原油価格の急落/これが景気に与える現象を整理

コロナウイルスによる経済の影響が大きく注目されていますが、原油価格の低下に危惧する方も多いようです。「原油価格(WTI)が再び下落、20ドル割れ寸前」という原油価格の低下がNEWSになったりします。

原油価格が下がれば燃料代などで企業の負担は減るでしょうし、ガソリン価格も下がるので景気には良い影響が出そうですが実際にはその逆の現象が起きるのだそうです。

経済ニュースなどでは景気の動向や為替の他にも原油価格が話題となっていますが、そもそもなぜ原油価格が下がっているのか? 何が問題となるのかNEWSで取り上げられているくらいですから概要くらいは知っておきたいと思います。

なぜ原油価格が下がっているのか?

簡単に言えば石油産出国の中で価格競争が起き、原価割れをすれば石油関連の企業が破綻して景気が悪くなるというものですね、その前に基本情報を整理しておきましょう。

原油生産量が多い国ランキング
(1日あたりの生産量 バレル/日量)

1  アメリカ合衆国(米国) 1,531万1,000
2  サウジアラビア 1,228万7,000
3  ロシア 1,143万8,000
4  カナダ 520万8,000
5  イラン 471万5,000
6  イラク 461万4,000
7  アラブ首長国連邦(UAE) 394万2,000

8  中華人民共和国(中国) 379万8,000
9  クウェート 304万9,000
10 ブラジル 268万3,000

(出典:BP Statistical Review of World Energy 2019 – Oil: Production, 2018)

OPECについてもかんたんに触れておきますね。

以下Wikipediaより:
石油輸出国によって結成され、輸出国の利益を守ることを主な目的とする。当初の設立目的がアメリカなど国際石油資本に対抗して産油国の利益を守るためであった。

そしてランキング下線がある国はOPECの現加盟国です。つまりOPEC加盟国の利益を守るため協力して価格の維持に努めていたわけです。

ただ、コロナウイルスによる景気の下落が予想される中で、原油減産しないと価格が維持できないのは明白、ところが3月5~6日に開かれたOPECとロシアなどの産油国を含めたOPECプラスの会合で話がまとまらず協調減産は2020年3月に終了することとなっています。

これを受けて40~60ドルで推移していたWTIが急落して今現在は20ドル近くで推移しているという状況、この主役は3人と思われます。

アメリカ、ロシア、サウジアラビア

OPECとロシアなどを加えたOPECプラスでは減産で合意していたが、昨年から米中の貿易戦争から世界経済が停滞する中でアメリカのシェールオイル増産が進んでいた。

それに加えてコロナウイルスによる経済の減速がはじまり、OPECプラスではさらなる減産をしようとしたが、ロシアがこれを蹴ったのに加え、サウジアラビアも増産に転じています。

これにより米国の石油関連企業に大きな打撃が出ることが考えられVDEも大きく値を下げています。

S&P500とVDEチャート(過去3ヶ月)

原油価格が下がると何が問題なのか?

消費者目線では原油価格が下がればガソリン、電気代等々様々なものの価格が下るので嬉しいのですが、産油国にとってはたまったものではないですよね。

原油価格の低迷が長引けば石油に依存する産油国の経済に影響が出て来ることは必至、また生産コストが高いアメリカのシェールガスに関連する企業にも大きな打撃がでて、更なる景気低迷につながっていくのは必至です。

この辺は各国の利害が大きく影響をしているものの、産油コストを考えるとい1バレル20ドルは緊急事態とも言えそうです。

財政均衡価格(国の財政収支が均衡する原油の価格)
ロシア : 40ドル程度
サウジ : 80ドル程度

アメリカの場合は民間企業が世界中の金融機関から莫大な借金をして開発、採掘を行っているのでこれら企業が潰れれば経済に大変な影響が出てくるでしょう。ちなみに2019.1/14の日経経済新聞によれば既存の油田で1バレル25~40ドルが採算ライン、新規油田で50ドルとありました。

当然ですが、他の国が値下げをすれば アメリカ、ロシア、サウジアラビア以外の国も値下げをせざるを得ません。なので主人公が喧嘩を続けると世界経済に大きな影響が出てくるのです。

以上が原油価格が景気や株価に影響を与えるメカニズム、WTIと株価も連動していることをイメージしておくことでより世の中の状況がより見えてきそうです。

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