ポートフォリオにおける債券の役割を考える

過去の株式と債券のリターンを比べたときには明らかに株式のほうが良い成績を収めています。このため投資の中心にはどうしても株式が来るわけですが、であれば100%株式でいいわけです。

でも実際には債券を組み入れたポートフォリオが多く推奨されています。 なぜ債券を入れるのか?その理由を整理して自分にあった債券の割合を考えていきたいと思います。

一般的に言われる債券のメリット

株式と債券は逆の相関関係があります。このため株が上がれば債券価格が下がるという関係にあるので、株価が暴落したときにはクッションとしての役割を果たします。

株が暴落したときに含み損の拡大を少しでも緩和するというわけです。 当然暴落から回復までは数年単位で時間がかかります。 S&P500を見てみると、リーマン・ショック前は2007年10月に最高値を記録していますが2007年10月を基準にすれば、その後5年間はマイナスだったことがわかります。

S&P500チャート

もし株式100%だった場合、5年もの期間マイナスだったことを考えるとかなりしんどいと思いますので、このクッションは投資初心者にとっては特に効果があるものと思います。

逆に言えば含み損を気にせずに買い増しができるのであれば債券の必要はないのかもしれません。 ただこの場合は10年、20年とホールドできる人でなければなりません。

S&P500のチャートを見るとわかりますがタイミングによっては10年以上の期間マイナスになり続けます。 このため長期間ホールドして追加購入できる自信がなければ株式100%は止めたほうが良いと思います。

機会損失を予防するために債券を利用する

債券といえども株価が暴落すれば影響を受けます。この場合でも一番安定しているのがAGGやBNDなど政府系の債券がメインのETF。 このようなディフェンシブなETFであれば株価が暴落したとしても価格を維持してくれることが期待できます。

SPYとAGGチャート

SPYが2009年にかけて大きく下落しているのに対してAGGはほとんど影響を受けていません。しかも分配金は粛々と支払われています。

AGG分配金の推移

株価の暴落に備えてCASHの割合を増やすことで、いざ暴落が起きたときに安くなった株式を購入するという作戦があります。 長期投資ではごく当たり前の考え方ですが、CASHを厚くすると,CASHはなにも生み出しませんから 厚くしすぎると機会損失となるのです。

であれば優良な債券ETFで暴落するまでは分配金を得て、いざ暴落した時は売却して下がった株式ETFを買いまくる。 ということにも使えると考えています。

適切な債券の割合を考える

ここでは債券の割合とリスクトリターンについて過去の例を、VTをベンチマークにSPYとAGGの組み合わせでリターンがどのように変わったのか確認してみたいと思います。

過去15年のトータルリターン

SPY100%/AGG0%SPY70%/AGG30%SPY50%/AGG50%
トータルリターン307.80%194.90%160.30%
ボラティリティ18.2%12.60%9.10%

SPY100%の場合、過去15年で約300%の含み益があったわけです。これに対してSPY50%/AGG50%の場合は含み益が約160%とやはり株価が上昇場面では株式100%がよことがわかります。

2006年12月から5年間のトータルリターン

SPY100%/AGG0%SPY70%/AGG30%SPY50%/AGG50%
トータルリターン-5.40%3.60%9.60%
ボラティリティ27.40%16.90%11.80%

リーマンショック前後でリターンを見てみると株式だけのSPYは大きくマイナスしてますが、債券を組み込むことでリターンが大きくなっていることがわかります。

つまり大きな調整や暴落時には債券がクッションとして働いているわけです。

整理すると、株式100%でいける人は長期間何があっても売らないで買い続ける自身がある人、 株式100%で10年、20年と長期運用を行えばリターンが最大化する可能性が高い。 

株式100%でいける人

一方で10年に一度は暴落すると考え、その時には分散されているETFでも半分くらいまで価格が下る。 例えば1000万円を株式に投資しているとして、暴落時には数年間も含み損が500万ほど発生することを容認できるひとということになるわけです。

またほっぽらかしで株価を見ない人ももしかすると株式100%でOKなのかもしれません。

また10年に一度、数年間も含み損が出ることに耐えられないと考えるのであれば、株式と債券を7:3程度にしてみてはいかがでしょうか?

SPYとSPY7割/AGG3割のチャート(2006年12月から5年間)

株式と債券を7:3にすると、過去の実績ではリターンは2/3程度となっていますが、リーマン・ショック時の下落幅はSPYで約50%なのに対して約30%に収まっています。 5:5であれば更に下落幅は抑えられますが、リターンが1/3になっているので・・・バランスを考えれば株式と債券を7:3程度に収めておくのがどなたにでも勧められる割合ではないかと思います。

もちろん7:3は絶対ではなく、すでに資産を築いているのであれば株式の割合を下げ更に債券の比率を上げることで安定した分配金を得ることもできますし、若くまだ資産が少ないのであれば株式100%でリターンの最大化を狙うのもアリです。

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投資を完全に余裕資金で行うならば債券はなくても良いという判断もありえます。長期運用では株式のリターンのほうが良いからです。

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