グローバル3倍3分法ファンド/新しい試みと10年の寿命

最近何かと話題に上がるグローバル3倍3分法ファンド、日興アセットマネジメントが2018年10月設定したファンドでまだ1年の実績しかありませんが純資産額が総額3000億円に迫る超ヒット商品です。しかも今年の4月までは純資産額がほとんど伸びていないので、実質6ヶ月間でこれだけ増えたことになりますね。

モーニングスターの純資産増加率のランキングでも過去1ヶ月で30.27%と圧倒的、楽天証券の投資信託買付ランキングでも1位が楽天VTI、3位がこのグローバル3倍3分法ファンドです。 これは調べておく必要がありそうですね。

なぜこれだけ人気なのか?

これは日興アセットマネジメントのHPにもありますが、パフォーマンスが非常に良かったということに尽きると思います。

今までなかったファンドですから、設定から半年は誰も見向きもしなかったのが、そのパフォーマンスから一気に注目を浴びるようになったのですね。

(日興アセットHPより)

このチャートを見ても株式、債券、REITを含んだバランス型としては非常に良い成績を収めていることがわかります。2018年12月に一時的に世界的な株価下落がありましたが、そのときも比較的下落が少ないのは債券の割合が大きいということになるのでしょう。

パフォーマンスも良好です。
例えば過去1年の成績を日経平均、楽天VTIと比較すると ・・・

青:グローバル3倍3分法ファンド
緑:楽天VTI

性格の異なるファンドですから一概には言えませんが、多くのファンドが苦戦している中でもグローバル3倍3分法ファンドが大きく価格を伸ばしたことがわかりますね。

3倍3分法の仕組みを整理

グローバル3倍3分法ファンドはバランス型のファンドで、特徴は世界中の債券を先物取引の仕組みを使って200% 同様に日本株式20% 残りは現物投資で先進国、新興国株式を各20%、J-REITと海外REITで各20%という枠になります。

(日興アセットHPより)

先物をしたことのないやす吉にとってはなんともイメージがしにくいのですが、取引成立時には売買の約束をするだけ、つまり20%の証拠金で200%の債券と日本株式20%を買う約束をするだけで、期日には取引時の価格と現価格の差を支払う事で成り立つというようです。

つまり基準価額の変動が大きくなるはずですが、先物取引部分が債券なのであまり目立たないようです。

基本スペックについて

現物は株式MSCI-KOKUSAIとMSCIエマージングで先進国と新興国をカバーしています。また購入時の手薄料が3.3%と高いのですが、楽天やSBIなどネット証券ではノーロードに設定されていること、信託報酬が先物を使っている割には安く設定しています。S&P500が0.1%を切っていることを考えれば高めに感じますが、0.5%を切っているのでギリOKと思います。

購入時手数料:
 3.3%(楽天証券,SBI証券などはノーロード)

信託報酬:
 0.484%

信託期間;
 2028年9月21日まで(2018年10月4日設定)

暴落時の株価変動について

グローバル3倍3分法ファンドは今までになかったタイプのバランスファンドです。過去1年の運用成績しかありませんが素晴らしい成績を低価格で提供していることには心惹かれます。

また過去のバックテストでも良好な成績を収めているといいますが、仕組みが複雑なだけに未来の暴落時にどのような動きになるのかはよくわかませんよね。

特に気になるのがどのような海外の債券を組み入れるのか? 暴落時にディフェンシブに働いてくれるのは高格付けの債券となりますが、海外債券は何を買うのかがよくわかりません。商品説明書には以下のように書いていますが具体的な投資先のイメージがわかないのです。

例えばリーマン・ショック時には高格付け債券ETFのAGGやBNDも一時的に6%程度値を下げています。ディフェンシブなETFですからこの程度で済んでいますが、グローバル3倍3分法ファンド200%(3倍)の債券部分がどのくらい下がるのでしょうか? しかも先物ですからね・・・

大きく下げて、その後回復までに時間がかかるのか、想定通りに浅い傷で済むのかはこれから長い目で見ていくことになるのでしょう。

償還期間が短い

投資は長期運用が前提なので最初の10年は種まきと木を育てる期間だと思っています。しかしグローバル3倍3分法ファンドは償還まで10年、あと9年 2028年9月21日で強制的に終了です。

最近は長期、分散、積立投資がかなり定着してきたものと思いますが、なぜ無期限ではないのでしょうか・・・以下あくまでも勝手な想像です。

グローバル3倍3分法ファンドは新しいタイプのファンドであり今の所、成績は良好です。このへんは目論見通りだったのでしょうね、でも今後は想定していないようなデメリットも出てくる可能性があると思います。

もし商品設計上で何らかの問題があったとしたらファンドの運用方針変えざるを得なくなると思うのですが、既存のファンドの運用を容易に変えることは難しいでしょう。なぜならばファンドのセールスポイントを自ら否定する可能性が出てくるからです。

となると、そのための保険が必要 それが10年の寿命ということなのでしょうか・・・あくまでも個人の勝手な想像です。

まとめ

新しい試みとして生まれたグローバル3倍3分法ファンド、運用成績も好調で純資産額も1年で3000億円に迫る勢いです。買付手数料もネット証券を通せばノーロードですし、信託報酬も0.5%を切るのでコスト的にも合格と思います。

ただ1年程度の運用ですから、これからいろいろなことがわかってくると考えたほうが良いです。また償還まで9年を切っているのも要注意ポイント、始めるのであればこの辺を総合的に考える必要があります。

いずれにしても他社の動き含めて要注意のファンドですね。

投資は10年からがやっと美味しくなるものと考えたほうが良いと思っています。それまでは種まきして木を育てるイメージ、果実を得るのはそれからです。

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