今回は「PIO」正式名称は 「Invesco Global Water ETF」(インベスコグローバルウォーターETF)に注目してみたいと思います。 「PIO」は水関連の企業に透視するETFです。
なぜ水なのか、世界中の人口が増加を続ける中で食料需要も増加を続けます。食料を生産するために農業だけでなく畜産なども水は欠かせないモノのため長期的にみて水関連銘柄が安定成長することが期待されているからです。
PIO概要
経費率 :0.75%
分配金 :1.75%
設定日 :2007/6/13
組込銘柄 :約50
ちなみに、地球上の水の内、淡水が占める割合が約2.5%、実際に使える淡水は地球全体の約0.01%しか無いと言われています。淡水の殆どが南極や北極、氷河などのため使うことができないのです。
人口増加によって水の需要がどんどんと増えれば水をめぐる争いも起きるでしょうし、もと世界銀行の副総裁イスマイル・セラゲルディン氏は水不足に対して「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろう」と警告しているくらいです。
日本では水に対してあまり危機感が無いでしょうが、世界全体で見ればそれだけ水資源が貴重ということです。
NASDAQ OMXグローバルウォーターインデックス
PIOのインデックスは「NASDAQ OMXグローバルウォーターインデックス」これは世界の株式市場に上場されている飲料水、家庭用水、工業用水の処理・節約・浄化のための製品・サービス提供を行う企業で構成されています。
派手さはありませんが、世界中が景気低迷局面でも安定的な成長が期待できる分野と注目されています。
工場用が約半分を占め、家庭用、ヘルスケアと続きます。
国別で見ると米国、英国、スイス、フランス、日本と続いています。水に関しては日本は恵まれているのであまり水処理関連の企業が思いつかなかったのですが、以外に多くの企業が活躍しています。
日本の企業一部抜粋
5332 | 株式会社TOTO | 2.83% |
6370 | 栗田工業株式会社 | 0.94% |
6005 | 三浦工業株式会社 | 0.79% |
9551 | メタウォーター株式会社 | 0.17% |
6363 | 鳥島ポンプ製作所 | 0.02% |
8473 | 森林水環境エンジニアリング株式会社 | 0.02% |
TOTOといえば日本を代表する住宅設備機器メーカであり、栗田工業や三浦工業も水処理技術で有名です。「NASDAQ OMXグローバルウォーターインデックス」で採用されるなど世界的に見ても有名な企業ということでしょう。
PIOのパフォーマンス
ではPIOのパフォーマンスを確認してみます。PIOが2007年設定なので約10年強の運用実績があります。
PIOとS&P500,VT(過去10年)
リーマン・ショック前からのチャートになります。S&P500やVTに対してビハインドしています。成長は緩やか、生活必需品としての水ですから安定的な成長ということでしょう。
またS&P500が米国株式の中でも優良な大型株を組込んでいるのに対して、PIOは世界中の企業から組込んでいるのがこのような違いになったものと思います。
PIOとS&P500,VT(過去6ヶ月)
過去半年、2018年12月の下落を挟んで見てみるとPIOが安定していることがわかります。ここからも、景気が低調な状態でも安定して成長が望めるETFと言えるかもしれません。
ただ経費率が0.75%と高めであることや長期のパフォーマンスから考えて、残念ながらおすすめできるETFではないと思います。しかし将来的に水に対する需要がますます高まる中でどのような成長をするのかウオッチしていきたいと思います。
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