年金財政検証から見える年金/20年後は2割減!?

厚生省の年金の財政検証が5年に1回行われます。2019年8月27日に財政検証結果が発表されましたので中身を見てみたいと思います。

まず現在は政府や約束している所得代替率が50%、5年に1回経済状況を見直ししながら所得代替率が50%を下回ると見込まれる場合は給付の時期や費用負担などの見直しが検討されるわけです。この検討の材料として5年に1回の見直しというわけです。

これは年金法に「所得代替率が50%を下回ると見込まれる場合は、給付と費用負担のありかたについて検討を行なう」となっていることが根拠です。

所得代替率とは

所得代替え率とは夫婦2人のモデルケースを考え、年金の給付額と現役世代の手取り収入の割合を表したものです。

モデルケースですが、2019年の年金制度では「2人分の基礎年金+夫の厚生年金」で13万円+9万円=22万円となっています。 現役男子の平均手取り額が35万7千円/月なので、「22÷37.5=61.7%」つまり現在の所得代替率は61.7%となります。

法律では50%を切らないように調整するということですが、逆に言えば少子高齢化が進んでいるということは保険料を支払う人が減ってもらう人が増えるということですから、何らかの調整が入ります。

その調整ですが、政府はそのときの現役人口の減少や平均余命の伸びに合わせて、年金の給付水準を自動的に調整するマクロ経済スライドという仕組みを導入しているので、少子高齢化の進む日本では自動的に給付水準が下がるのはほぼ決定ということですね。

財政検証結果の概要

財政検証結果として20年後の所得代替率を6つのケースから想定しています。詳しい説明は厚生省のHPを見てもらうにして、結果の概要です。

ケース1は比較的楽観的な見通し、数字が多くなるにしたがって悲観的な見通しと考えれば良いでしょう。

ケース1 51.9%
ケース2 51.6%
ケース3 50.8%
ケース4 46.5%
ケース5 44.5%
ケース6 37.0%

結果から経済成長が進めば50%を維持できる。経済成長が進まない場合は所得代替率が50%を割るため現役の期間を伸ばすなど、何らかの調整が必要になってくることがわかります。

また給付額についてこの結果からもケース1でも51.9%と辛うじて50%を維持です。つまり所得代替率が61.7%から50%に減るのはほぼ間違いと試算されています。

簡単に言えば約2割の年金給付が減ることが見えてきます。
(61.7%⇒50%)

またケース4,5,6を見ると所得代替率が50%を切っていますから、給付年齢を送らせる等の調整が行われる可能性も見えてきます。

財政検証結果からも今まで以上に給付条件が厳しくなるのは見えており、ここから老後の生活についても自助努力をして準備をしておく必要性が見えてきます。

政府がつみたてNISAやideCoで自己の資産形成を進めさせようとするのも理解できますよね。

年金が少ないと言ってもどうにもならない

年金は基本賦課方式という方法で運営されています。年金給付に必要な財源をその時々の保険料収入から賄う方法ですから「給付額をあげる=現役世代の負担増大」ということにしかなりません。

社会保障の財源は年々増大しており、大きな負担となってきています。すでに2016年の時点で税金による補填として41.5兆円が医療費や年金といった社会保障に当てられています。

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結果、次世代の経済成長に必要な人や技術に対する投資が非常に少なくなってきていることを考えるとむやみに税金を投入するのも無いですよね。

年金の仕組みをざっくりと解説

コメンテータの方がわかり易い話をしていたのでご紹介したいと思います。

年金の仕組みをざっくりといえば現役世代に年収の2割を払い込み続け、定年後は払い込んだお金の5割相当分を毎年もらい平均寿命でプラマイゼロとなるようにしているとのこと。

つまり平均寿命が長くなればリタイア後にもらう年金額が増えますから、現役の期間がもっと長くなるように調整されるし、5割ではなくもっと年金をあげようとすれば現役世代の負担が増えるだけということです。

確かにこのようにシンプルにすれば年金の全体像が見えやすくなってきます。

例:
⇒1990代の平均寿命は75歳くらい、定年は60歳でした。
つまり「現役40年で毎年年収の2割を払い込み=年収の8年分」を払い込み、そして「年収の8年相当を毎年5割を給付」してもらうい16年で消化する。 コレでつじつまが合います。

⇒平均寿命が伸びて90歳に近づきつつあるので定年を70歳とする。
つまり「現役50年で毎年年収の2割を払い込み=年収の10年分」を払い込み、そして「年収の10年相当を毎年5割を給付」してもらうい20年で消化する。

このように調整しないとつじつまが合わなくなってきているわけです。

いくら年金が少ないと文句を言ってもこのようにシンプルに考えれば、年金を増やせと抗議してもどうにもなりません。それよりも自助努力が大切なのは一目瞭然です。

もちろん老後の生活では年金が一番の収入源となってくるのは間違いないのですが、他のインカムをどのように作るのかを一人ひとりが考えていかなければならない時代になってきたわけです。

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