世の中にはバイ・アンド・ホールドという投資方法があります。 とにかく成長しそうな優良銘柄を購入しひたすら長期間保有するというもの。
前提は成長市場への投資となるため米国や世界全体へ分散投資する銘柄が良いとされるわけです。 長い目で見れば一時的な下洛はあったとしても成長が期待できる市場であれば成り立つ考え方です。
この考え方の良いところは、投資に時間をかけられない、勉強する暇がない等の場合でも資産を増やせる可能性が高く 金融庁のつみたてNISAもこの考え方に基づいて投資信託の条件を設定しています。
個別の銘柄について調べるだけ、時間がかけられない自分にとって長期投資は良いのですが思うことも有ったので書いてみます。
長期とはどのくらいの期間か?
長期運用の長期とはいろいろな意見があると思いますが、投資ですから、たとえば企業価値が成長するためにはそれなりの時間がかかるわけです。 その間に暴落するような場面もあるかもしれませんが、過去のS&P500の例などからおおよそ10年あればプラスになるだろうと言われています。
このため長期投資とは最低でも10年というのがよく言われることです。 ここで気になるのが長期運用を10年以上と言い切ってしまうと、最初に決めたポートフォリオを守り続けるようなイメージを持たれてしまわないかが心配です。
例えば1~2年という比較的短期の運用実績を見たときに、次の数年を想定してリターンを最大にするためポートフォリオの調整や組み込み銘柄の調整は往々にしてありえる事です。
つまりはじめから10年計画をもってポートフォリオを組むというよりは1~2年程度の比較的短期で状況を確認しポートフォリオの見直し調整を行うことを繰り返して、結果的に長期になっていく というのが多分本来の長期投資ということだと考えています。
このため長期投資とは何年以上か?と聞かれれば 多分一生ですね。
投資に時間がかけられない方はどうするか?
投資に時間がかけられない方はポートフォリオの見直しなどせず、ほっぽらかしになるものと想像します。 このためバイ・アンド・ホールドが有効ということになるのです。
でも投資に時間がかけられないから そもそもポートフォリオも見直さないしほっぽらかしだよ・・・と言われそうです。
でもそもそもETFは幅広く分散投資している上に、その時々に応じて自動的に銘柄の組み換えを行ってくれています。(目録書などに記載される売買回転率がその比率を示しています)
そのため、ポートフォリオをできるだけシンプルにして積立以外に何もしたいということが成り立つわけです。
はじめの銘柄選びが大切
このためには、一時的な成長ではなく 長期間に渡って成長が見込める場へ投資するETFを選部ことが大切です。 例えば2000年代に脚光を浴びた新興国、もちろん悪い投資先ではないと思いますが、バイ・アンド・ホールドでほっぽらかしを考えたときにはちょっと躊躇します。
世界経済が不安定になるとまっさきに資金が引き上げられるのも新興国、私の運用イメージですが常に状況を確認して安いときに仕込むような運用となるのでバイ・アンド・ホールドにはむいていないかと・・・
その意味では米国や世界全体へ分散投資するETFはバイ・アンド・ホールドの対象と考えてもいいと思います。なぜなら米国の優良企業の多くはグローバルで経営していますし、もし米国だけが調子悪くなるようであれば世界経済の中心が他の国に移ったときくらいしか想像できません。
このため最初の銘柄選びは大切で長期で右肩上がりに成長する市場へ投資するETFがよく、米国株式全体を組み入れるVTIや、優良大型株500銘柄を組み込むS&P500は長期投資、投資の核に向いていると思います。
まとめると、長期投資は短期投資の積み重ね、短期の結果からポートフォリオの見直し等は必要。 ただ投資に時間がかけられないのであればバイ・アンド・ホールドで長期保有でほっぽらかしは有効。 その時はポートフォリオは特にシンプルに、そしてはじめの銘柄選びは超大切ということです。
完全のほっぽらかしを考えるのであればバランス型のファンドも良い選択になりえます。

人は感情で動く生き物です。とくに失う恐怖には過度に反応することから基本は投資には向いていないのです。 この感情をどうコントロールするかが投資の1つのポイントかも知れません。

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