最近、金融系のニュースで「FRB・・・3回程度の利上げを行う見通し」など よく聞きます。 ほほ~アメリカの金利が上昇するわけね・・・ と何も考えていなかったのですが、
金利の決まり方、基本くらい知っとく必要あるよね
よく考えると 新興国に投資している人はリスクを取って少しでもリターンを多くしようとしているわけで、アメリカの金利が上がったのであれば新興国よりもリスクの少ないアメリカの債券を買たほうがいい という人が増えるよね。
そうすれば新興国への投資を辞めが出てくるので 新興国株式は下がるのでは・・・ということに気がついたわけです。
つまりお金は少しでも有利な投資先を求めて移動するので金利動向が何に影響するのか、金利の決まり方について整理してみました。
長期金利と短期金利
金利には短期金利と長期金利と呼ばれる金利があります。 一般的に短期金利は1年未満の金融商品の金利のこと、長期金利は、期間が1年以上の金融資産の金利のことで 通常は 「新規発行国債10年債の利回り」を指す場合が多いようです。 概要ですが以下のような説明がされています。
・長期金利:短期金利の動向に投資家の予測を加味したもの
・短期金利:政策が一般の銀行に貸し出す金利、政策金利
短期金利は政府の政策によって管理されるので政策金利とも呼ばれます。 金利が下がれば企業がお金を借りやすくなるということになります。 また長期金利は市場動向によって変わってきます。 ちょっとわかりにくいので少し詳しく見てみます。
長期金利をざっくりと説明
一般的に金融市場では 長期金利は主に「新規発行国債10年債の利回り」の事を言います。 10年債の利率は変わりませんが、利回りは変化するのです。
例えば利率を5%の10年債を100円で発行するとなると利子は5円ですが、債券は売買できるので・・・
●100円が 80円へ値下がると5÷ 80円で6.25円(利回り6,25%)
長期金利はなぜ変動するのか
国債は売買が可能なので、買いたい人が増えれば値が上がりますし、買い手が減れば値が下がります。 つまり上の例のように 買いたい人が増えれば国債の価格が上がり、利回りが減るということになります。
長期金利の動きは主に国債価格と 逆の動きになると言えます。
では国債を買いたい人が増える要因は
よく言われるのが株と債券の関係、債券は国の借金の証書のようなものですから安定性は抜群ですが、景気が良いときは より大きなリターンを求めて債券を売り 株を買う人が増えます。 そうすると債券価格が下がり、株価が上がります。
逆に 長期金利が上がり債券価格が下がれば債券が割安となり、株を売って債券を買う つまり債券が上がり、株が下がる傾向になるのです。
他にも、アベノミクスで 債券を大量に書う金融政策が取られていますが 日銀が債券を購入するため債券価格が上がり(下がらず)、長期金利が下がる また市場にお金が流れ 企業がお金を借りやすくなる というような金融政策も影響します。
この場合 日銀が債券を買うのをやめれば債券価格が下がり長期金利は上がります。 長期金利は住宅ローンや銀行が企業に貸し出す際の金利に影響するので、長期金利が上がると 企業は資金を調達しにくくなり景気に悪影響を及ぼす可能性があります。
このため急に購入をやめはしないでしょうが、いつまでも日銀が債券を購入し続けるわけにも行きません。 このため、債券に投資している人だけでなく株に投資している人も日銀の政策変更を注視する必要があります。
なぜならば債券が下がれば株価は上がる傾向ですから・・・
為替も金利と密接な関係がある
お金は少しでも有利な投資先を求めて移動します。 例えば アメリカの金利と日本の金利に差があると、金利が高い方向にお金が動きます。 円の金利は非常に低く、アメリカは2016年より段階的に金利の引き上げにを始めています。 そうするとお金はアメリカに流れ、つまり投資をしている人は 円の比率を減らして米ドルの比率をあげようとするのです。
結果、ドルの価値が上がり 円安ドル高になるわけです。
円安ドル高を容認していると輸入品の価格が上がりますから日本の物価は上がっていく、つまりインフレが進む事になります。 そうすると物価上昇つまりインフレ傾向を抑える必要があり、日本も金利を引き上げ金利差を縮小させる行動を取ることになります。
以上が基本的な金利と債券・株、為替の動きです。 当然このような傾向があるというだけであって、実際は日本だけでなく各国の金利差が影響しますし もっともっと複雑です。
でも日本で投資をする以上は 最低限、アメリカと日本の金利情報は気にしておく必要はありそうです。
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