資産形成にとって現金をどの程度持つのかはかなり大切なこと、これに異論がある人はいないでしょう。もちろん若い人で多くのリスクを取ろうと思うのであれば現金の割合を少なく、投資期間があまり取れない高齢の方は現金の割合を多めに・・・という具合ですね。
また急にお金が必要になったときに含み損を抱えていたら現金のありがたみが分かるというものです。家計全体の資産の割合で適当な現金は必要ですし、もしくは投資と家計を切り離すような運用が必要なのかもしれません。
現金の中でも管理していないお金と思われるのが「へそくり」、倹約や内職をして内緒にためたお金、「へそくり」をする理由については様々だと思いますが、先行き不透明な時代ですから、今安定して収入があっても不安になるのもわかります。
ただ、その「へそくり」どのように使うのでしょうか? もし生活費の補完とか交際費、収入が減ったときの備えというのであれば、「へそくり」などと言わずに堂々と現金を持っていればいいと思います。
題は目的や使いみちが決まっていないものをそのまま銀行預金やタンス預金などでもっていること、単に預金をしてもお金が増えることはありません。インフレもすすんでいますから預金は常に目減りし続けていることを知っておく必要があります。
インフレリスク
一般的に先進国ではインフレターゲットを2%においています。このくらいが一番経済発展しやすいということで設定されているものと思いますが、元に米国、欧州、日本においても2%をターゲットにして金融政策を実施してきています。
実際にこの目標が達成できているかどうかは別にして、物価が2%つづ上がっていくように調整をしていることですから長い目で見れば間違いなく物価は上がっていくわけですね。
貯金してもお金は増えませんが、買えるものは確実に減っていきます。数年前まで100円で買えていたものが150円になったとか、同じ金額で中身が減ったとか・・・心当たりありますよね。これはインフレによるものなのです。
つまり貯金は毎年すこしづつ価値を下げていくわけです。
投資は怖いという人も多いですが、投資をしないほうがリスクになるというのはこういうことなのですね。
安全な資産運用方法について
金額という数字が変わらないので貯金の価値も変わらないような錯覚をしてしまいがちですが、数字が変わらなくても資産価値が減っていくのは間違いありません。
その意味で貯金だけというのは怖いもの、資産運用方法についてまずは倹約したお金で少額でもいいので初めて見ることをおすすめします。
また投資というと、大勝するか大負けするか・・・というイメージがあると思いますが、安全に運用しようとすればいいところで3~5%/年位のプラスにしかならないことも覚えておく必要があると思います。
なので良くても10年で1.5倍~2倍が目標、また景気が良いときも悪いときもあるので最低でも10年以上の運用期間が必要です。使いみちの決まっていない「へそくり」ならばこそ長期運用が可能となるでしょう。
また年に7%以上を狙うのであればかなり金融商品が限られてきますし、初心者が手を出すのは難しいかもしれません。どうしても多くの儲けを出したいと思うのは仕方がないのですが、「リターンが大きい=リスクが大きい」ことを肝に銘じてもらえればと思います。
何に投資をすべきか?
投資といえば思いつくのが、株式、投資信託、不動産、現物商品・・・などがありますが、「へそくり」するくらいならば投資をすべきという位置づけて考えればお勧めは投資信託ですね。
投資をしたことがない、倹約したお金を運用するとなれば選択肢は投資信託一択でしょう。 株式は投資の基本である分散をしようとすればまとまったお金が必要になりますし、投資初心者がいきなりこの分散をするのは難しいものと思います。
不動産、現物商品は更にハードルが上がってきます。
また投資するときの基本は非課税制度をフル活用することです。通常はリターンには20%課税されてしまいますが、これがなくなるのであれば活用しないわけには行きませんね。
以上を考えると「へそくり」するくらいならば「つみたてNISA」を利用して少額から長期運用を行うのが最適ではないかということになりますね。
多くの投資家はこれら非課税制度をフル活用しているはずです。わたしも「つみたてNISA」を積立額上限で運用中ですし、間違いないと思っています。
ちなみに「つみたてNISA」は金融庁が出した条件をクリアしたものが対象となり、長期運用で資産形成ができる可能性が高いものが対象となっています。 積立額は年間でマックス40万円まで、月々3万円ちょっとなので少額からの投資を考えている人にとっては要検討な制度です。
投資可能な期間は2018年~2037年(最大20年)、長期運用は10年以上すべきという鉄則はクリアしています。
つみたてNISAオススメ証券会社
では「つみたてNISA」をするにあたって証券会社を選び、その証券会社で「つみたてNISA」口座を開くことが必要です。
大手のネット証券としてはSBI證券、楽天証券、マネックス証券があるので大抵はこの中から選ぶことになるのですが、イチオシは楽天証券ですね。
楽天グループのメリットとして、楽天カードで月5万円まで支払うことが可能、つまり月5万円分のポイントが付与されるのです。このため楽天カード払にするだけでポイントが最大で6000ポイント還元されます。
つみたてNISAに限定すれば年間40万円まで投資が可能ですから、楽天カード払にすることで年間4000円のポイント還元が受けられます。
扱っている商品に基本違いはないので、楽天カードを持っているのであれば楽天証券で決まりでしょう。
つみたてNISAオススメ商品
証券会社を選んだら次は商品を選ぶことになります。商品については約150種類もあるので非常に悩ましいところですが、長期運用では株式のリターンは大きい事から考えれば世界中の株式へ分散投資する投資信託か、米国株式へ分散投資するものがよいと個人的には思っています。
その意味では「楽天・全米株式インデックス・ファンド」、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」など米国のS&P500へ分散投資するファンドが良いと思っています。
何に投資する投資信託なのかを見極めた上で、手数料が安いものを選べばOKです。投資先が同じ投資信託であれば、リターンがおなじになるので 手数料が安いほうが有利となるからです。
この部分は信託報酬を見れば比較できるので確認してみてください。
まとめ
目的を決めていない「へそくり」は、ただ寝ているだけのお金であり、インフレリスクにさらされた かなりもったいないものだと思います。それに目的がなければ散財して無くなって終わりということにもなりかねません。
であれば資産形成の勉強を兼ねて少額からの投資をすべき、長期で運用すれば含み益も増えるでしょうから一石二鳥です。
とりあえず投資初心者であれば、楽天証券で「つみたてNISA」口座を、支払いは楽天カードがつかえるのでポイント還元も受けられます。
あとは何を買うのがいいのか? 王道は世界中への分散投資か米国株式への分散投資でしょう。
金融庁のHPにつみたてNISA対象商品一覧がありますので確認してみてください。また、「ファンド名称」欄にたくさんのファンドが書かれていますが、「指定指数の名称 又は指定指数の数」欄が同じであれば同じものに投資をしているファンドだと思ってください。 このため「指定指数の名称 又は指定指数の数」が同じであれば信託報酬が安いものを選ぶのが鉄則です。
つみたてNISA対象商品は150くらいもあります。でも整理していけば選ぶべき商品は決まってきますね。
40歳、貯金なしからの資産形成です。セゾン投信の中野社長のコラムですが、このような考え方は必要ですね。
投資にとって貯金は、実は非常に大切なことです。資産のバランスが大切ということですね。
老後のお金の不安を払拭するには・・・投資は必要不可欠だと思います。