経済の仕組みを超簡単に解説/なぜバブルは起きるのか?

株式投資
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なかなか難しいと思われる経済の仕組み、レイ・ダリオ氏の簡単解説動画がなかなかわかりやすかったので備忘録としてポイントだけをドキュメントにまとめてみました。これを知っておくだけで、なぜ中央銀行が金利を操作するのか? なぜリセッション時にお金をばらまくのか? 結果これからどうなっていくのかがわかってくると思います。

経済ニュースへの理解がぐっと深まりますし、今経済がどのような状況なのか・これから何が起きるのか 中・長期目線での資産運用にきっと役に立つでしょう。

なお、レイ・ダリオといえば米国のヘッジファンドマネージャー、彼はブリッジ・ウォーター・アソシエイツを創設し「最小リスクで最大の利回りを目指す」という運用スタイルで有名ですね。

では早速始めましょう。
 参考:https://www.youtube.com/watch?v=NRUiD94aBwI&t=29s

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誰かの支出は誰かの収入となる

経済とは突き詰めれば個人間で、ものやサービスとお金を交換する行為です。これが個人だけでなく会社や銀行・政府でも起きています。

景気を良くするためには誰かが支出が増えればいいわけです。それは他の人の収入が増えることになりますから、その人の支出も増えることが期待できます。

支出を増やすためには2つの方法しかありません。
1)生産性と労働時間を増やして収入を増やす
2)クレジットを使って支出を増やす

長期的には1)の生産力は知識の蓄積や技術の進歩などにより増えていきますから右肩上がりに成長します。下の図で言えば直線で書かれた「生産力の成長」です。長期的に経済に大きな影響を与えますが、短期的には2)クレジットによる影響のほうが大きくなってきます。下の図で言えば「短期的周期」に影響してきます。

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政府(中央銀行)は金利調整とお金を発行できる

支出はクレジットによって増やすことが可能です。収入以上の支出をすると、それが誰かの収入になるわけですから徐々にお金の流通量が増えて景気が良くなっていきます。

イメージですが・・・こんな感じでGDPが増えていきます
手取り20万円のAさん
 1割の借金をして22万円の支出=Bさんの収入が増える

手取り22万円になったBさん
 1割の借金をして約24万円の支出=Cさんの収入が増える

生産力よりも消費が大きくなるとモノの値段が上がる現象が発生します。この値段が上がり続けることをインフレといいますが、中央銀行は適正なインフレ率を守るためインフレが進みすぎないようにクレジットを抑制します。

金利を上げて借金をしにくくするわけです

するとクレジットが抑制されますから個人の支出が減り、すると他の人の収入が減ります。そして徐々に景気が落ち込んてきます。これが続くとモノの値段が下がる現象が発生します。この値段が下がり続ける現象をデフレといいます。

こうなると中央銀行は金利を下げてクレジットをしやすいようにして消費を刺激、適切なインフレ率になるよう調整をするわけです。

このように短期的周期は金利の調整によって発生します。一般的には5~8年と言われています。

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債務の長期的周期

この短期的な債務周期は何年も繰り返されながら徐々に債務総額が増えていきます。人々は債務返済よりも支出を増加させてしまう傾向があるからとされています。

確かに債務返済よりも収入が多ければ債務の絶対額が増えていても返済に支障はでません。すると資産価値や株価も高騰し、収入も増えます。

こうなるとお金を借りてでも資産を買ったほうがよいわけです。…これがバブルです

ただ、いずれ債務量の増大に伴い所得よりも返済額が増えることになります。こうなると返済のため支出をおさえなければなりません。すると全体として所得水準も下がりお金を借りることも難しくなってきます。

こうなると膨らんだ債務の負担に耐えきれなくなり、支出が下がり景気が悪化し始めます。この状態が長期周期のピークです。最近では2008年のリーマン・ショック時にもこの現象が発生しています。

返済に当てるお金もなくなり、借り入れもできなくなるので持っている資産を売りに出さなければなりません。このため市場では売りに出される資産であふれ返り、そして株式の暴落、不動産市場の崩壊、銀行も担保価値も減少して経営難となっていいきます。

