米国で債券に投資する方法として、簡単で安全なのがBNDやAGGといった政府系などの格付けが高い債券を組み込んだETFを購入する方法です。その他にも直接、既発債として米国国債などを購入する方法があります。
米国の国債を普通に買うなど想像も付きませんでしたが、じつはSBI証券のHPを見てみると、普通に米国国債だけでなく、ストリップ債(ゼロクーポン債)まで売られいることを発見 まさかこんなのまであるとはちょっとびっくりです。
通貨 | 商品 | 発行体 | 利払日 | 利率 (%) |
参考単価 | 参考利回り (税引前) |
償還 |
米ドル | 国債 | 米国国債 | 2/末,8/31 | 2.625 | 100.09 | 3% | 8月31日 |
米ドル | 国債 | 米国国債 | 4/30,10/31 | 2.75 | 99.91 | 3% | 4月30日 |
米ドル | 国債 | 米国国債 | 1/31,7/31 | 2.75 | 99.85 | 3% | 7月31日 |
米ドル | 国債 | 米国国債 | 4/30,10/31 | 2.875 | 100.02 | 3% | 4月30日 |
米ドル | 国債 | 米国国債 | 2/15,8/15 | 2.75 | 91.76 | 3% | 8月15日 |
米ドル | 国債 | ストリップ債 | なし | 0 | 96.49 | 2% | 5月15日 |
米ドル | 国債 | ストリップ債 | なし | 0 | 90.3 | 3% | 8月15日 |
米ドル | 国債 | ストリップ債 | なし | 0 | 84.32 | 3% | 11月15日 |
米ドル | 国債 | ストリップ債 | なし | 0 | 81.06 | 3% | 2月15日 |
米ドル | 国債 | ストリップ債 | なし | 0 | 73.98 | 3% | 11月15日 |
米ドル | 国債 | ストリップ債 | なし | 0 | 42.56 | 3% | 2月15日 |
(2018/11/08 SBI証券HPより)
ストリップ債とは
ストリップ債とはゼロクーポン債とも呼ばれている債券、もともと債券は満期に額面の金額を受け取ることができ、その間に利子を受け取ることができるわけです。
この利息部分は計算ができるので、予め差し引いて価格を下げて販売しているのがストリップ債というわけ、利子部分を差し引いてあるので価格が安く買えるものの、当然利子がつかないのが特長です。
このため償還期間までが長いほど利子が積み上がるので、結果参考価格が安くなっているのがわかると思います。
また基本的には同じものですが、通常の債券は「利子を受け取る=課税される」ということでになりますが ストリップ債は利子が発生しませんから都度課税はされません。 なお売却時には課税されます。
ストリップ債のメリット、デメリット
上の表で2028年償還の商品は参考利回りが約3%です。 73万円で買って10年後に100万で償還されるということ。 悪くない投資方法に思えますがどの様に考えますか?
活用方法としては・・・例えば50際のときにこのゼロクーポン債を年に73万円づつ買って置くと、10年後 60歳からから毎年100万づつ帰ってくることになります。
私は以下の理由からあまりゼロクーポン債に魅力を感じていません。
・満期まで持つ必要がある
・流動性が低い
ゼロクーポン債は満期まで持つ必要がある
満期まで保有することが前提で価格が決まっているので、利子が高い時や長期で購入することで安く買えます。
現在は10年で3%、10年間きちっとホールドできればリスクなく3%/年のリターンが得られるので、計算ができるという意味でなかなか良いと思っています。(為替の影響を除きますが・・・)
流動性が低い商品ですが、確実なリターンを得るという意味では良い投資先だと思いますので、はじめに参考利回りで満足できればということになるでしょう。
ただ、利上げが実施されても満期に戻る金額は同じですし、個人的には長期間資金を拘束されている割にはリスクが大きく感じます。
流動性が低い
基本ゼロクーポン債は満期まで保つ必要があります。 私が債券に期待しているのは暴落時に売却して株購入の資金に回したい、それまでは機会損失をできるだけ抑えるため安定した利回りで運用したい。 という欲張りな考えがベースにあります。(上手く行けばいいのですが・・・)
となると債券の流動性は高く、ディフェンシブな銘柄が良い。このため米国の投資適格銘柄を組み込んだBNDやAGGという選択がよいと考えています。
投資の考え方は人それぞれといいますが、ゼロクーポン債で確実にリターンを得るのも方法の一つです。 ただ満期まで持ち続けなければならないのはどうしても気になります。
金利が上昇すれば債券価格は下がっていきます。ゼロクーポン債も金利上昇局面ではあとから発行されたもののほうが有利となってきます。
高金利の債券は日本では人気ですが、為替の影響も考えれば意味を持たないと言われます。