楽天VTIの交付運用報告書が発行されました。 これを見ると楽天VTIのかかるコストがいくらなのか計算することができます。
楽天VTIはヴァンガードVTIの経費0.04%に 0.129%(税込)の信託報酬を加えたもの つまり合計で0.169% じゃないの? と思われた方もいると思いますが、実際には隠れたコストがあります。
確かに、目論見書を見ると信託報酬の覧に「実質的に負担する運用管理費用」として、年0.1696%(税込み)程度 となっています。
しかし実際には「その他の費用・手数料」がかかるため更に経費がプラスになってきます。 この「その他の費用・手数料」は目論見書ではわからず、交付運用報告書の中で これだけかかりました・・・という形で報告されます。
この「その他の費用・手数料」を隠れコストと読んでいるわけです。
VTIのトータルコストを計算
交付運用報告書の「1万口当たりの経費明細」を見てみましょう。
最終的にかかった費用は金額で21円 比率で0.203% となっています。 0.169%に対して0.203%だったら十分に安いじゃん・・・とはならないので注意が必要です。
1)年間の経費ではない
楽天VTIは2017年9月29日に発行されたので、まだ1年経っていないわけです。経費率を見るのであればこの分の補正が必要になります。
つまり交付運用報告書には1万口あたりの経費が10円かかっていますが、2017年9月29日から2018年7月17日までの経費であって、年間ではありません。
2)バンガード社の手数料が入っていない
VTIの経費は年間で約0.04%と目論見書にありますが、交付運用報告書にはそれが記載されていないのでそれを追加する必要があります。
こちらは0.04%と比率で書かれているので運用期間が1年未満だとしても補正の必要はないでしょう。
計算してみると・・・
「期中の平均基準価額は10,346円」となっているので2017年9月29日から2018年7月17日で316日間の経費が10円ということになります。
1年、365日では 365/316*10円=11.551円となります。平均基準価額が変わらないとして信託報酬は0.1116%という数字が出てきます。 ここから、交付運用報告書には信託報酬0.097%とありますが、年に換算すると約0.112%ということになります。
「売買手数料、有価証券取引税、その他費用」といった隠れコストは内容から推測して年間に補正しても変わらないと仮定し補正なしとします。
以上より計算した結果は0.218% ここにバンガード社の経費が乗っかってきます。 0.218+0.04%=0.258%
楽天VTIにかかるコストはトータルで約0.26%という計算結果が出ました。 楽天VTIにかかる信託報酬は0.169%ですが、隠れコストの分をプラスしたものが総コストであり0.169%が全てのコストではありません。
楽天VTI:0.26%
経費率は0.5%を切れば合格ラインだと個人的には思っていますので、0.26%も十分に安い部類だと考えます。 しかし差額が0.1%あるのはちょっとショックですね、米国のETFは0.01%単位で値下げ競争をしているのに・・・
いずれにしてもこの経費で楽天VTIは高いとはならないので今後も継続していきます。
楽天VWOのトータルコスト
私は楽天ヴァンガードシリーズでVTIとVWOを購入しています。 そこでVWOについても同じ計算をしてトータルコストを算出します。
楽天VTI:0.51%
楽天VTI、トータルコストが0.5%を超えてきたので ちょっと微妙になってきますね。 それでも再投資や積立の手間、直接VWOを買う購入手数料を考えれば安いものですが。
また隠れコストは単純にいくらと計算することが難しそうな項目であり、純資産等によってもかわるでしょう。 ですが、確実にかかってくる経費なので今後もウオッチしていきたいと思います。
どちらが自分にあっているのか、楽天VTIとVTIの条件を整理しています。

日本で有名なETFにVTとVTIがありますが、私はVTI派です。

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