先日、優秀な外国人が日本には来ないと言う趣旨の記事を見ました。確かにそうだなと思うところが大きかったのでメモしておきたいと思います。
記事の概要
日本の企業が欧米の優秀な学生を発掘しようとしても日本の給与が安すぎて日本には来ないというもの、グローバル化が進むながで英語が堪能な優秀なエンジニアの獲得競争が強まっている中で、給与に差が生まれているのは致命的です。
理由の1つとして日本の物価が相対的に安いこと、物価が安ければ人件費も安くなり人材確保のための競争力が低くなる。
理由の2つめは日本企業は未だに年功序列賃金を引きずっていること。これは若い人が年寄りの賃金を支えるシステムなので、若いときは労働に対して安く、長期的に賃金が上がっていく後払い式なのでタイムリーに優秀な人材を確保することは困難というもの。
このままではグローバル人材確保が一層困難になっていく・・・というのが主旨でした。
確かに日本の給料は上がっていない
自分の会社に置き換えると、たしかに自分の会社に置き換えて考えてみても90年代後半、中国現法のワーカーの給与が日本円で5,000~10,000円/月だったはずですが、現在は10万円と10~20倍に膨らんています。
最近は給与のベースアップは落ち着いてきたと聞いていますが、それでもベースアップは年7%と日本では信じられない勢いで増えています。
ちなみに先進国の給与水準は1997年を100とするとこのような結果になります。
スエーデン 138.4
オーストラリア 131.8
フランス 125.4
ドイツ 116.3
アメリカ 115.3
日本 89.7
日本はデフレ脱却できていないといいますが、他の国の給与水準が上がっているということは輸入物価が上がるということ、実際には物価は上がり続けています。ただ日銀が目標とする2%は達成していないということですね。
給料が下がる、物価は上がると言うのが今の日本の現状なのでデフレが脱却できるわけもないのです。
日本の生産性は低い?!
よく日本の生産性は先進国で最下位と言われますし、OECD加盟の36カ国中でも20位という結果です。
(公益財団法人 日本生産性本部 HPより)
ちなみに生産性とは生産額や付加価値を、労働者数や総労働時間で割ったものです。つまり単位時間あたりにどれだけ生産したのか、価値を生み出したのかが問われる指標で、同じ総労働時間で多くの結果が出せれば生産性が上がったというわけ、
逆に労働時間が伸びると相対的に生産性が下がるというわけです。ここからもっと労働時間を短く、効率的に働きましょう。 そうすれば生産性は上がります・・・となるわけです。
ところが、実は国家間の生産性の比較には実は分子にGDPが使われていることがあまり知られていません。GDPのおよそ5~6割は個人消費ですから個人消費が伸びなければ、実は生産性は伸びないということになります。
つまり働き方がどうのこうのと言う前に、そもそも給料が安いことが日本の生産性を下げているとも言えます。
人件費は低ければ低いほど経営的には有利、無駄な仕事をさせていてもあまり気になりませんからありがたい存在です。ついでに言えば先進国内で、原材料や設備に大きな差がないのにもかかわらず、日本は高品質・低価格と言われている理由は人件費を削っているので実現できているとも言えます。
こう見てくると生産性が低いというのは儲ける能力の低い企業が低賃金で延命されている可能性があるわけです。
それでも低賃金にこだわる日本
この流れは一部では改善されつつあると言われていますが、それでも政府は移民受け入れを強化する法案を可決しています。
いま日本は人材不足と言われています。需要と供給の考えからすれば給料は上がるはずなのですが、海外から安い給料で働いてくれる人たちをたくさん受け入れられるようにしてしまいました。
つまり給料の下方圧力を強めているわけです。これにより物価は上がらずに しかも消費税は10%にするとか言ってるくらいですから景気を良くする気がそもそもないのでしょう。
景気が悪ければ当然物価も上がりません。ますます海外の優秀な人材が採れなくなってしまいます。これでは新しいイノベーションも何も起きるわけ無いですね。日本や日本の企業がますます心配になってしまいます。
今回は人材確保の観点からも日本がやばくなりつつあるということを整理してみました。当然自己防衛として投資は必須ですが、投資先として日本はますます微妙になりつつありますね。
少し前までならば手放しで米国に投資できたのですが、米中貿易摩擦など不安定な要素が大きくなっています。それでも米国は経済的に強く将来的にも明るいと思っています。
給料の中央値を見てみるとだいたい300~350万円と言われています。でもこれで老後資金を貯めるにはちょっと無理がありますね。
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