好調な米国株式ですが、リセッションは必ず起こります。 このタイミングが分かれば苦労はしないのですが、投資家が注目する指数はいくつか存在します。 今回はISM製造業景況感指数を紹介します。
ISM製造業景況感指数
ISM製造業景況感指数とは米国供給者協会が算出する製造業の景気感を表す指数です。製造業300社以上へのアンケートをもとに算出され、米国の景気動向を見る重要な指標の一つになっています。
このISM製造業景況感指数が高ければ景気拡大、低ければ景気後退を表します。 一般的にISM製造業景況感指数が50がしきい値と言わます。
また同様の指数にISM非製造業景気指数があります。 これは非製造業における指数、こちらも50がしきい値として、これを超えれば景気拡大 低ければ景気後退を表します。 近年では米国サービス産業の比率も増加しており、結果この指数も重要視されるようになっています。
発表タイミング
ISM製造業景況感指数:毎月第1営業日
ISM非製造業景気指数:毎月第3営業日
直近に発表された指数
ISM製造業景況感指数:61.3(9月)
ISM非製造業景気指数:58.8(8月)
これらはアンケートにより各企業の購買担当者へ、受注や生産などが「良くなっている」、「変わらない」、「悪くなっている」のかを集計し算出することで指数を割り出しています。 ざっくりと言えば 各企業の受注が増える見込みなのか、その逆なのかを捉えて先行して景気を判断するものです。
指数の推移を確認する
前回発表された指数を見ると、ともに50を大きく超え、米国の景気が拡大傾向という結果が出ています。 では過去のISM指数と景気はどのような関係になっているのでしょうか?
ISM製造業景況感指数
リーマンショック前約1年間50前後で推移し、その後は約32まで落ち込んでいます。 最近では2016年チャイナ・ショック前に50を割り込んでいます。
こう見ると指数は徐々に上昇し、現在は60を超えているので、ここから景気後退の前兆は見ることができません。
ISM非製造業景気指数ISM非製造業景気指数を見るとリーマンショック前の不穏な動きが目立つのと、チャイナ・ショック時にはあまり下がっておらず、ISM製造業景況感指数とは多少異なる動きをしています。
同時期のダウ平均チャート
いずれのチャートも、指数が50を落ち込むとダウ平均も落ち込んでいることから要注意の指標であることがわかります。
米国は近々リセッションしないのか?
直近に発表された指数が ISM製造業景況感指数:61.3(9月)、ISM非製造業景気指数:58.8(8月) いずれも50を大きく超えており、製造業や米国経済でも大きなウエイトを占めるサービス業の好調さが見て取れます。
ここから見る限り、近々リセッションが始まるとは言えない状況と考えられます。 このため機会損失を嫌ってCASHを準備しない方法もあるとは思いますが、あくまでも判断の目安であり絶対ではないことを肝に銘じて必要なCASHボジションはキープする必要があります。
リセッションの準備としては適切なCASHポジションに尽きると思いますが、CASHが大きすぎると機会損失となりますので悩ましいところですね。

リセッションが始まったときに一番の問題となるのが冷静でいられなくなることだと考えています。 そのための心構えは・・・

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