期で見れば投資を組み合わせて2%以上のリターンがほしいわけ、ここで誰でも簡単にできて、金融庁が長期的にリターンが見込めそうなファンドを厳選、しかも税金のかからない「つみたてNISA」は要検討なんです。
つみたてNISAはリスク資産ですから下がるときもあります。でも年40万円までというリミッターが付いていますからリスク許容度についてもかなり配慮されていると思います。
とはいっても数字がマイナスになるのは慣れないとおっかないですから少額で慣れるところから始めるのをおすすめします。
なお妻はお金(数字)が減るのに耐えられない性格のため「つみたてNISA」はやっていませんが、やす吉の楽天VTIはこの3年は年10% 成長をしているので彼女が始めるのも時間の問題でしょう・・・
また投資に慣れてくると貯金が馬鹿らしくなる時が来るかもしれません。時間をかければお金が増えていくからです。でも暴落はいつ来るかわからないので生活防衛費や近い将来使う予定のお金は貯金でとっておく必要があります。
なので、この貯金と投資のバランスと家計全体のポートフォリオは意識しておいたほうが良いですね。
年金の繰り下げ受給
確実な資産形成をしようとすると、まずは家計見直しと貯金、そして次につみたてNISA、余裕があれば更に積立額を増やす。でも、どれも時間がかかるものばかりです。
なので定年間際の方には合わない方法です。若いうちからであれば長期投資を行ってもいいですし、リスクをとっても大きなリターンを目指すのもありですね。損してもリカバリーの時間があるからです。
でも定年間際で、以外に退職金が少ない とか年金支給額が思いの外少ないとか・・・現実が見えてくると退職金を原資に大きく儲からないかと色々と考え始めるわけですね。
これらは調べればわかるので早めに確認しておいたほうが良いと思います。これがわからないと老後どのようにして生活するか、作戦がたてられません。
また定年間際なので投資で損したときのリカバリーの時間が取れません。これは一般的にはリスク許容度がかなり低いことにを意味します。なので投資はおすすめできないのですが、つい儲かりそうとかリターンばかりが気になってリスクが疎かになってしまいます。
だからレバレッジETFとか成長株とかの話になるのですね。
でも短期的に儲けたいといってリスクの高い運用をすると、一部の人は儲かるかもしれませんがほとんどの人は状況を悪化させるだけに・・・
しかも「お金があって投資に前向きな初心者」となれば証券会社の格好の餌食になりかねません。
こう考えると退職間際からの投資はおすすめできないとうことになります。
そこで代案として出てくるのが年金繰り下げ受給、70歳まで繰り下げると年金の支給額が最大42%増えるので、退職金や労働で等で65〜70歳の生活費が賄えれば一番合理的です。
まとめ
「ほぼ100%確実に資産形成する」のであれば、まずは家計の支出見直しと貯金です。もし会社員の生涯賃金2億円とすれば1割を貯金するだけで2000万円もの資産を作ることが可能、これだけで老後資金の不足問題2000万円が解決してしまうくらいのパワーです。
まずは今まで買って当たり前と思っていたものを一度見直してみましょう。自分が今まで当たり前と思っているので見直すのは以外に難しいのですが、このとき有効なのが断捨離です。
その他にも大きな固定費は一度なかったものとして、ほんとに必要か・他に方法がないかを見直せば 多分、殆どの家庭で年間20万円くらいは削減できると思います。
ほぼ100%確実な資産形成ということではここで終わりです。でも知っておいてほしい事もあります。
貯金だけではインフレに負けてしまうので、最低限度から投資を始めることがひつようです。つみたてNISAを利用すれば年間40万円までは非課税ですし、40万円等縛りがあるので暴落などがあっても含み損の額をおさえたり心理的な安定につながりますよね。
なかなかよく考えられた制度だと思います。なのでこの40万円の枠内で投資を始めてなれていくべきだと思います。なぜならこれからの世の中投資は必須、投資している人としていない人の格差は確実に開くでしょう。
あと悩ましいのが定年退職間際の方々、まず定年後の生活設計を考えていく上で早いうちから退職金や年金の見込額を把握しておく必要があります。
これがわからないと、何時頃いくら位のお金が必要か見当がつけられませんからね。
そしてこのような人には投資おすすめしません。お金に余裕があって、余裕資金の中で投資をするのであればいいのですが、生活費と絡めると短期間で大きなリターンを狙うことになります。投資期間が短いこともあり大きなリスクを背負うことになります。
上手く行けばいいのですが、行かなかったときのリカバリーが大変です。
なので年金繰り下げ受給を視野に入れて、退職金の取り崩しや労働等で70歳まで繰り下げるのが条件的にはいいです。
資産状況などで作戦は変わってくると思いますが、節約と貯金、長期投資、年金繰り下げというキーワードは資産運用で無視しては通れないのではないかと思っています。
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