投資信託の中にはバランス型と言われるファンドがあります。 はじめから様々なアセットアロケーションが組込まれており、それらのリバランスも自動でやってくれるため、時間がない方でも定期買い付けをすることでほっぽらかし運用が可能になっているファンドです。
このため投資に不慣れな初心者の方や投資の勉強をする時間のない方に人気なファンドです。
どんなものを組み込んでいるのか・・・例えばですが、「国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、REIT」 これらのいくつかを組み合わせて資産を分散させリスク低減を行いながら資産形成を目指します。
一番の特徴はやはり手間のかからないこと、そしてデメリットは様々な資産に分散させるため、個別の銘柄よりはリターンはどうしても小さくなってきます。 まあその分勉強は不要といえるのかもしれませんが。
人気のバランス型ファンド
では2018年上半期の人気バランス型ファンドを見てみましょう。 これらは今年上半期の資金流入額ランクのトップ5です。
1位:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
2位:楽天・全世界株式インデックス・ファンド (楽天バンガード)
3位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
4位:世界経済インデックスファンド
5位:つみたて8資産バランス
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
世界中の株と債券を半々に組み込んだファンドです。
セゾン投信が2007年に日本で多分始めてだったと思いますが、長期運用で世界中の株式と債券への分散投資、積立により資産形成できる事を念頭に開発したファンドです。
短期が主流で投機的な運用しかなかった投資信託の中で、はじめて長期運用を説いたファンド、発売されてから10年以上立ち同様の理念のファンドが低コストで発売されてきていますが、未だに人気がありますね。
インデックスを機械的に株と債券を半々にするところなどはわかりやすくて良いです。ちなみに 私の投資デビューもこのセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドです。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド (楽天バンガード)
これ一つで世界中の株式へ分散投資できるファンドです。
日本で人気の米国ヴァンガード社のETF、「VT」を投資対象としたファンドであり、投資対象がVTだけですからバランス型かと言われるとちょっと疑問もありますが、VTが世界中で購入可能な株式の約98%を組み入れているので大いに分散していると言うことで入れています。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
国内債券・株式、先進国債券・株式、新興国債券・株式、国内・先進国REITの8つのアセットアロケーションに均等投資するファンドです。
低コストで人気ですが、分散を進めるとその分下落したときに戻りにくくなることは知っておいたほうが良いと思います。
世界経済インデックスファンド
世界の債券及び株式に分散投資するファンドです。
世界の債券及び株式に分散投資なので、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドと同じ考えですが、基準としているインデックスや割合は異なりますのでパフォーマンスも違ってきます。
つみたて8資産バランス
国内債券・株式、先進国債券・株式、新興国債券・株式、国内・先進国REITの8つのアセットアロケーションに均等投資するファンドです。
このためeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)と近いパフォーマンスが期待されますが、いずれも運用期間が短いのでこれから実力確認ということになりますね。
パフォーマンスを考える
バランス型は様々なアセットアロケーションを組みこんでいるため、通常時はリスク(基準価額の上げ下げ幅)が小さくなります。 つまり波を打ち消し合うイメージです。
リスクが小さい=危険ではない のようなイメージがあるかもしれませんが、正しくは上げ下げの動きが小さいと言ったほうが伝わるかもしれません。
また、まだ運用期間が短いものばかりなので今回は1位の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と4位の「世界経済インデックスファンド」について見てみましょう。
赤:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
青:日経平均
緑:世界経済インデックスファンド
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは10年間に2倍強の成長をしたことがわかります。 また世界経済インデックスファンドはだいたい2.6倍くらいの成長ですね、同じアセットアロケーションでも内容が異なるので運用成績にも差が出ています。
2位の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド (楽天バンガード)」も始まったばかりなので元の「VT」のチャートを見てみます。(為替の影響は入っていません)
この10年間で1.7倍、当時より円安が4%ほど進んでいますがほぼ変わらないので、今回の確認結果からは「世界経済インデックスファンド」の成績が一番良かったとなります。(今後もずっと良いとは限りません)
比較が取れる短期間(過去1年半)でチャートを見るとどれも大きな差はありません。
ではどれを選ぶかですが、バランス型を選ぶ場合は長期運用で積立投資、あとはほっぽらかしが基本になります。
また過去の成績が今後も続くとは限りませんが、アセットアロケーションが近いのであれば、実績ないよりは実績があったファンドを私ならば選びたいですね。
なのでパフォーマンスから言えば「世界経済インデックスファンド」リーマン・ショック後の戻しをよく捉えていると思うので、今どれか一つと言われればこれにします。 あとは長期運用ですから手数料を比較も重要です。 少しの差が長期間で積み上がると馬鹿にできない場合もあります。
なお、日本税制は配当や売却益に約20%の課税があります。 このため多額の含み益が積み上がっているとなかなか乗り換えにくいので、はじめはNISAを利用して非課税で様子をみて行くほうがが良いと思います。
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