10月に入ってからの株価乱高下、と言っても10%程度の下洛ですし長期投資家にとっては騒ぐようなものでもないと考えています。
ただ思ったのは、そもそも適正な株価はどのくらいなのだろうか? これについては専門家の方がいろいろと計算しているでしょうし、様々な意見もあるでしょう。
当然個人の意見などほとんど意味はありませんが、過去のS&P500のチャートに線を1本引いてグラフの形から考察してみたいと思います。
過去のS&P500チャートにトレンドラインを入れてみる
トレンドラインの根拠は特別ありませんが、リーマン・ショック後の戻しについてはいささか行き過ぎ、そろそろ暴落が起きてもおかしくない・・・というような意見をよく見かけます。
そして、チャイナショックあたりの底値がS&P500の適正値と仮定して過去40年分の補助線を多項式で入れてみました。
S&P500チャート(過去40年)
このグラフを見てみると1995年から株価が急激に上がり、ITバブルが始まっていることがわかります。 またリーマン・ショック時はトレンドラインよりも大きく上回ってはおらず、株価暴落後以降は急激に戻しているように見受けられます。
これを見ると今はいつ暴落が起きてもおかしくないのがわかります。急激に上げすぎて何がネガティブな要素あると一気に下がってしまうということです、その意味では今の米中貿易戦争はネガティブ要素となりえます。
トレンドラインは人為的にどのようにでも引けますが、リーマン・ショック後の株価の伸びは非常に激しく、現在は急激に株価が上がりすぎていることは間違いないでしょう。
ただ米国のISM製造業景気指数は相変わらず57で(2018年10月)であり、長短金利差を見ても危険レベルにあるとは考えにくいものです。となれば株価のボラティリティは大きくなってきていますが、大きな下洛とはならずにきっと調整程度で収まる可能性が大きいと思われます。
トレンドラインを見て思うこと
将来は誰もあてることはできません。 このトレンドラインも今までの株価から単純計算によって算出したにすぎません。 あくまでも目安として引いています。
ただ、改めて思うのは株価が急上昇すると近い将来大きく下落しているということです。ITバブルも、リーマン・ショックも同じですよね。 その意味で2017年後半の株価の上昇は、かなりやばい感じがしませんか?
S&P500チャート(~2017年12月)
株価はトレンドラインよりも大きく乖離し、急激な上昇だったことがわかります。またチャートや長期的なトレンドを見る200日移動平均線でも急な株価上昇は確認できます。
S&P500チャート(過去3年)
となれば、することは適切なCASHポジションをとりつつ、それなりにリスクもとってポートフォリオを組んでいくこと、暴落したときにどうするかを考えておくことということです。
特に大きく落ち込むと心中穏やかではありませんが、まあそのようなときは買い増しのチャンスともいえるわけですから、準備をちゃんとしておきましょうという結論です。 ちなみにこの補助線はGoogleスプレッドシートで簡単に作成できます。

暴落したときの対応を考えておかないと、狼狽売りしてしまうかもしれません。 冷静になるためにも作戦は必要だと思います。

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