2017年は安定的に株価が上がっていたので 分配金の利回りが全般的に下がっています。つまり分配金の額としてはあまり変わらないということですね。 つまり、いくら位の分配金が支払われるのかが ある程度よめる収入ですね。
キャピタルは全くよめませんが、インカムは大体の額がわかるというのが 収入の違いですね。 このため分配金は年金の不足分を補完するような用途、つまり個人年金として使うことも可能なわけですが、分配率が高いETFだったらなんでもいいわけではありません。
株価が2017年のように安定的に成長するような年もあれば、リーマン・ショックのような暴落場面もあり、このようなときに分配金がどのようになるのか?・・・などETFの過去の状況も知っておくことは個人年金づくりに重要な情報だと思います。
米国の有名なETFをピックアップ
そしてリーマン・ショック時には底値をつけるまで1年以上の期間がかかっており、ITバブルのときは2年以上下がり続けています。 このようなときに分配金がどのように推移していたのか代表的なETFを確認してみましょう。
その前にまずは過去のチャートの確認をしてみます。候補はこれら6種のETFとしました。
株式 :SPY・VTI
高配当 :VYM
優先株 :PFF
債権 :AGG
新興国株:VWO
チャートで一番成長しているのが 米国株式ETFのSPY(S&P500)、VTI 流石に鉄板のETFです。 一歩劣るのがVYMとHDV米国高配当ETF分配金のぶんだけ少ないイメージでしょうか。
PFFはリーマン・ショック後もほとんど成長していませんが、暴落する場面ではしっかりとねを下げていますね。 新興国株式のVWOは流石にボラティリティが高く、全体的に成長しているようには見えません。なかなか難しそうなETFです。
注目は米国の国債など超優良債権を組み込んだAGG、リーマン・ショックでも安定しており、ディフェンシブな効果が期待できます。
分配金の推移を確認する
では分配金の推移をリーマンショック前の2007年から見てみましょう。
SPY分配金の推移(2007年〜2018年)
リーマン・ショック前は0.7ドル程度の分配金でしたが、リーマン・ショック後 約1年は0.5ドル程度まで下落、その後は株価の上昇とともに分配金は増え、現在は1.32ドルまで増えてきています。
⇒ 直近の利回り 2.00%
VTI分配金の推移(2007年〜2018年)
リーマン・ショック前は0.3ドル程度の分配金でしたが、リーマン・ショック後 約1年は0.2ドル程度まで下落、その後は株価の上昇とともに分配金は増え、現在は0.72ドルまで増えてきています。
⇒ 直近の利回り 2.11%
VYM分配金の推移(2007年〜2018年)
高配当大型株のVYM、リーマン・ショック前は0.3ドル程度の分配金でしたが、リーマン・ショック後 約1年は0.25ドル程度まで下落、その後は株価の上昇とともに分配金は増え、現在は0.67ドルまで増えてきています。
⇒ 直近の利回り 3.22%
PFF分配金の推移(2007年〜2018年)
他の株式ETFとは分配金の出方が異なってますね、リーマン・ショック時も分配金は減っておらず安定しています。 たまに髭のように+に伸びているのはクリスマスプレゼントでしょうか!?(^_^;)
⇒ 直近の利回り 5.32%
AGG分配金の推移(2007年〜2018年)
さすがディフェンシブなAGG、リーマン・ショックも何事もなかったように、まあ政府系の超優良債権ですから当たり前ですかね。最近は価格が下がっているので利回りが少し上がってきています。
⇒ 直近の利回り 2.94%
VWO分配金の推移(2007年〜2018年)
新興国はリーマンショック前まではかなり良かったのですが、最近は米国の金利上昇や経済不安定などの提供で値を下げています。 分配金も当時の半分程度まで下がっていますが直近の利回りが4.96%と高く維持し続けています。
⇒ 直近の利回り 4.96%
簡単にまとめると・・・
米国株式ETFの定番であるS&P500(SPY)やVTIはキャピタルが期待できることに加えて分配金は2%程度、リーマン・ショック時は株価は約半分まで下落、分配金は約2/3程度まで下落した。
高配当VYMはSPYやVTIよりキャピタルは劣るものの、分配金は3%程度 株価暴落時点の分配金はVTI等と同様に2/3程度まで下げている。
優先株PFF、株価暴落時点でも他の株式同様に価格を下げるが、分配金は下がっていない。 現在の利回りも5.32%と非常に高いことから分配金を目的にするのであれば有力な候補、ただキャピタルゲインは望めない。
超優良債権ETFのAGG、非常にディフェンシブであり、分配金も安定している。 このため分配率2.94%で満足できるかどうか、金利上昇場面では価格を下げる。
新興国株式VWO、チャートを見ると株価が下がってきており、分配金もかなり値を下げている。 ただ配当率自体はかなり高い。
個人年金を分配金で賄うのであれば・・・
大きな資金があるならば安定のAGGです。 AGGで2.94%の分配金を得るのが一番だと思われます。 ただ2.94%は日本でさらに課税されますので実質2%強、AGGで年に年100万円の分配金を得ようとするのであれば資金は5000万円ということになりますね。
PFFも暴落時に値を下げる、通常時全く横ばいなのでキャピタルは望めないものの利回りが非常に大きいので気になるところ、日本でも海外ETF保有額ランキングは現在2位と大健闘です。
また1銘柄に拘る必要もないので、大きなリスクを取らずにソコソコの分配金を得るのであれば「VTIやSPY、高配当のVYM」に「AGG」といった債権を組み合わせるというのも良いのではないでしょうか。
また今回の調査では日本での課税は考えていません。また為替の影響も当然受けることは注意が必要です。

高配当ETFとして有名なVYM・HDVを比較しました。

高配当投銘柄には投資不適格銘柄が含まれている場合があります。格付けについても知っておきましょう。

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