ハイ・イールド債といえばHYGとJNKが有名です。いずれも利回りが6%近くに達している高配当ETF、このため分配金狙いの方には気になる存在でしょう。
また債券と聞くと安心できるようなイメージがあるかもしれませんが、ハイ・イールドですから投資不適格な企業などの債券を組み込み高配当を実現させているETFということになります。
しかし、HYG・JNKとも 組み込み銘柄は800~900もあり、広く分散されているので一定のリスク対策はされています。
今回はハイ・イールド債のHYGとJNKの違いとハイ・イールド債のデメリットについても確認していきたいと思います。
基本仕様を確認
まずはHYGとJNKの基本的な仕様を確認してみます。
HYG:iシェアーズ iBoxx USD Hイールド社債 ETF
経費率 : 0.49%
組込銘柄数: 967銘柄
分配頻度 : 毎月
(2019/03/15)
JNK:SPDR BBバークレイズ ハイイールド債券 ETF
経費率 : 0.40%
組込銘柄数: 869銘柄
分配頻度 : 毎月
(2019/03/14)
経費を見るとややJNKのほうが有利ですね、個人的にはギリ合格ラインです。
パフォーマンスを確認する
ハイ・イールド債のHYG・JNKそして格付けの高い債券を組み込んでいるAGGでかこ12年のチャートを比較してみます。過去12年とは設定日が一番若いJNKが2007年なのでそれに合わせています。
HYG・JNK・AGGのチャート
流石にAGGは手堅いですね、リーマン・ショック時でも一時的に数パーセント落ちたくらいで、すぐに戻しています。
リーマン・ショック時にHYG・JNKは大きく下げています。そして未だに元のレベルまで戻していません。また組み込まれている銘柄の違いでしょうが、HYGのほうが下落の幅は小さく収まっていることがわかります。
分配金の推移
いずれも2009年をピークにその額を減らしてきています。またHYGよりもJNKのほうが額が小さいのはその分株価も安いということになります。
利回りの推移
利回りも2009年をピークに下がり続けており、2015年くらいからは5から6%で安定しています。
このようにHYG・JNKは利回りは高いものの、景気の影響を大きく受けるタイプのETFであることがわかります。
またリーマン・ショック時の値動きなどから金融危機の耐性はHYGのほうがやや強いものの、経費率は0.1%ほど高くなっています。 いずれもジャンク債と言われる債券ETFなんでどう使うか難しいのですが、HYGの方がやや安定という結果になっていますね。
ハイ・イールド債のメリット・デメリット
リーマン・ショック時にHYG・JNKは大きく下げています。ハイ・イールドですから大きな金融危機が起きればデフォルトする企業も多く出て来るはずです。
米国のハイイールド債デフォルト率は2016年は6%で推移してたそうです。ちょうどチャイナ・ショックのあたりですね。
当然リーマン・ショックのような大きな金融危機が起きれば更に多くの企業がデフォルトすることになるはずです。この意味では約900銘柄に分散させているHYG・JNKはある意味安心なのでが・・・
連鎖的に企業が倒産するようなケースが発生すればいくら分散させていても大きな影響を受けます。
いくら利回りが高いからといっても、HYG・JNKが未だにリーマンショック前の価格に届かないことを考えれば、次に暴落したあとにどうなるかを考えると、これらのETFはちょっと微妙に感じます。
このためHYG・JNKどちらがいいのか?という話よりはハイ・イールド債への投資は慎重になったほうがよいということでしょう。
ハイ・イールド債券とは投資不適格債券です。少し前まではジャンク債などとも呼ばれていました。
実はハイ・イールドって投資信託でも当たり前にあります。最近は買付け金額や、買付け件数で見ればかなり良質な投資信託が人気になっていますが、純資産ランキングをみるとハイ・イールド債券が上位に食い込んでいます。
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