米国の中国への制裁関税は9/24に第三段が発動され、2000億ドル相当の輸入品に10%の上乗せ、中国も報復として600億ドルの追加課税を課していいます。
これによって中国から米国に輸入総額の約半分に制裁課税が課せられたことになり、中国が報復措置に踏み切れば、残りすべての中国製品に懲罰的な課税を課すと警告、中国も対決姿勢を崩していません。
今回の10%上乗せは2019年には25%に上げることも決まっており、その間にも中国の譲歩を引き出したい狙いがあるものと思われます。
なぜ米国が制裁関税をかけたのか?
米国がもともとの原因は中国の知的財産の侵害が原因、長年に渡って知的財産侵害がまかり通っており これに業を煮やしたトランプ大統領が報復を開始したものです。
中国の知的財産侵害についてはキャラクターやゲームのパクリとかはよく報道されますが、あまり報道されていないものとして、各企業のもつノウハウや技術の開示要求、通信傍受のための法整備なども積極的に進められています。
こうして集めた技術で特許をとったり、軍事転用などやりたい放題、知的財産侵害としては5400億ドル/年(約60兆円)とも言われている規模です。
このような状況の中で、米中の政府間協議にて改善を求めてきたものの一向に改善が進まず、2016年には習近平国家主席は当時のオバマ大統領に改善を約束していますが、未だに改善されていないのが現状です。
別の味方として、米国は中国に対する貿易赤字が巨額です。 知的財産の件を利用して この貿易赤字をなんとかしようとしているのかもしれませんね。 となると次は日本の車かもしれませんよ。
制裁関税の影響は?
このような状況を是正させる方法として、ついに米国が高利の制裁関税をかけることで中国経済にダメージを与え、結果として状況の改善を引き出そうとしているものと考えられます。
この場合、是正しなければ米国の制裁関税の規模や期間は増大し中国経済へのダメージは大きくなるはずです。
つまり制裁関税が長期間に及ぶとすると、各企業は中国国内での製造が難しくなってきます。中国国内で生産すると制裁関税がかかるので他国での製造を余儀なくされます。
中国製品の付加価値の1/3は東アジアだと言われています。 東アジア圏で加工したものを中国が輸入して最終製品に仕上げるわけですが、
このため一時的には東アジアの国々も影響を受けることが想像できますが、やがて製造拠点が中国から東アジアやその他の国に移管することになり、中国経済へのダメージと業種によっては近隣諸国が中国に取って代わる可能性も出てきます。
このように整理して考えると今回は米国も本気だと言えますね。
関税のかけあいは長期化するのか?
ちなみに米国が中国から輸入している額は5063億ドル(2017年)、対して中国は1304億ドル(2017年)となっているので、関税のかけあいになった場合は明らかに中国が不利、先に弾切れになるのは中国です。
しかし、6月19日、中国の報道官談話として「(米国に対して)質と量を組み合わせた総合的な措置を取り、力強く反撃する」との立場が表明されていることから輸出入以外の分野でも制限を加えてくる可能性が高く中国も引く姿勢を見せていません。・・・つまり長引きそうです。
以上から考えると中国への投資を行うのであれば・・・価格が下がっているので自信があるのであれば買い時と考えることもできます。 ただ人口減少期に入っている中国は制裁関税が長引けばそれだけ経済が縮小する可能性が大きのではないかと個人的には思っているので微妙ですね。
また新興国ETFのVWOは中国株式を約30%組み込んでいます。 このため、今後組み込み比率などにも影響するかもしれません。
新興国へ分散投資するのであればまず検討すべきはVWOでしょう。 ETF保有額ランキングでも10位に入る人気のETFです。

9月前半の買い付けランキングです。通常VWOは買い付けランキングでも10位以内には入るのですが、9月は10位以下でしたね米国の利上げや制裁関税などが影響しているのかもしれません。

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