投資家は「個人投資家」と「機関投資家」に分けることができます。 そして圧倒的な資金力と情報量で運用しているのが「機関投資家」です。 これだけ見ると「個人投資家」が敵うわけありません。
しかし機関投資家の戦い方と個人投資家の戦い方が違うことを理解すれば、情報量や資金力に圧倒的な差があるから敵わないと卑下する必要もなくなります。
機関投資家とはなにか?
機関投資家は厳密には定義されていないようですが、一般に銀行や証券会社から運用を委託され、集めた巨額の資金を株や債券などで運用する大口の投資家のことをいいます。
2017年時点で機関投資家の受託資産が世界で67兆ドルを超えているので確かに巨額な資金を運用していることがわかります。
機関投資家は大きな資金力があるものの、常に運用成績を上げなければならないという使命があるので、情報収集や分析にお金をかけています。 いっぽうで個人投資家は大きな資金や集められる情報にも限界がありますがそのような使命ははありません。
機関投資家の特長
・資金力が莫大、情報量・分析力が圧倒的
・流動性の大きな大型株が投資対象となる
中小株は流動性がないため大量購入できない(株価が上がる)
・定期的に運用実績が評価される
・投資家が資金を現金化すれば売りたくないときに売らなければならなくなる
個人投資家の特長
・資金力が低め、情報量・分析力も低い
・流動性が低くても株価に影響なく買い付け可
・成績が悪くても誰も文句は言わない
・個人の判断で売買ができる
個人投資家が有利な条件
機関投資家は基本的に集中的に投資を行います。 それは他の機関投資家と競争してより大きなリターンを稼ぎ出す必要があるからです。
このため、上がり相場には乗り遅れないよう資金を100%投資しなければならず、そして情報量と分析を生かして下がり相場を回避しなければなりません。そして市場平均を上回る成績が目指すわけですから必然的にアクティブ運用の要素が強まるわけです。
となると、長期運用の基本でもあるバイ・アンド・ホールドは機関投資家では運用しにくくなりますから、これは個人投資家に許された特権とも言えますね。 更に個人投資家は自由ですから株価が下がってもじっくりと相場の動きを観察することができますが、機関投資家は下がる前に売却しなければなりません。
このように機関投資家が非常にシビアな世界で売買をしています。このため個人投資家が機関投資家の購入する銘柄をマネをして買っても結局はうまくいかないのでは?!というのは容易に想像できます。
ちなみにチャートの出来高を見ると機関投資家の動きが見えるので個人投資家は売買のタイミングを知ることができます。
個人投資家が有利なのは
・バイ・アンド・ホールドで長期運用が可能
・株価が下がっても下洛に向かうのか一時的かじっくりと見極められる等
もちろん情報量・分析力は機関投資家が有利なのは言うまでもありませんが、そのようなものがなくても長期運用を前提にすれば必ずしも個人投資家は不利ということではありません。
このバイ・アンド・ホールドで成功するためにも個人投資家は株価の上げ下げに一喜一憂せずにドッシリと構えてください。「複利で長期運用・分散投資・定期買い付け」は投資の王道であり、機関投資家にはできない個人投資家のメリットです。
個人投資家がアクティブ運用で儲け続けるのはかなり難しいと考えます。 素直にインデックスで長期運用が良いと思いますが、前提は成長市場に投資することです。

その意味ではあえて日本へ投資するのはどうかと、ただ日銀が株を買い続けてくれる間はOKですが・・・

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