長短金利差はなぜ景気後退を予測できるのか?

長短金利差が逆転すると近い将来リセッションが起こると言われていますが、なぜそのような現象が起こるのか、金利について考察したいと思います。

過去の事例を見るとたしかに長短金利差が逆転するとリセッションが発生しています。

長短金利差(過去40年)

チャートのグレーの部分がリセッションが発生した期間になります。そして現在は右端ですからリーマン・ショック後徐々にこの金利差が縮小し続けていることがわかります。 このため近い将来金利差が逆転してリセッションが起こるのではと考えられているわけです。

長期金利の決まり方

長期金利は10年国債利回り、短期金利は2年国債の利回りや3ヶ月国債金利を言います。そして短期金利はFEB政策金利に連動しますが、長期金利は投資家の予測を加味して決まっていきます。

最近、金融系のニュースで「FRB・・・3回程度の利上げを行う見通し」など よく聞きます。 ほほ~アメリカの金利が上昇するわけね・・・...

長短金利差は投資家の予測で動く

長短金利差は投資家が数年後に景気後退すると予測した場合に金利差が縮小していきます。

景気後退すると予測されると近い将来金融緩和が行われる事が想定できます。そして実際に景気後退すれば金融緩和で短期金利(政策金利)が引き下げられ、長期金利にも低下の圧力がかかってきます。

投資家はこれを事前に織り込むため、景気後退が予測されるとそれに応じて金利差が縮小していくことになります。 そして極端な場合が長短金利差が逆転ということになるわけです。

長短金利差の縮小は景気後退の可能性

長短金利差の縮小が景気の後退のサインであることは経験的に知られており、過去の実績を見ても長短金利差が逆転すると近い将来リセッションが発生しています。

つまり機関投資家の方々などがコストと時間をかけて分析した結果、近い将来リセッションがあると判断されると、その結果がこのような指標に現れてくるということでしょう。

逆に言えば長短金利差が拡大している場面では景気が拡大してくることを表しています。リーマン・ショック前後の長短金利差のチャートを見るとリセッション直前に長短金利差が順転しているので、この時点で金融政策が実施されたものと思われ、長短金利差が拡大しています。

ただどうしても対策を行っても実際に効果が出るまでは時間がかかることがチャートからも伺えます。

またS&P500のチャートをみても、長短金利差が逆転している場面で株価が最大まで上がっています。(以下赤丸部)

以上よりなぜ長短金利差が景気後退を予測するサインとなるのか? との答えは多くの投資家の方の予測によるためという事になります。そして過去の実績から非常に優れた指標と言えます。

ただ逆転のサインが出てからリセッションの準備をしても遅いので、日頃から適切なCASHの割合を考えてポートフォリオを組む、リスクの大きな商品を控えるなどの対策は必要ですね。

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