GPIFとは「年金積立金管理運用独立行政法人」という組織です。年金積立金の管理・運用を行い、その収益を国庫に納付することで、厚生年金保険事業及び国民年金事業の運営の安定に資することを目的としている。 とGPIFのHPにありました。
簡単に言えば巨額な掛け金が集まっているのだから、その掛け金を投資に回して運用益を年金にフィードバックしょうとうもの。 その掛け金は約150兆円と世界最大の規模を誇ります。
2001年からの運用で現在までの成績は、収益率が+2.73%/年、累計約58兆円のプラスです。
GPIFの基本ポートフォリオは公開されているので、これだけ勝っているのであれば真似すればいいんじゃね??と思う人がいても不思議ではありません。
GPIFのポートフォリオ
現在のGPIFの基本ポートフォリオは、リスクを抑えつつ運用利回り1.7%を確保するようポートフォリオが組まれているとの事です。
現在のポートフォリオ(2014年10月以降)
どのような計算からポートフォリオの割合を決定しているのかはよくわかりませんが、2001年からの成績で、収益率が+2.73%/年、累計約58兆円のプラスという結果です。
GPIFのHPにポートフォリオ作成の考え方が書かれていました。「流動性を確保しつつ、長期的に積立金の実質的な運用利回り(積立金の運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたものをいう。)1.7%を最低限のリスクで確保することを目標とし・・・」
ポイントは流動性を確保しつつ最低限度のリスクで・・・というところ、リスクは最低限とするポートフォリということです。
また流動性を確保ということですから、年金の積立金が定期的に入ってくるのに対して定期的に利益も確定さていく事を前提に考えているわけですね。
リスクについて比較してみる
先日myINDEXで概略のポートフォリオとリスクとリターンを比較してみました。 GPIFのポートフォリオでもリスクとリターンを分析してみたいと思います。
分析期間は20年、資産クラスが大まかなのであくまでも目安としてみてください。
比較対象としてロボアドWealthNavi(リスク最小)を見てみましょう。
ロボアドのほうがリスク、リターンともに高そうです。GPIFのポートフォリオはかなり安全な方向に振っている事が想像できますね。
ちなみに組み込まれている資産クラスは以下のようにしました。
個人投資家はGPIFのポートフォリオを真似するべきか?
これにはポートフォリオの分析や運用成績などから考えなければなりませんが、素人がこれを判断するのは無理です。 ただGPIFのポートフォリオの考え方はヒントになります。
先程も書きましたが、GPIFのポートフォリオは「流動性を確保しつつ最低限度のリスクで・・・」を念頭に置いて作成されているはずです。
つまりGPIFは年金の掛け金を運用して、定期的に利益を確定させなければならないわけです。そして、そのときにマイナスになっていた・・・という状況は避けなければならない。
もちろん株式を組み込んでいる以上、短期的なマイナスは発生しますが、そのためかなりリスクをかなり押さえています。 myINDEXで見てもGPIFのポートフォリオはWealthNaviのリスク最低よりも更に1.9%も低いと分析されています。
個人投資家と機関投資家で個人投資家が有利なのは、含み損が出たとしてもその時に利益を確定させなくても良く、先送りしてしまえばいいということ。
と考えると個人投資家はGPIFのポートフォリオレベルまでリスクを抑える必要はないと考えることができます。
個人の意見として・・・
私はGPIFのポートフォリオは絶対に真似しません。国内株式が25%、国内債券が35%も入っているのが気に食わないのです。
もし日銀がETFの買付けを止めたら・・・普通考えれば日銀が株を買い支えているので株価は下がるでしょうし、債券も利子もないのでは買う意味ないです。
逆に言えば日銀は株の買付けを止めない・・・やめられないのかもしれません。買い付けをやめて株価が下がれば、年金の収益がグンと下がるわけですからね。
GPIFのはじめのポートフォリオは国内債券が約7割でしたが、時代の流れをうけて今のようなポートフォリオになってきています。近い将来のGPIFポートフォリオがどの様に変わっていくのか注目してみたいと思います。
基本的なポートフォリオができてしまえば、あとはほっぽらかしです。はじめはポートフォリオをシンプルにしておくことがおすすめです。
そして貯金と同じように投資は一生続くもの、程々のリスクでのんびりと進めましょう。