米国の景気を占う指数にはいろいろなものがありますが、コレだけ押さえておけばいいんじゃないか? というものがFOMC(連邦公開市場委員会)後に行われるFRB議長の会見です。
景気動向は様々な指標で図ることができますが、一番インパクトがありそうなのがこのFRBの会見、そもそもFRBは2%程度のインフレをターゲットに政策金利(FF金利)を誘導していますが、FF金利は株価や為替にも大きな影響をあたえるのでFRBの景気判断と金利は市場に対して大きな影響力を持つことになるわけです。
FOMC(連邦公開市場委員会)とは
FOMCは米国の金融政策を決める最高決定機関であり、ここで各景気判断や政策金利(FF金利)の誘導目標を決めていきます。
メンバーは米国のFRB(連邦準備制度委員会)の理事7名と12地区連邦準備銀行総裁のうち5名の計12名で構成されているとのこと、ここで景気判断とその対応としてFF金利の誘導目標が決まります。そして委員会の2日目にFRB議長の会見と金利発表があるわけです。
このFRB議長の会見を受けて株価が大きく動く場合があるのはよく知られており、前回1/30でも会見で利上げの停止を示唆したところ、株価への好影響を期待してかNyダウが300ドル以上値上げしています。
FOMCの開催日程
開催日程は定例的に年8回 約6週間おきに開催され、必要に応じて臨時開催もあるそうです。声明は開催の最終日と議事録が約3週間後に公開されるそうです。
ちなみに2019年の開催スケジュールは以下のようになっているので、ほっぽらかし運用外の方はFRBの会見はチェックしておいたほうが良いと思います。
開催日程 | 議事録公表日 |
01月29日、01月30日 | 02月20日 |
03月19日、03月20日 | 04月10日 |
04月30日、05月01日 | 05月22日 |
06月18日、06月19日 | 07月10日 |
07月30日、07月31日 | 08月21日 |
09月17日、09月18日 | 10月09日 |
とりあえずFRBの言うことを聞いとけ
そして昨年から今年にかけては株式市場はかなり荒れており動きが読めません。市場動向についてもいろいろない意見があり何を信じたらいいのか・・・このようなときに立ち返るのがFRBの動向です。
FRBが景気の見通しがよいといえばそれに対応した金利操作をしますから市場もそれに誘導されるからです。なので様々な指標がありコレをもとに雑誌など様々な意見が飛び交いますが、結局はFRBがどう動くのかを見ていれば良いわけです。
FRBは株価のミカタではない
FRBは景気動向などをみて金利を調整します。株価が上がり過ぎれば金利を上げ、逆に低迷すれば金利を下げるという具合です。
でもコレは株価を調整するために行っているのではなく、適切なインフレ率として2%を達成するよう調整をしているに過ぎません。結果として物価上昇が進みすぎれば利上げも行い景気に水をさすかもしれません。
その結果、為替や株価に影響が出るかもしれませんが目的が「適切なインフレ」ということは知っておく必要があると思います。
まとめるとFRBは米国の政策金利を操作して経済活動に大きな影響を与えています。このため景気動向について様々な意見があったとしても、結局はFRBが「景気は上向きに推移している」というのであれば、基本はそちらの方向に進んでいると考えるのが基本的な判断です。
米国の景気動向を図る指標はいくつかありますが中でも ISM製造業景況感指数は注目されています。
長期金利は市場が決めていきますが、短期金利は政策金利に近いわけです。過去はこれが逆転するとリセッションが起きています。
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