個性が際立つSPXL、S&P500のブル3倍のETFです。 S&P500といえば米国の代表的な指標であり優良な大型株式を500銘柄組み込んだものです。
ウォーレンバフェットも90%のS&P500と政府系の優良債権10%のポートフォリオを勧めているくらいですし、山谷はあったとしても長期運用できればそのリターンにかなり期待できます。
前回SPXLの概要を調べてみましたが、実際にタイミングを見て購入を検討しようと思い気になる部分を更に見てみました。

SPXLは相場が荒れると売買されやすい
今年の6月から売買ランキングを見ていたのですが、10月に調整が入るまではSPXLはトップ10のランク外でした。 しかし10月に入ってからいきなり売買ランキングの1位と2位(SPXS)にレバレッジETFがジャンプアップしています。
順位 | 6月 | 7月 | 9月 | 10月 |
1 | VT | VT | SPY | SPXL |
2 | VOO | VTI | QQQ | SPXS |
3 | VTI | VYM | VOO | VT |
4 | VYM | VOO | ERUS | QQQ |
5 | HDV | QQQ | VTI | VTI |
6 | QQQ | PFF | SPXL | PFF |
7 | PFF | VWO | EWZ | VOO |
8 | BND | TUR | VYM | EDZ |
9 | SPY | HDV | BND | VGT |
10 | IVV | SPXL | IVV | IVV |
(2018年楽天証券より)
もともとレバレッジETFはコストも高いので、長期運用というよりは短期的に売買をするのが一般的と言われています。 このため初心者の長期運用とはちょっと趣が異なり、中級者以上の方が相場が荒れたときに、レバレッジをかけてキャピタルを狙う使い方一般的と思われます。
ランキングにもそれが現れていますね。
ちなみにブル3倍のSPXLは1日のベンチマークの動きに対して+300%の値を求めています。 これに対してベア3倍のSPXLは逆に1日のベンチマークの動きに対してー300%の値を求めています。
つまりS&P500が1日に10%上がれば、SPXLは+30%、SPXSは-30%となります。逆に1日に10%下がればSPXLはー30%、SPXSは+30%とるのです。 このため上昇局面ではSPXLがよく、下降する局面ではSPXSのリターンが良いということです。
中級者以上の方が、下落する局面でSPXSを購入し 値を戻すときにSPXLを購入した人が多かったことが想像できますね。
SPXLのリスクとリターン
S&P500は一時的暴落はあるものの、右肩上がりで成長しています。 この1日分の動きに対して+300%ですから実は複利の効果も生まれて大きな差につながっています。
IVVとSPXLチャート(過去5年)
比較をすると、いうまでもなく圧倒的なパフォーマンスです。 またIVVがまったく成長していないようにも見えてしまいます。
なお、2018年1月の調整時期をみるとIVVの下落とSPXLではSPXLの下落が大きいこともわかります。 つまり下落方向にも複利が効いてくるので大きな下落になっていることに注目です。
IVVとSPXLチャート(過去1年)
この傾向は過去1年のチャートを見るとこの傾向はよくわかります。
以上より整理すると
1日のS&P500の動きに対して3倍なので、右肩上がりの相場では複利の効果も相まって圧倒的なパフォーマンスを発揮する。 しかし下落する場面も同様に複利の効果が発揮されてしまうので大きく値を下げる。
また一進一退の相場では少しづつ値を下げていくので注意が必要。 これは1日目に100円が「-1」動くとブル3倍は97円、次の日「1」プラスになってももとには戻らずに99.9円となります。(97+97*0.03=99.91) 更に上げ下げを繰り返していくと徐々に値を下げていくわけです。
グラフにするとこんな感じですね
投資初心者がSPXLを運用するには
すでにリタイヤして更に大きく資産を増やす必然性がない方にとってはSPXLのようなレバレッジETFはあえて選ぶ必要が無いのですが、これから大きく育てたいと考える人にとってはSPXLはいい選択になる可能性があります。
ベンチマークがS&P500なので一時的な下洛場面はあるにせよ長期的には右肩上がりが期待できるからです。
ただ、下がり始めると一気に下がるのである程度相場感に自信が無いと怖いですね、逆にSPXLを買うことでチャートや経済に注視するきっかけになるかもしれません。(勉強になるということです)
また 2017年のように右肩上がりで成長しているときにはほっぽらかしでも大きなリターンを得ることができることを考えれば、やはり少額で勉強をしながら・・・という事になりそうです。
私も相場が安定したら少額から様子を見たいと思っています。なんせブル3倍は魅力的です。
魅力的だからこそデメリットには注意を払いたいと思います。

そもそもS&P500は保有額ランキング、売買ランキングでも常にトップ10に入る人気のETFです。 人気ゆえ投資信託でも普通に買えます。

米国ETFでもS&P500インデックスは「SPY」・「IVV」・「VOO」の3種類あります。

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