【年金受給】繰上げ繰り下げシミュレーション/老後資金2000万円で豊かに暮らせるのか

前回、年金受給の繰上げ・繰下げについて考える上で必要な3つのことをまとめました。
●出ていくお金の把握
●入ってくるお金の把握
●シミュレーション

なぜなら損益分岐点を意識して、何歳まで生きるから・・・いつ受給したほうがトク という観点では適当な受給時期は分かりません。

結局の所、「出ていくお金を下げること」、「入ってくるお金の把握」そして「シミュレーション」をしないと どのような生活をしていくのか、適切な年金支給時期がいつなのかはみえてきません。

年金の支給時期は原則65歳からですが、この支給される年齢は早めたり遅らせたりすることが出来るのはみなさんもご承知のとおりだと思います。 ...

そこで、今回は昨年話題となった老後資金2000万円を意識しつついくつかシミュレーションして老後の生活費について考えてみたいと思います。

出ていくお金の把握

まず大切なこととして、出ていくお金を把握です。前回の繰り返しになりますが生活のレベルを落とさずに無駄をカットすることは生活が身軽になって 資産寿命を延ばしていくことにつながるのでまずはここを整理していきましょう。

ポイントは以下位でしょうか?
●月々使う最低限のお金
 生活費
●月々使う余裕分のお金
 趣味、外食など
●年間通して使う最低限お金
 税金や冠婚葬祭など
●年間通して使う余裕分のお金
 趣味、旅行など

このような観点で切り分けて、各々に対して内容を精査するわけです。特にスマホの契約や車、保険には注意、無駄なものをやめる、契約を変えるだけで必要なお金を減らすことができます。

毎月の支出を少し手も抑え、その分将来のために貯金や投資をしたいと考えている方にとって節約はマストで大切なこと。 でも方...

支出は人それぞれなので絶対的な回答はありませんが、生命保険文化センターが行った意識調査によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額で平均22.1万円となっているそうです。

支出を少し下げるだけでかなり資産寿命が伸びる

では早速シミュレーションをしてみましょう、ここでは標準的な年金支給額(日本年金機構発表)22万円/月+α として年間320万円を基準とします。

なお、計算するためには平均値やだいたいこのくらい・・・ではなく、ちゃんと自分の年金額や退職金を確認しておくことが大切ですよ。

条件1:
初めに支出の差による違いを確認しましょう

●年金以外の収入なし
●年金支給額 年間240万円
  繰上げ5年で168万円
  繰下げ5年で340万円
●金融資産2000万円(60歳時点、年利3%で運用)
●支出は年間320万円/年

すぐに資金が枯渇してしまうことが解りますね、繰上げした場合に資産寿命が一番長くなりますが、それでも75歳までです。平均寿命が80歳を超えている事を考えればまだ足りないですね。

条件2:
では支出を少し下げてみましょう。

以下条件では年間40万円下げて280万円/年で生活したとします。
●年金以外の収入なし
●年金支給額 年間240万円
  繰上げ5年で168万円
  繰下げ5年で340万円
●金融資産2000万円(60歳時点、年利3%で運用)
●支出は年間280万円/年

資産寿命に大きな変化が現れたことがわかりますよね、60歳繰上げ受給をした場合は83歳で資金がつきますが、65歳からの支給では資産寿命が90歳を超えます。

支出が年間40万円、つまり月々26万円かかる生活費を23万円まで圧縮するだけで資産寿命が大きく変わってくることが解ります。

この条件1,条件2で見てみると 以下の条件のみ資産寿命が90歳を超えることが確認できます。
●金融資産2000万円(60歳時点、年利3%で運用)
●支出は年間280万円までおさえる
●繰上げ、繰下げをしない

60歳時点の金融資産の比較

定年時点で持っている金融資産が多ければ当然資産寿命も長くなりますが、具体的にどのくらいの差がつくのかはシミュレーションしてみないと分かりません。

そこで条件1で60歳時点の金融資産2000万円を3000万円に増額した時で比べてみましょう。

条件3:
●年金支給額 年間240万円
  繰上げ5年で168万円
  繰下げ5年で340万円
●金融資産3000万円(60歳時点、年利3%で運用)
●支出は年間320万円

条件1ではすぐに資産が枯渇してしまうのに対して、条件3金融資産が3000万円あると65歳受給、70歳受給とも資産寿命は90歳を超えます。

また面白いのが70歳まで繰り下げると70歳以降は資産が増え続けることもわかります。これはリスクを取ることなく年金で生活費がまかなえるようになった状態です。

資産寿命が90歳を超える条件

●金融資産3000万円(60歳時点、年利3%で運用)
●支出は年間320万円
●65歳、70歳年金受給開始

退職金以外持っていない

では最後に貯金なし、60歳の時点では金融資産が退職金1500万円のみとします。当然資金がすぐに枯渇するのは明らかなので60歳~64歳まで5年間年はゆるく150万円/年を稼ぐ・・・でも足りないので生活費を280万円までおさえてみます。

条件4:
●収入150万円(60~64歳)
●年金支給額 年間240万円
  繰上げ5年で168万円
  繰下げ5年で340万円
●金融資産1500万円(60歳時点、年利3%で運用)
●支出は年間280万円

なんとか先がみえてきましたね、

繰上げ、繰下げをしてしまうと資金が90歳まで持たないことが解ります。定年後は程々に月々12~13万円くらい稼いで、生活費は月々23万円程度におさえる。

そして年金受給を65歳とすると90歳の時点で500万円以上の資金が残っている計算です。500万円以上あればいざというときの予備資金としても期待できます。

またプラスで400万円ほど稼いで70歳まで繰り下げるとその後は自動的に資産が増えていくことにも注目です。

まとめ

平均的な年金支給額と支出をベースにシミュレーションをしてみましたが、月々の生活費を少し下げるだけで資産寿命が大きく伸びる。金融資産を少しでも多く持っていれば資産寿命が大きく伸びることが感覚ではなく数字でみえてきます。

またタイトルの老後資金2000万円では繰上げも繰下げもしないで年間支出を280万円程度におさえる必要が出てきます。ということはやはり少しでも長く働く、生活パターンをみなおして支出をおさえるといった工夫は必要ということになります。

具体的にどのくらいまで働くか、支出をおさえるかは実際にシミュレーションをして検討してみると良いと思います。

漠然とした不安は、できるだけ数字に置き換える事が必要。 数字が見えれば何をしなければならないのかもみえてきます。

また今回のシミュレーションでも繰り下げができれば70歳以降は資産が増えていくことにも注目です。支出よりも収入が大きいわけですね。

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