今年に入ってからのS&P500のチャートを見てみると今年のはじめに急落がありましたが、先日も急落しています。 このチャートの角度を見るとまさに急降下であり、一気に資金が逃げたことがわかります。
昨年のチャートを見るとこのような動きは見られないことからそろそろ大きな暴落が起きてもおかしくないという考えの方が多いことが想像できます。
実はこのような投資家の心理状態を表す指数も存在しています。 VIX指数、俗に恐怖指数とも言われているもので「ボラティリティ・インデックス」のことです。
ボラティリティとは?
当たり前にボラティリティと使いますが、金融では値動きの粗さを言います。 ボラティリティが大きい=株価の値動きが激しい、 ボラティリティが小さい=株価の値動きが穏やか ということです。
このボラティリティは投資家の感情と密接な関係があると言われており、つまり株価が乱高下する場合は利益を出す投資家や、損失を出す投資家が多く感情的になる人が増えることになります。 そして株価が急降下して損失を抱えると、損失を抱えた人は恐怖の感覚を覚えることになります。
恐怖指数は未来の投資家心理を表す
ボラティリティが大きくなることで恐怖の感情を持つとしても、それは株価変動の結果であって未来を表しているわけではありません。
恐怖指数「VIX」は株式の先行指標ともいえるオプション取引をもとに算出されているので未来の投資家心理を表すと言われています。 オプション市場の動きが激しくなれば株式市場の動きも激しくなるという想定ができるということです。
このVIX指数はS&P500のオプション取引のバラティリティから算出されています。このため「S&P500が急落しそうだと機関投資家が判断する=VIXが上がる」ということになるわけです。
一般的にVIX指数はどのくらいまで上げるとやばいのか? 一般的にはVIX指数が40を超えると恐怖が蔓延しており、株式は売られすぎていると状態が多くリーマン・ショック時には80を超えたそうです。
なお通常は10~20の間で推移していますが、今月に入って20を超えてきたので景気の先行きに不透明感が増してきたということができると思います。
VIX指数(過去5年)
(チャートパークより)
日足チャートで見るとチャイナ・ショック時や今年はじめの株価調整時に大きく増加していることがわかります。
VIX指数を見れば未来がわかるのか?
結論から言えばわかりません。 確かに先行きが不透明になればオプション取引が活性化してVIX指数が上がりますが、同時に株価にも影響がでて乱高下を始めるためです。
VIX指数が上昇してきているので景気不透明感が強く、今後も株価の急落は続くものと思います。 しかし長期運用している投資家にとってはまさにチャンス到来かもしれません。
このような指数を参考にするのは有りですが、あくまでも市場の不透明感を図るものと捉えてください。 景気の動向をみたいのであれば「ISM製造業景況感指数」や「長短金利差」も要チェックです。

暴落は必ず起こるので準備と心構えが大切になると思います。

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