ゴールドマン・サックスと言えばアメリカを代表する金融グループです。ちょっと古い記事ですが2017年2月の記事によると、ゴールドマン・サックスでは株式売買システムの自動化を進めた結果、2000年には600人いたトレーダーが2名まで減ってしまいましたそうです。
そのかわり自動取引プログラムのエンジニアは9000人と全従業員の3分の1まで増加しました。
資産運用は数字の世界なので自動化が進みやすいと言われてきましたが、600人が2人まで減ってしまうとはちょっと衝撃的ですよね。
人は感情で動く
この背景にあるのは、人は感情で動きやすく冷製で合理的な判断を感情が歪めてしまうからだと言われます。 この分野は米国では「行動経済学」と言われて研究されていますが、簡単に言えば人は失う恐怖には弱く、得る場合はリスクを回避する傾向があるのです。
例えば A:「応募者全員に1000円プレゼント」というのと B:「応募した方の中から50%の方に2000円プレゼント」と言われればほとんどの人は確実1000円を貰えるAに応募するのではないでしょうか?
理論上は基本的にAもB(期待値)も同じ価値と考えられますが、人は何かを得る場合の選択はリスクを回避し不確実性を避けたがるのです。
逆に50%の確率であたりが出ます。 あたりが出れば3000円が貰え、ハズれれば1000円の罰金という賭けがあった場合どうしますか? 期待値は1500円ですからオトクなはずです。
しかし、多くの人はこの賭けには乗らないのではありませんか?これは失うことへの心理的負担が大きいことを表しているといいます。
このような心理的負担が投資でも当てはまるので、感情で合理的な判断を歪めてしまわないためにも自動取引プログラムは有効と考えられるわけです。
個人投資家はどうすればいいのか
つまり個人投資家が正しい判断をするためには心理的に高いハードルを乗り越えなければならなりません。 リターンを得るためにはこのハードルに挑戦しなければなりません。 このため自ら決めた運用方針を守ることが成功への第一歩と自分にも言い聞かせています。
やってはいけないのは
・コロコロと運用方針を変える
・考えずに人のマネをする
・含み損に過度に反応する
コロコロと運用方針を変える
思いつきで運用方針を変えるのは良くないことだと思います。 何らかの根拠をもって変更するのであればいいのですが、運用方針を変えようと考えているときはかなりテンパっている事が多いので、冷静ではなく合理的な判斷をしていない可能性が高いです。
考えずに人のマネをする
Twitterなどの有名人が***を買ったから、マネをして購入する。というのは同じ銘柄を購入するわけですから安心感があります。 投資信託やETFで長期投資をするのであれば問題ないと思いますが、
個別銘柄の場合、自分で考えて判断していないので売買のタイミングはつかめません。なぜその人がその時に買ったのかがわからないのであれば購入しないほうがよいと思います。
含み損に過度に反応する
株式ですから5%~10%は普通に下がると考えましょう。 これが耐えられないのであればそもそも株には向いていないのかもしれません。
もしかすると自分のリスク許容度を超えた投資なのかもしれません。 リーマン・ショックは級の暴落がおこれば株価が半分まで下がってもおかしくないので、そのくらいまで下がっても耐えられる分だけ投資をすること。

また近い将来使う予定のあるお金を投資に回すのも駄目、心理的負荷が大きくなりますし、実際に使うときに価格が下がっていると目もあてられません。
「忙しくて投資の勉強ができない」、「資産運用は必須と思うが手間を掛けたくない」というニーズも当然あるわけですが、この場合はバランス型のファンドを定期購入してほっぽらかし運用をするのは理にかなっています。 ほっぽらかすわけですから心理的な影響を無視できます。
また最近流行っているロボアドも運用を任すことができるので有効な手段の一つと言えます。

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