老後の資産形成に若いうちからの長期運用は非常に適しています。投資の基本は「長期運用、分散投資、定期積立」であり、長期間にわたり積立を継続することで複利の効果を得ながら金融資産を大きく育てることができるからです。
毎月の積立額が30,000円として5%運用益、投資期間が30年とすると、30年後には約2500万円まで金融資産が育つことになります。 保守的にみて3%の運用益だったとしても約1700万円です。
老後に必要なお金がどのくらいなのかは正直わかりませんが、目標を2000万円とすると毎月3万円くらいを30年間福利で運用すれば達成しそうだというですよね。
ちなみに運用期間が20年だったとすると目標2000万円は月々50,000円の積立投資が必要とわかります。(運用益5%で計算)
30年 毎月3万円積立 投資額 1080万円 ⇒ 2500万円
20年 毎月5万円積立 投資額 1200万円 ⇒ 2000万円
投資額と計算結果を見ると、明らかに長期運用のほうが得であることがわかります。運用期間が長く取れれる若いうちから投資をしたほうが良いと言うのはそのほうが効率が良いわけです。
では何時から始めるのがいいのか?これは今すぐでしょう。 基本的に景気がよくても悪くても長期運用をするのであれば思い立ったときが始めどきです。
どのように取り崩していくのか?
目標に達したあとは、全額現金化するケース、もしくは積立はやめるけど運用は続け、必要な分だけ取り崩すパターンがあります。
でも全額現金化はだめでしょう。理由は毎月・毎年使うお金は決まっているからです。もし2000万円のお金が手元にあっても全額使うわけではありません。なので使う分だけ取り崩すのが正解、資産寿命が伸びますからね。
一般的なのが年金の不足分を補うイメージ、年金が月々20万円だったとしてゆとりある生活をするために必要なお金を30万円とすれば、毎月10万円分を現金化すればいいわけです。
資産寿命を延ばすには運用を続けること
2000万円の資金を準備できたとして、毎月10万円づつ取り崩すと単純計算で200ヶ月でなくなる、つまり16.6年でなくなってしまうのです。
65歳から取り崩したとしてだいたい80歳でなくなってしまう計算ですよね、人生100年と言われていますが、80歳で資金が底をつくのはなんとも不安です。なので運用を続けながら必要な分だけ取り崩すことが大切となるわけです。
ではどのくらい資産寿命を伸ばすことができるのか? 過去に計算したものですが、毎月取り崩す額を12万円、積み上げた資産と退職金を合わせた額を元本として、毎月取り崩したシミュレーションです。リターンは3%として計算しています。
赤線を見てください。2000万円まで資産形成ができていれば、退職金を合わせたイメージ、3300万円スタートです。3300万円を3%で運用いながら月々12万円づつ取り崩すと90歳を超えても1000万円以上の資産が残る事がわかります。
また黄色線を見ると、逆に資産が増えています。これは月々の取り崩額の12万円よりも資産が生み出すリターンのほうが大きいわけです。
働けるうちは働くこと
資産寿命を伸ばす方法としては、働く期間を少しでも伸ばすことです。多く稼げなくても毎月の取り崩し分くらい稼げれば資産寿命はかなり伸ばせます。
ポイントは好きなこと、楽しい仕事をさがすこと・・・日本人の場合、仕事といえば我慢してやるもののようなイメージがありますが、それではもちません。
現役時代になにかの特殊技能を身に付けていればその道で仕事をしてもいいですし、なければストレスなく働く事を考えるべきだと思っています。
少なくともやりたくない仕事をするのは健康にもよくありません。政府も70歳まで働くように仕掛けを考えているようですが、少額でもやりたいことで収入を得ることを考えなければなりません。その意味では現役時代から専門分野や得意分野を磨いておくことも大切なのですね。
「株式=100-年齢」を適用すべきか
この式は株式と債券の割合を決める方法の一つとして有名な式です。若いうちは資産を減らしてもリカバリーする時間が多く取れるのですが、年をとると資産を減らしたときにリカバリーする時間があまりないということから株式と債権の割合を年齢と関連付けた目安です。
確かに2000万円の金融資産があったとして、たとえばそれが半分になったら怖いから債権に乗り換えるという選択もありますが、基本的にはリスクを変えるようなことは不要だと思っています。
長期運用をしてきたわけですからそれなりに資産も積み上がってきているはず、リスクに対する耐性も十分だと思うからです。資産が大きく減るからといっても投資先が間違っていなければそれは一時的なこと、すでに長期間の実績があるわけですからなおさらです。
もちろん積み上げた金融資産2000万円を一部もしくは全部を債権に振り分けるなどの対応もありですが、長期のリターンは債権よりも株式のほうが大きい事を考えれば、一時的が下落はあったとしてもリスクを取り続けることのメリットのほうが大きいと思います。
このようにいろいろな条件を考えながら自分にあった投資方法を考えるのもなかなか面白いこと、老後はできるだけ好きな仕事だけをしながら資産をどう取り崩していくか、色々と考えるのも面白いと思います。
積立額や利回りから数年後にいくらに成長しているのかは証券会社HPやEXCELなどでもけさんが可能です。色々とシミュレーションしてみることおすすめです。
計算の前提としてどのくらいのリターンをイメージしておけばいいのでしょうか?米国を代表する指数S&P500でみると過去20年平均で5.5%です。どのくらいを見込めばいいのかといえば控えめに見て3%で計算すれば、実際にはもっと上振れしてくれそうです。
投資を始めるきっかけとして注目したいのが投資信託、最近では100円から購入が可能となっていいるので気軽に試せるようになってきました。ただ少額投資ではなかなか資産を築く事はできません。なれたら積立額を増やしていくことが大切です。
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