好配当株式の定番ETFはVYMそしてHYDですが、最近はSPYDの利回りが高いことが注目されつつあります。
私のポートフォリオは元々高配当を狙ってVYMが全体の3割以上を占めるのですが、SPYDも高配当ということでれば確認せねばなりません。
今回は配当金という面から代表的な高配当株式ETFとしてSPYD、VYM、HDVを比較してみたいとおもいます。
高配当株式ETFの概要
それぞれのETF正式名称と特徴を簡単にまとめると以下のとおりになります。
SPYD:SPDR ポートフォリオ S&P 500R 高配当株式 ETF
S&P500高配当指数をベンチマークにしたETF、S&P500は大型の優良株500銘柄の内、配当利回り上位80を均等に組込んだインデックスです。
多くのETFが時価総額の割合で組み込むのに対して均等というのが面白いところです。組み込まれている業種の特徴として、不動産と公益事業で50%近くを占めるのが特徴です。
VYM:バンガード米国高配当株式ETF
米国大型株の中でも配当利回りが市場平均を上回る銘柄を中心に約400の銘柄を組込んだETR、すでに10年以上の運用実績があり、海外ETF保有ランキングでもTOP10に入る人気のETFです。
組み込まれている業種は大きな偏りなくバランスよく組み込まれています。
HDV:iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF
米国の比較的配当水準が高い株式で構成されており、組込銘柄数は約80です。HDVも比較的新しくまだ8年の実績しかありません。
組み込まれている業種は生活必需品、エネルギー、ヘルスケアで全体の6割を締めており、VYMと比べると特にエネルギーの有無が目立ちます。
組込銘柄の割合は配当荷重ということで、配当金によって割合が決まるETFです。
高配当株式ETFの基本仕様
経費その他の基本仕様を見てみましょう。いずれも低コストが際立ちますね全て0.08%を切っています。
トータルリターンではSPYDが若いので過去3年の実績しか比較できませんでしたが、不動産や公益事業の割合が多いためか、好成績のようです。
SPYD | VYM | HDV | |
経費率 | 0.07% | 0.08% | 0.08% |
分配金利回り | 4.30% | 2.98% | 3.20% |
組込銘柄数 | 80 | 約400 | 75 |
配分方式 | 均等加重 | 時価総額加重 | 配当加重 |
トータルリターン(3年間) | 28.5% | 35.0% | 31.7% |
設定日 | 2015.10/21 | 2006.11/10 | 2011.3/29 |
(2019/12/29調べ)
SPYDの分配金の利回りが4.3%(税引き後約3.1%)とかなり高いことがわかります。これに対して高配当といえばVYMだったのですが税引き後は約2.1%と少し物足りないという結果です。
トータルリターン(過去3年)

キャピタルとインカムの合計です。流石にVYMは配当利回りが低いものの株価が確実に上がっているのでトータルでは一番良いという結果となっています。
配当金の推移
次に配当金の推移を見てみましょう

SPYD:高配当株式のSPYDですが、2018年に配当額が下がっていることを見ると景気によっては配当がかなり振られる可能性がありそうです。

VYM:配当の利回りは低いものの毎年少しづつ増配していることがわかります。4年間で3割弱も配当が増えてますから 長く保有すれば増配の恩恵に預かれそうです。

HYD:こちらも増配を続けていることがわかります。4年間で2割弱というところでしょう。長期的に見れば株価上昇とともに配当は増えています。
運用期間が短いため特徴的な値動きなどはありませんでしたが、組み込まれているセクタより勝手に想像すると・・・
SPYD
組み込み比率を見ると約20%以上が不動産というETFです。コレが暴落時にどうなるのかがわかりませんね、一般的にREITは景気の動きに敏感と言われます。
なのでリセッションが起きれば他のETFよりも大きく値を下げるのでしょうか?リセッション時にどう動くのか注視してみたいと思います。
VYM
安心してみていられる優等生的なETFです。組込銘柄がSPYDやHDVの約5倍ありますから安定しています。
パフォーマンスで言えばVTIよりはやや劣りますが、トータルリターンではかなり近い値になっています。利回りが多少物足りないのが残念ですが、過去10年にわたって連続増配しています。(リーマン・ショック後に減配がありました)
HDV
この組込銘柄は配当荷重ということで大型株式の上位75の高配当銘柄を集めたわけです。このわかりやすいコンセプトは好きですね。
このETFはエネルギーとヘルスケアといった生活必需品が全体の6割を締めておりボラティリティも比較的小さめ、しかも高配当となればかなりの需要はあるはずです。
過去8年の配当金を見ると2016年のチャイナ・ショック時に減配がありましたがそれ以外は増配しています。
まとめ
経費率をみるとどのETFも0.08%を切っており、非常に安いことがわかります。また配当利回りは「SPYD>HDV>VYM」という結果ですから高配当狙いの方はSPYDということになるのかもしれません。
しかし、これら3つのETFで2018年に減配したのはSPYDということも気にする必要があると思います。つまり配当金が景気の影響を大きく受ける可能性です。
一方で増配傾向が一番大きいのがVYMでしたから長期保有をすると結果的に大きな利回りにつながるかもしれません。以上より長期保有を考えるのであればVYMかな・・・と個人的には思ってしまいます。
高配当のVYMに円で投資ができる投資信託も発表されています。ただ設定されたばかりで配当実績がないのが悩ましいところです。
高い利回りを謳うETFにハイイールド債券を扱うETFがあります。投資不適格債ですが、数を集めることで一定のリスク分散をしています。 有名なところではHYGやJNKがあります。
債券の格付けも知っておきましょう。代表的な格付け機関には
「ムーディーズ」や「スタンダード&プアーズ」 があります。
コメント