債券のリターンは長期的には債券にビハインドすることがわかっているので、ポートフォリオの中心にはなりえません。 ただ暴落があったときにはいいクッション役になることなどからいくらかの組み込んでおくと良いと言われています。
では最適な割合については・・・もちろん人それぞれ問うことになりますが、積極的に運用するのであればこの割合は固定ではないほうが良いのではと思っています。
つまりリターンを最大化するためには、暴落が予測されるステージ、暴落時、そして暴落から立ち直るステージごとに適切な債券の割合は異なると言うことです。
暴落前に仕込んでおきたいAGG
そろそろ暴落するのではと予測されるとポートフォリオのキャッシュの割合を上げるのは定番な対応ですが、債券にもコレが当てはまると思っています。
例えばリーマン・ショック時のチャートを見てみましょう。コレはS&P500インデックスのSPYとAGG+VTI(各50%)の比較です。
これはS&P500インデックスのSPYとAGG+VTI(7:3)の比較です。
VTIとAGGを半分づつ組み込んだポートフォリオではS&P500が半分まで下がったのに対して20%減に収まっています。 またVTIを3割+AGGを7割のポートフォリオでは15%程度の下落に収まっています。
債券を組み込むとでこれだけクッション役になってくれる事がわかります。
また債券は長い目で見れば株式にビハインドしますから2013年にはS&P500に追いつかれて以降はS&P500の圧勝です。
暴落前にAGGを仕込むことのメリット
であれば暴落前に債権ETFを仕込んでおくことで選択肢が大きく増えてきます。
まず1つ目は暴落が起きたときにも含み損が出にくく、また株式より安定して分配金が受け取れることですね。株式の場合はどうしても株価が下がると分配金も下がる事が多いですがAGGの場合は全く変化ありません。
AGG分配金の推移(2007年〜2018年)
●機会損失を少しでも減らす効果
2つ目は、何時起きるかわからない暴落までキャッシュだけを積み上げていると、キャシュは何も生み出しませんから機会損失を生んでいるとも言えます。
AGGは分配金が2~3%程度はでますので、本格的な景気後退が発生したときやその後も分配金が受け取り続けられるわけです。
●売却し底値付近の株式を買える
AGGの価格はリーマン・ショック時も変わっていません。 米国政府発行の国債などがメインですから安定度はピカイチです。
であればそろそろ株式が底値を売ったかな、と余裕を持って株価が上がり始めた事を確認してから債券を売却しても十分に安く株式を買うことができるわけです。 なぜならAGGの価格は極端には変わらないからです。
私は暴落時にキャッシュで買増し、キャッシュがなくなったら債券を売却して買い増し用の資金を作るつもりです。
●債券を仕込んだときの注意点
債券は長い目で見れば株式にビハインドしてしまいます。 このためポートフォリオの債券の割合を長い間高いままにしておくのは得策ではないかもしれません。
S&P500インデックスのSPYとAGG+VTI(各50%)の比較(2007年~2017年)
リーマンショック時は落ち込みも小さくいい動きをしていますが、2014年にはSPYに追い越されています。リセッションからの回復期であれば明らかに株式のほうが有利でしょうから全部株式でもいい気がしますね。
まとめると、暴落が予想されるようになったら格付けの高いAGGのような債券を仕込むのも良い手、暴落前であれば分配金による機会損失を防止し、いざ暴落しても含み損を防止してくれます。
また暴落時でも価格は安定していますから、底値を打ったことを十分に確認してから売却して株を買いましてもいいわけです。
私がAGGを買っていたのでAGG押しのように書いてしまいましたが、BNDでも同じです。 なおAGG,BNDの格付けは高く暴落時でも安定していることが前提です。
ただ資金が小さいうちは長期で見れば株のほうがリターンが良いわけなので、はじめは株オンリーでいいと思っていますし、入金力が大きければ債券は不要かもしれません。
債券は金利の影響を受けて価格が変わります。景気が悪くなれば金融政策として金利が下がりますので債券の価格が上がるわけです。
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