【HYG】の正式名は「iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF」、米ドル建ての高利回り社債で構成されるETFとなっています。
ハイイールド社債ということで格付けが低く、その分 分配金が高いという事になります。 保有銘柄数が997となっており、個々の社債のリスクが高くても、数で分散させることでリスク回避を行っているわけで、この辺の考え方もPFFと同じですね。
利回りが5.9%と優先株ETFのPFFとほぼ同じ、経費率が0.49%とPFFの0.46%よりはやや高めですが、ほぼ同じと行ってもいいレベルです。
また債券ETFでメジャーなものとしてはAGGやBNDがあります。 こちらは主に格付けの高い国債をメインに扱っており、その分 分配金は低めに設定されています。
イメージとしてはこんな感じでしょう
HYG :社債 高利回り 格付け低い
PFF :優先株 高利回り
AGG/BND :国債 利回りやや高い 格付け高い
ETFは数多くの銘柄を組込んでいるので、個々の投資先の格付けが低くてもリスクの回避ができるところが面白いですね、こんなリスク回避の方法があるわけです。
HYGのパフォーマンス
HYGとPFFをチャートで比較してみましょう。
HYGとPFFチャート(最大)
このチャートを見るとPFFもHYGもほぼ横ばいと言えるでしょう。 リーマンショックのときの下落幅がPFFのほうが大きいことも特徴的です。 やはり金融優先株が多いPFFのほうが株価暴落の影響を大きく受けるようです。
こう見ると成長を期待するのではなく分配金再投資でどのくらいのリターンになるのかがポイントになりそうです。
HYG、PFF、SPYトータルリターン(過去10年)
HYG、PFF共にキャピタルは期待できませんが、分配金再投資により10年で85~93%のプラスになっています。 SPYは5年ほどはビハインドしていますが、右肩上がりで推移し10年ではプラスの約180%という結果になっています。
HYG構成業種
個別には調べていませんが、HYGは高配当社債を組込んでいます。 つまり通信系の社債には高利回りの銘柄が多く 電気、保険業の社債には高利回りの銘柄が少ないことが予測されます。
HYG格付け評価
格付けで投資適格と判断されるのはBBB以上、つまりHYGの98%以上が投資不適格判断をされている社債という事になります。 しかし997もの銘柄を組込んでいるのでかなりリスク分散していることになります。
インカムを中心に考えるのであればPFFやHYGは検討に値すると思いますが、成長がほとんど望めないことや株価暴落時には、他の株式ETF同様におおきく下落することを頭に入れて、サテライト的に運用することになると思います。
格付けについての基準を整理しています。 投資不適格を個別に買うのは勇気がいりますが、ETFとして買うのであればリスクヘッジになるのでありだと思います。

日本の税制では分配金にも税金がかかります。 PFFのように高配当は再投資して税の繰り延べをしないと税制上不利になります。

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