クレジットが減る ⇒ 支出が減る ⇒ 所得が減る ⇒ 資産価値が減る ⇒ クレジットが減る ⇒ 借りることがさらに難しくなる

・・・といった悪循環です

このようなときに買いに走った人は後で大儲けしたのは言うまでもありません。

長期周期の回復

この悪循環が不景気と違うのは、クレジットがなくなっているので、利子を下げてゼロにしても景気回復につながらないところです。債務負担が重すぎるからです。

なので景気を回復させるには債務負担を縮小させる必要があります。

その方法は・・・
1)支出の縮小
2)債務不履行と再編
3)富裕層から資金を集める
4)紙幣の印刷

支出の縮小(緊縮策)
債務返済のため支出をおさえることで債務負担を減らそうとするものですが、支出を減らすので他の人の収入が減ってしまいます。一般的には債務返済よりも所得縮小が早く進むので結果、デフレが発生します。

そして支出の縮小は雇用の減少や失業につながります。

債務不履行と再編
借り手の多くは借金を返済できません。借金は銀行にとっては資産ですから資産回収ができなくなり、銀行の資産が無くなってしまうわけです。

なので銀行は資産の消滅を避けるために債務再編に同意します。つまり返済額の縮小や利子の引き下げや返済期間の延長に同意せざるを得なくなるのです。

これにより債務は縮小しますが、債務が再編されると所得と資産価値が急激に減っていくわけです。

富裕層から資金を集める
また所得と雇用が減れば税収も減っていきますし失業者が増え失業保険も必要です。景気も刺激しなければならないため政府の支出も増えます。政府の債務負担増加はこのようにして発生します。

このような中で政府はどこからお金を集めようとするのか?資産は限られた一部の富裕層がもっていますからそこから税収入としてあつめようとします。

これにより富の再分配をするわけです。

紙幣の印刷
恐慌がつづくと社会不安が起きます。人々の間だけでなく債権国と債務国といった国家間でも発生し、戦争や恐慌の原因ともなりかねません。なので更に強い対策が必要です。

人々がお金だと思っていたものは実際にはクレジットだったということです。クレジットが消滅すると支出が不足しますからその分はお金で補うしかありません。

そこで中央銀行はお金を印刷して金融資産を買い資産価格を引き上げ、人々が借り入れをしやすくします。金融資産以外については政府が物品やサービスを買うことでそのお金を市場にばらまくことができます。

ただ政府はお金を発行できませんから中央銀行が政府債権を買うことで資金を調達しているわけです。この様に政府と中央銀行が協力して経済の活性化を図ります。

すると国民の所得が増え、国の赤字も増えます。しかしこれにより経済の債務負担総額を減らします。

1)~3)はデフレの要因となるのに対して4)はインフレの要因となります。政府や中央銀行はこのバランスを取ることで経済の安定が図るわけです。

そして債務の利子よりも所得の成長率のほうが高くなるようにお金を投入できれば債務は徐々に減少してやがて好況へ・・・というのが債務の長期的周期ということになります。

最後に

もちろん普段の生活の中でこの長期的周期を意識することは難しいと思いますが中央銀行の政策を見ると何が起きているのかだいたい予想はできます。

またこのリセッションにかかる時間は通常10年くらいと言われていますから、そろそろ次の不況が発生するのではないかと言われるわけです。また長期周期のサイクルは70〜100年と言われていますが、過去を振り返ると2000年ドットコムバブル・2008年リーマンショック・・・結構しょっちゅう発生しているように思いますね。

以上、経済成長や長期的・短期的な周期の理由と対応についてまとめてみました。かなり端折ってポイントだけをまとめてみましたが、景気の状況に応じて中央銀行が金利操作やお金の投入をしている理由がわかると思います。

そしてコロナ禍のいま世界中でお金を印刷して債務の買取やお金のバラマキをして景気を下支えしています。いずれ景気は回復して行きますが後々いろいろなものに影響しそうです。特に過度なインフレの発生と国ごとに発行する通貨量のバランスで為替への影響は気になるところです。


日本はこの債務の長期周期の他にも高度成長が終わり社会構造そのものが変わろうとしています。経済の波を意識しつつ柔軟に対応を考えていかなければなりませんね。

政府・中央銀行は膨大な額のお金を刷って市場に投入しています。こうなるとリスク資産を持っている人とそうでない人の差は自ずと広がってきます。

また暴落したときに買いに走った人は後に大きく資産を伸ばしていますが、とは言っても暴落しているときに買いはなかなか難しいと思います。

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