私の投資のメインがVTIとVYM、米国株式全体を買うVTIと米国の高配当大型株400銘柄で構成されるVYM、すでに説明する必要はないくらいの人気ETFです。
今後予想されるリセッションや運用方法を米国に集中させるため、ポートフォリオの中身を少しづつ見直ししているのですが、このVTIとVYMどのくらいの比率にするのがよいのかちょっと悩んでしまいました。
リターンを考えればVTIだけでOKなんですが、将来分配金を生活費の一部に加えたいと考えているので高配当のVYMを加えているわけです。 ただその割り合いは適当なので一度整理しておきたいと思います。
VTIとVYMの特性を改めて整理
VTIは米国株式全体を買うETFで小型株・中型株・大型株すべてを含んでいます。大型株はどちらかといえばディフェンシブな動き、中・小型株は比較的大きく値を動かします。
一方でVYMは米国高配当大型株を組み込んでいます。大型株ですから値動きは比較的緩やかであり、VTIよりはどうしてもビハインドする傾向にあります。
VTIとVYM(2006年~)
2006年から現在までVTIが1.8倍だったのに対して、VYMが1.5倍という結果となっています。
利回りはおおよそVTIが2%,VYMが3%で推移しています。分配金は株価上昇に伴って増えていることがわかります。 リーマン・ショック時は極端に株価を下げているので相対的に利回りは上がっています。 このとき株価が半分まで下がっていますが分配金は微減であり分配金が安定している事がわかります。
トータルリターンを確認する
株式のリターンは売却益と分配金です。分配金を再投資したときのトータルリターンを見てみましょう。実際には分配金には課税がされますのでこのチャートよりは少し下がるものと思います。 目安として見てください。
過去12年のトータルリターンではVTIが2.48倍、VYMが2.34倍となっています。 株価はVTIが1.8倍、VYMが1.5倍だったことを考えると分配金の大きさがわかるというものです。
投資の目的を考える
投資の目的ってお金を儲けるというのは間違いありませんが、お金はツールでありそれ自体に価値はありません。 持っている数字の分だけ経済活動ができるというだけで、どのような経済活動をするために投資をするのかを考えなければなりません。
つまり数字を増やすこと自体には意味がなく、たとえば支出に見合った安定的なインカムを得ることが目的と考えれば自ずと答えは出てきそうですね。
例えば年間100万円の分配金がほしいと思うのであれば
VTI : 5000万円分の資産が必要
VYM: 3333万円分の資産が必要
(税金は考えていません)
トータルリターンが0.2倍ほど異なりますが、安定的なインカムを目的とするならばVYMのほうが実現の可能性が高いことがわかります。
また分配率はおおよそ一定のため、分配金は株価によって変わってきます。このため更に安定を求めるのであれば格付けの高い債券を組み入れるとなってきます。
資産が少ないうちは・・・
ただ資産が少ないうちは分配金は微々たるもの、このため少しでも早く成長させたいわけですから少しでも成長が見込める商品ということになりますね、VTIかVYMかといえばVTIですし、もしかしたらレバレッジETFのSPXLなんかが狙い目となるのかもしれません。
そして将来的には安定したインカムを得たいと考えたときには商品の乗り換えとなります。注意点は商品を乗り換えるとき一度利益を確定させなければなりませんからその時に課税されます。 つまりその後のパフォーマンスが落ちることになります。
現在の資金、投資の目的を明確にして、この辺を天秤にかけながらポートフォリオの割り合いを調整することになるわけですね。
なお、米国は売却益に課税されないと聞いています。さすが投資先進国だなとつくづく感じますね。課税がなければ乗り換えのハードルが低くなり運用会社の競争も促進されますし・・・
高配当を狙うのであればPFFという選択肢もあります。5%超えですから魅力的です。 これもVYMとPFFの特徴を整理して、目的に対してどうすれば有効か考える必要があります
長期運用では投資対象が長期間成長することがイメージできなければなりません。その意味で商品選びよりもどこの何に投資するのかは重要と思います。
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