今回はエネルギーセクタのVDEを調べてみます。エネルギーセクタといえば一般的に高配当のイメージがあります。エネルギーといえばほぼ原油のことなので、これがリターンにどのように影響しているのか調査したいと思います。
MSCI USインベスタブル・マーケット・エネルギー25/50インデックス
VDEのベンチマークは「MSCI USインベスタブル・マーケット・エネルギー25/50インデックス」です。 このインデックスは米国のエネルギーセクタで形成され、石油関連企業の大型株・中型株・小型株を幅広く網羅しています。
以下がおおよそのプロフィールとなります。(2018年6月30日)
構成銘柄数 139銘柄
経費率 0.1%
設定日 2004年9月23日
PER 19.4
PBR 1.9倍
利益成長率 ?16%
売買回転率 11.4%
標準偏差 20.56%
配当利回り 2.95%
エネルギーセクタの中身を見てみると殆どが原油に関係しており、石油の掘削から精製、販売まで石油に関して幅広く組み込まれていることがわかります。 この事から原油価格に大きく左右されるETFであると考えられます。
パフォーマンスを確認
ここではVDEとS&P500インデックスのIVVを比較してみます。リーマンショック前は原油価格の上昇の恩恵を受けているせいか好調ですね、またリーマン・ショック以降もS&P500同様に回復しています。
2015年位から値を下げその後は一進一退ですね、原油価格(WTI)を見ても2015年頃から値を下げているので原油価格とVDEには強い相関があることがわかります。
(世界経済のネタ帳)
組み込み銘柄を確認する
エクソンモービル、シェブロンは石油メジャーと言われる総合石油関連企業、シュルンベルジェは油田探査や埋蔵量解析などをビジネスとする企業、この3社で全体の4割を占めています。
では肝心な分配金の推移を確認しましょう。
2015年から原油価格が下がっており、それと同時に減配していますね。 ただ安定して支払われていることはチャートから見ることができます。
つまり原油価格が今後上がるのであれば大きく成長するでしょうし、過去の分配金を見てもかなり期待できるものと思いますが、では今後の原油価格をどのように考えたら良いのか・・・
米国ではシェールガスの増産を進めており、米国原油在庫が大幅に積み上がっているといいます。このため2015年から原油の輸出を解禁しており、米国外への輸出を開始しています。
またWikipediaによると
2018年3月5日、国際エネルギー機関(IEA)は2023年までの石油市場見通しで、米シェールオイルの生産が2023年に2017年比で74%増の日量780万9000バレルになるとの見通しを示した。2023年に米原油生産全体(天然ガス液など含む)も約3割増の日量1690万1000バレルに拡大。世界で米国産原油の影響力が強まるとした。
つまりシェールガスの増産は今後も続き、原油価格が上がりにくい状況は続くと考えられるわけです。 将来のことは誰にもわかりませんがVDE集中は非常にリスクが大きいことが容易に想像できるわけです。
一つのアセットアロケーションに偏ることなく様々なアセットアロケーションを考えて分散を心がけしつつ分配金を狙えるポートフォリオを組むというのが良いということになりそうです。
高配当で有名なETFにVYMとHDVがあります。これらの違いはざっくりと言えばエネルギーということになります。

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