S&P500といえばダウ平均と並ぶ指数で米国の代表的株価指数です。 ダウ平均は米国の代表的銘柄30種が同じ割合で組み込まれた指標、これに対してS&P500は優良な大型株500銘柄から構成されています。
このため分散という意味でS&P500のほうが有利、このためか多くの投資信託やETFがベンチマークとしていることでも有名です。
S&P500チャートを見ると過去150年、だいたい右肩上がりで推移していますし、年間で見たときの収益率が6%を超えてくるので経済的にも米国の強さがわかるというもの、これが私が米国株式に分散投資する大きな理由となっています。
ただ株式ですからたまには暴落することもあります。そのようなときは買い増しを心がけてじっと我慢となるのですが一体どのくらい我慢し続ければいいのか・・・
例えばドットコムバブル直前で株を購入した人は、ものと株価に戻るまで13年かかっているわけですが、 この13年の間はじっと我慢、この間に積み立てや分配金の再投資を行っていればその後の成長の実をしっかりとつかむことができます。
しかしビビって売ってしまうようなことがあれば終了です。このため過去の暴落でどのくらいまで下がったのか、もとの株価に戻るまでどのくらいの期間があったのかを知っておくことは精神安定に有効と思います。
そこで、今回は過去の暴落時にどのくらい下がったのが、回復までにどのくらいの期間が必要だったのか確認してみたいと思います。
過去150年のS&P500
長い歴史を持つS&P500のチャートを見ると、まず目につくのが右肩上がりに成長し続けてることです。
その他にも2000年のドットコムバブルと2008年のリーマン・ショックの発生によってチャートが一時的に大きく下がっていることがわかります。
それ以外の暴落はチャートでは全く見えませんが、実際には何回も暴落を経験しています。具体的にいえば過去100年で30%以上暴落したのは7回ありました。
●世界恐慌後
1929年8月~1932年6月
1937年2月~1938年3月
●キューバ危機後
1968年11月~1970年6月
1972年12月~1974年9月
●ブラックマンデー
1987年8月~1987年11月
●ドットコムバブル
2000年3月~2002年10月
●リーマン・ショック
2007年10月~2009年3月
世界恐慌後の株価
1929年の数年前から異常な株価の上昇が確認できます。ピークで見れば31から5くらいまで下がっており、80%以上暴落したことになります。 また、これ以降S&P500が31を超えるまでに約25年かかっています。
急激な株価の上昇に踊らされると痛い目を見るわけです。ポジションをしっかり取る重要性が大切であることがわかりますね。
キューバ危機後の株価
キューバ危機は1962年に起きた出来事ですが、これをきっかけに何回か下落局面が発生しています。特に1972年末から発生した下落については約46%落ち込み、もとに戻すまでに約7年くらいの時間がかかっています。
1968年11月 約30%の下落
1972年12月 約46%の下落
ブラックマンデー時の株価
1987年10月に発生し、約34%下落していますが、回復するまでの期間は約2年と比較的短いスパンで回復しています。
ドットコムバブル、リーマン・ショック時の状況
2000年似発生したドットコムバブルの影響で約50%下落、約8年後に回復するも、リーマン・ショックの影響で再び50%以上の下落が発生、ドットコムバブル直前まで回復するのに約13年かかっています。
このようにS&P500は大きな下落を何回も繰り返しながら右肩上がりに成長してきたことがわかります。また暴落直前まで回復するのに10年以上かかるようなケースも多々見受けられます。
気持ち的なことを考えれば、投資期間が長い人になればこのような暴落を何回か経験しているので、精神的にも備えができているでしょう。 しかし過去10年、リーマンショック後に投資を始めた人は私を含めて まだ大きな暴落の経験がありません。
なので狼狽売りをしないよう株価は半値くらいまでは下がる可能性があること、また回復までは10年以上というふうに覚悟をきめることも大切だと自分に言い聞かせています。最も株価が暴落したら買い時、買い増しや積み立てを継続することで その後の成長の実を手に入れることができるというのもポイントです。
また気持ち的にがんばれても実際にお金が必要になったときにリスク資産しかなければ現金化せざるを得ません。 長期間投資を行ってきた人は利益も積み上がっているでしょうから現金化してもマイナスになる可能性は低いと思いますが、投資を初めて日が浅い人はマイナスになってしまう可能性があります。
つまり含み損を長期間抱える可能性もあるので、投資は余裕資金で行うことが基本とされるわけですね。 なくなっても生活に困らないようなお金を投資に回すこと、もしそうなっていなければ見直しが必要かもしれません。
他にも過去のチャートを見ると、時間の分散やポジションをしっかりと取ること、自分のルールにしたがって投資を継続する大切さが実感できます。 一度ジックリと過去の暴落時のチャートを見てみることもおすすめです。
米国株式の場合、暴落しても分配金は比較的確実に払われているようです。
分配金で個人年金を作ろうとするならば株だけでなく債券も重要です。高い格付けの債券であれば景気の影響を受けにくいからその分安定します。
高配当で有名なのがPFFですね、利回り5%超えですから日本では人気です。ただ米国では人気がないのと、キャピタルは期待できないという特徴もありますね。
コメント