先日子どもたちと投資話をしをしていて、あれっと気がついたのが日銀保有の国債額がすでに450兆円を超えていること・・・これだったら増税なんて不要だよね、と思いついたことを書きとめてみます。
改めて資産と負債の状況を確認する
日銀が毎年80兆円もの国債を買い付けていることは報道などでも報告されています。その他にも株式としてETFを最近は年6兆円ほど買い付けています。結果どのような状況なのかザックリと整理します。
・日銀が保有する国債は451兆円(2019.02)
⇒買い入れ額は現在は年間60~80兆円
・日銀が保有するETFは28.4兆円(2019.02)
・政府の資産と負債(平成28年)
資産672.7兆円、負債1221.6兆円 (財務省HP)
コレを見ると資産と負債の差は「672.7ー1221.6=-548,9」、財務省では資産と言っても売れない資産と言っているようですが・・・
日銀の異次元緩和を簡単に整理
日銀が異次元緩和としてアベノミクスの中で行ったのは市場に流れるおカネを増やしてインフレに誘導しようとしたものです。
その方法として日銀が市場の国債をじゃんじゃんと買い上げてそれを保有し、それを償還するまで日銀がずっと持っていれば政府はおカネを払う必要がなく、その分市場におカネが出回るわけですよね。
政府は国債を持っている日銀に利子を払うことになりますが、日銀って政府の子会社と聞いていますから、連結決算でチャラになるというメカニズム、そして日銀が保有している国債は現在451兆円あるということです。
日銀は政府の子会社
すごい方法ですよね、借金をチャラにしつつ市場におカネをバラまくとは・・・
そして政府が持っている負債の合計はー548,9兆円であり、子会社日銀が持っている資産が451兆円と公表されています。これって連結決算で見れば政府の借金は約100兆まで減っていることになるのでは?
つまり日銀が買いとった国債の分、政府債務が減ったといっていいと思います。
負債の1000兆円だけをクローズアップすれば増税やむなしとなるかもしれませんが、実際には資産もあることを冷静に見れば、昔から政府が消費税導入時にも繰り返しPRしていた「1000兆円の負債=国民一人あたり約800万円もの負債」だから増税やむなし・・・というわけのわからない話にはならないはずなのです。
有事の円買い
更に国債は国内の話であり、ギリシャのデフォルトのように外国に対して借金を踏み倒したわけではありません。対外的に見れば日本の資産と負債の合計は確か純資産で300兆円を超えており、これは世界最大の規模です。
このため有事になると円が買われるというのも実は対外純資産が世界一ということも影響していると思いますし、もし日本の借金1000兆円で資産もほとんどない状態だったら有事に円買いとはならないでしょう。
とはいっても・・・
デフレ脱却のために量的緩和を行ってきたのですが、結果は国民の収入は上がっておらず消費拡大には結びついていません。 お金は市場に出回っているのに一般の消費者の収入は下がり続けています。
つまり量的緩和で市場におカネをばらまいても結果的には格差が広がってきているだけと言えるのだと思います。本来であれば減税して景気活性化を優先すべきと個人的には思っていましたが、やはりおカネを投入してトリクルダウンを狙うのはやはり無理があったようです。
多分トリクルダウンは日本国民を通り越して別の国で発生していると思います。
ただこのような中でも市場に多額のお金が投入されたわけですから投資をしている人たちなどはおおきく資産を増やしているはずです。私は全くこれに乗れませんでしたが政府の方針などややはり聞き耳を立てておく必要がありそうです。
日本は先進国中で一番将来への投資が少ない国です。これは近い将来ボディブローのように効いてくる可能性が大です。
中々先が見えない日本経済、やはり自分の身は自分で守る意識は大切です。
フローとストックは自分の身は自分で守るために知っておきたい考え方です。