今日は昨日に引き続き高配当のハイ・イールド債券ETFを見てみましょう。今回目をつけたのがSJNKです。
JNKとSJNKは同じ「SPDRブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド債券 ETF」俗に言うジャンク債、投資不適格債券を組み込むことで高利回りを実現させています。
ジャンク債の中ではJNKの他にもHYGが有名ですが、今回は同じブルームバーグのJNKとSJNKを比較して見たいと思います。
JNKとSJNKの違いは組み込まれた債券の残存期間の違いです。JNKが3~10年とバラけているのにたいして、SJNKは5年以下の銘柄で構成されているので短期ハイイールド債券と言われています。
JNK:
SJNK:
今回はJNKとSJNKを比較してハイイールド債を選ぶならば・・・という見方で整理してみたいと思います。
基本仕様を確認する
それではJNKとSJNKの仕様を確認してみましょう。
JNK | SJNK | |
経費率 | 0.40% | 0.40% |
組込銘柄数 | 869 | 718 |
利回り | 5.57% | 5.35% |
設定日 | 2007.11/28 | 2012.3/14 |
(2019/03/22調べ)
JNK・SJNKともに基本仕様はほぼ同じで経費で見ればHYGが0.5%よりは有利な設定です。
パフォーマンスを確認する
では一番気になる分配金の推移を確認してみましょう。
先ずは過去6年の利回りの違いです。チャートを見るとはじめはJNKのほうがやや大きかったのですが、最近はほぼ同じレベルで推移しています。
過去6年の分配金の推移
分配金には多少差が見受けられます。 過去6年でJNKがやや下げてきていますがSJNKは比較的安定しています。
一般的に債券の残存期間が長がければその分利子が大きくなるはずです。つまりJNKのほうが分配金も利回りもおおきくなるのが普通だと思います。
しかし結果は短期ハイイールド債権のSJNKと利回りは変わらずに、分配金はSJNKの方が安定しているという結果が出ています。
・利回りは殆ど変わらない
・分配金は短期債券のSJNKの方が安定
ここから推測するに、勝手な思い込みですが残存期間が長い企業の方がかなりデフォルトしているのかもしれません。比較的短期の債券のほうが企業の負担になりにくいので、このような結果になったものと推測します。
トータルリターン(過去6年)
トータル・リターンを見るとJNKの方がやや勝っていますが、ボラティリティはSJNKの方が安定していますね。これは長期の債券の方が企業にとっては負担が重いということなのでしょう。
ちなみにハイイールド債のデフォルトはその率を見ると結構あるようです。
(野村證券:米国ハイ・イールド債市場 2019年3月19日資料)
とはいえ組み込み銘柄数が約800もあるので多少はデフォルトしても大した影響はないのかもしれませんが、景気の影響を強く受けるのは間違いありません。
そしてSJNKよりもJNKの方がより大きく影響があるものと想像できます。
リターンを見ると JNK・SJNKともに利回りは5%後半、6年間のトータルリターンがJNKで約24%ですから1年平均で4%という結果です。 S&P500が6%くらいのリターンが期待できるのでこの結果は微妙と言わざるをえません。
安定という意味では意味ではSJNKの方がやや有利でしょうが、資不適格債なのであくまでもサテライト的な使い方に留めるのが無難です。
ハイイールド債券ではHYGも人気があります。HYGとJNKで人気を二分しているような状況です。
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