老後資金として準備したい金額の目標を3000万円とします。ゆとりある老後過ごすためには月々32万円くらいのお金が必要とされています。年金の支給額が夫婦2人でだいたい23万円と言われているので差額は自分で準備しなければなりませんね。
この差額としてだいたい3000万円はほしいということになります。
もし年金を受け取れるまで40年あるとして、この3000万円を貯金で賄おうとするならば、月々62,500円(年75万円)の積立貯金をしなければなりません。
貯金で賄うには所得が少ない
では収入はどうなっているのでしょうか? 公の統計では年収の平均値として408万円、男性502万円、女性268万円(平成24年)となっています。
ざっくりといえば、ここから税金などが差し引かれるわけですが、これだけもらっている人たちならば貯金で3000万円の老後資金を貯めることは余裕でしょう。
しかし平均値は一部の人達がつり上げているので実際は中央値でみるのが適当、ですが公の所得の中央値がなかなか見つかりません。このあたり作為的な感じがしてならないのですが・・・
色々とこのあたりを推測している方がいらっしゃいます。どなたも男女合計で300万円から350万円と推測しています。実際には税金などが引かれるので、所得の一番のボリュームゾーンは250万円程度になるものと推測、個人の実感としてもこのくらいが一番近い気がしますね。
なので、この数字を使うと・・・老後資金を貯金で賄うには、250万円マイナス75万円=175万円ですべてを賄わなければならないのです。まあ暮らしていく分だけだったら楽勝でしょうが、月々にすると15万円なので、家賃7万円、光熱費と通信費で1万円・・・と積み上げていくと結構ギリ 工夫しないとオーバーしてしまいます。
月々3万円の投資で老後資金がカバーできる
過去の記事でもシミュレーション結果を書いていますが、年40万円積立てられればかなりの確率で40年後3000万円の資金を積み上げることが可能です。
これは利回りが3%とかなり保守的に設定し、月々3.3万円、5万円、6.25万円を積立投資をしたとき、どのくらい積み上がるのかシミュレーションしたものです。
3.3万円といえば年40万円、つみたてNISAの限度額に合わせたもの、6.25万円は貯金で3000万円を貯めようとしたときの金額です。
こう見ると貯金の半分の積立てで目標金額が達成できる見込みが立ちますね、貯金ではなく投資をおすすめする理由はこういうところにあります。
もし潤沢な収入があるのであれば、さらに大きなリターンを目指すことが可能です。例えば月々10万円以上投資に回すことができれば40年で億に届く可能性も出てきます。
何に投資をするべきか?
投資の基本は「長期運用、分散投資、そして積立投資」と言われています。また待ったお金があるのであれば直接ドルを購入してETFを買うなんてこともできるのですが、なかなかこの様に恵まれた人は少数派でしょう。
この投資の基本を考えた時に最適な商品が投資信託、数千円から・・・場合によっては100円から投資が可能です。
問題は何を選ぶかですが、ここは「つみたてNISA」をベースに考えましょう。つみたてNISA対象商品は金融庁の出している長期運用で資産が形成できる可能性の高い条件を満足した商品だけを対象としているので、この対象商品であればおおよそ間違いはありません。
とは言っても、おや・・・と思うものも多少はあります。具体的なオススメは
世界経済の中心にある米国株式
・楽天・全米株式インデックス・ファンド
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
世界中の株式へ分散投資
・楽天・全世界株式インデックス・ファンド
というところでしょう。
これら投資信託をベースにつみたてNISA枠いっぱいまで(年40万円まで)、そして余裕があれば特定口座で追加購入すればよいかと思います。
インフレリスクを考える
現在の物価で考えれば3000万円という数字が出てきますが、実際は物価は徐々に上がり続けているので40年間同じ金額で積立貯金をしてきても実際にはおカネの価値が目減りしてくるので、それ以上の積立てが必要になってきます。
日銀は2%のインフレ目標を掲げているので、いずれはそれ近くになっていくでしょうし、現在でも先進国は2%近くのインフレを達成していますから輸入品の価格は上がり続けています。
40年後に今の3000万円と同じ価値を得ようとするといくら位の金額が必要になるのかインフレ率2%で計算してみるとだいたい6600万円となります。
つまり、老後資金を貯金で・・・と考えると年間75万円をインフレに合わせて増やしていかなければなりません。その時に給料が上がれば良いのですが日本は過去30年にわたって給料が下がり続けていますから今後どうなるかは・・・
現在の所得中央値から老後資金を貯金で賄おうとするのは、無理すれば可能だけど今後のインフレや収入増加が厳しい現実を考えるとかなり不透明、それだったら投資で賄うほうが現実的という事でまとめました。
投資は元本保証ではないので怖いという人もいますが、目的を持って貯金をすることも非常に怖いことがわかります。なので教育費など比較的近い期間で必要になるおカネは貯蓄で、それ以外は投資で賄うのが賢いと言われるわけです。
投資は非常に大切とうことですが、預金を軽んじてもいけません。近い将来と遠い将来と言う使い分けを考えるとスッキリしますね。
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