先日、投資未経験の方がインデックス投資を始めるときに必要と思われる最低限度の知識を解説しました。インデックス投資は初めてしまえば、あとは淡々と長期間積み立てればいいので原則はほっぽらかしで、たまにリバランスをするくらいでよいのです。
しかし長期運用ですから自分の置かれている環境が変わったり、世の中の環境が変わったりしたら投資方法や投資対象について見直しが必要になるかもしれませんね。
なので今回はインデックス投資を始めたあとに行っておきたいことをまとめてみました。前提は前回の記事のとおり、インデックス投資でつみたてNISAを限度額まで利用します。
また通常はリスク許容度を考えて債券を一定の割合で組み入れることが推奨されていますが、資産規模が小さいうちは債券の代わりに現金でOKでしょう。
投資の目的を再確認
投資は長期運用を前提としていますから初めに立てた期間と目標は異なって当然です。目標金額が変わったり生活環境が変わったりしたときは投資額や運用方法など見直しして良いのです。
そして、もし5年後・10年後といった短期・中期でまとまったお金がほしいということになれば インデックス投資では実現が難しいです。投資ではなく貯金額を増やす、副収入を考える方が実現の可能性が高いでしょう。
なぜならばインデックス投資で投資期間10年は短すぎ、20年あればプラスになるだろうと言われています。
また投資をすることで日々のキャッシュフローを良くしたいと考え方が変わったとするならばインデックス投資では対応できません。配当よりも株価の上昇を狙う投資なので、その場合は高配当株式も考えていく必要がありますね。
いずれにしても長期運用ですから途中で目標が変わることもあります。なのでやりたいことを定期的に見直して、方法を検討するほうが良いと思うのです。
ファンドの成績を確認
先程も紹介したファンドは米国や世界全体の株式に大きく分散投資していますが株式は非常にリスクが大きくファンドの基準価額(評価額)は大きく変動します。
どのくらい変動するのかは過去の実績からだいたいこのくらいという値が運用報告書に記載されています。なのでまずこの数字を把握しておきましょう。
楽天・全米株式インデックス・ファンド 運用報告書より
これは楽天・全米株式インデックス・ファンドの運用報告書からの抜粋ですが、過去の実績から計算して +33.6%~-15.1% くらいは普通に変動するということです。
これを知らないと大きく評価額が下がったときにビビって売ってしまうかもしれませんが、これは高く買って安く売るわけですからやってはいけないです。逆に追加で資金を入れるくらいで丁度いいと思います。
つまりこのくらいは想定内で当たり前に起こることがはじめから分かっているので心配することはない、淡々と積み立てればよいわけです。
最も必ずその想定に収まるわけではありません。稀にリーマンショックのように想定外の暴落も起こります。ただその時も淡々と積み上げていたらその後の目覚ましい回復の波に乗れたわけですね。
貯金も大切
投資を初めて徐々にリターンが数字で見えてくると、つい貯金よりも投資の回したほうが良いのでは・・・と考える人が出てきます。
投資元本100万円として年間5%のリターンがあれば1年で5万円となりますが、もし元本が200万円だったら10万円となるからです。
でも投資で大切なのは勝つよりも負けないことのほうが大切、不確実な投資の世界では毎年プラスになるわけではありませんし、稀に大きな暴落も起き得ます。
なので生活に使うお金や近い将来使う予定のお金は投資に回さないのが鉄則です。
・生活防衛費
・近い将来使う予定のお金(教育費など)
また投資の積立て用のお金も何割かは貯金に回しておくことで暴落時の値動きをマイルドにする効果もあります。
つまりお金を使うときに暴落して泣く泣く現金化しなくていいように貯金も大切、リスク許容度に合った投資を続けることで負けない投資を目指してください。
老後資金の取り崩し(例)
インデックス投資は取り崩して使うのが原則ですが、投資を続けながら必要な分だけ取り崩す、暴落時は貯金から取り崩すなどの工夫をすることで資産寿命が更に伸びていきます。
例えば老後3000万円の資産が積み上がったとして、毎年120万円(毎月10万円)を取り崩すと25年でなくなってしまいますが、投資を続けていくと資産寿命を伸ばすことができます。
ここから先は想像ですが、年金不足分を取り崩すことになるので資産は徐々に減っていくことになります。4%ルールなど様々な方法で資産寿命を伸ばす研究も行われていますが減っていくことに変わりありません。
心配事は長生きをしたときに資産が減り続けるのを見るのは精神的に辛いかもしれないということです。老後に毎年不足して取り崩す金額はいくらなのか、例えば3000万円の資産が積み上がっていて投資を継続するとします。
投資のリターンが5%だとすると取り崩し額4%であれば計算上は資産が減らないことになります。つまり4%は120万円なので取り崩す額が120万円未満になるような生活がおくれればいいわけです。
もっと取り崩し額を大きくしたいのであれば資産をもっと大きく育てる、そのために毎月の積立額を増やす・・・等々 色々と調整が必要です。
まとめ
投資を初めたら、定期的に確認しなければならないのが今の運用方法が目的にあっているか? できればそのお金をどの様に使うのかを想定して目標金額などを調整することが大切だと考えています。
また投資は継続することが大切、このためには勝つことよりも負けないことが重要です。このためにも自分の選んだファンドの騰落率(とうらくりつ)がどの程度なのかファンドの運用報告書を確認しておくことは暴落時に狼狽売りしないような精神的な支えになると思います。
とはいえ時にはこれを超える想定外の暴落もありうるので現金を厚めに持っておくのも大切、負けない投資をするためには貯金とのバランスも大切ということです。
また将来のための投資・貯金だけでなく、今を有意義に過ごすためにもお金は必要・・・投資の目的とその方法を考えるのは自分の価値観との対話かもしれませんね。
余計なコストを抑えて身軽に生活することができれば生活に必要なコストが減り、投資に回すお金も増えます。この場合狙うのは固定費ですね、我が家では保険の見直しを進めています。
インデックス投資に慣れてきたら高配当株投資も検討してみませんか、国内では良いETFがなかなかなく、個別株はかなりハードルが高いのですが、米国ではかなり良さげなETFがあります。
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