日本では海外の高金利債券を扱う投資信託が意外に人気だったりします。 つまり日本の低金利に比べて海外の高金利だけを見れば非常に魅力的に見えるためです。
また債券というと株式よりも安全なイメージがありますが、しかし長い目で見れば海外の高金利の債券はあまり意味を持たないと言われています。
これはせっかくの高金利でも為替が変われば相殺されてしまうため意味がないというわけです。
為替なんて誰もただしく予測できないではないかという声も聞こえてきそうですが、長い目で見れば2国間の購買力は等しくなるように収れんしていくのが原則だからです。
高金利の債券ということは、その国の物価が上昇する率が高いと考えられます。つまりインフレが進んでいるということ、物価上昇率よりも金利が低ければ誰も買いませんからね。
そして物価上昇ということは、それだけインフレが進んだ事になり その国の通貨の価値が下がっていくのです。 通貨の価値が下がる=通貨安ですから相対的に円の価格が高くなったということです。
このためせっかく高い利回りで運用できても為替で相殺されるメカニズムです。
先日トルコのリラが暴落したのは政治的な要因と言われていますが、過去10年のチャートを見ると過去からダラダラと下がり続けています。 これは物価上昇が著しく通貨の価値が下がリ続けていることがチャートに現れています。
そして通貨が下がれば、例えばリラ建ての高金利債券はリラ安により価格を下げてしまうわけです。
このように高金利債券を長期間保有することは、結果的に為替に影響してきますからリターンを享受できる可能性が難しくなることがわかります。
このことから高金利通貨を我々が長期間保有することはあまり意味がないということになってきます。
外国資産のススメ
ただ外国資産を持つことについては大賛成です。もし日本国内への投資を行うということは日本が成長すれば自分の資産も増えるということになりますが、逆に成長しなければ資産を減らうことに繋がります。
なので日本が今後も成長するならば外国資産を必要はないのでする見込みがあればいいのですが、かなり微妙なのは言うまでもありません。成長市場ということであれば当面は米国への投資が間違いないと思いますが、長期に渡って成長し続ける保証はないことは意識しておきましょう。
このような中で一番手堅いのが世界中への分散投資、世界全体で見れば人口は増加傾向であり人口が増えればお金を使う人が増え経済も活性化すると考えられています。
なので高金利につられて外貨を持つことにあまり意味無なく、投資先を世界中へ分散させること目的として外国資産を購入すべきです。
また外国資産というと外貨を準備して購入するようなものを想像するかもしれませんが、投資信託でも世界中への株式へ分散投資するものもあります。
たとえば楽天VTのように日本円で購入するものであっても投資先が世界中の株式に分散投資するものであれば立派な外国資産です。
同様にして米国株式全体へ分散投資する楽天VTI、そのほかS&P500をベンチマークにした投資信託なども最近になって続々と発売されています。
高配当新興国債券でもドル建てのETFとしてVWOBやEMBなどが発売されています。 投資不適格銘柄も結構組み込まれているので慎重に判断ください。

皆が買っているETF、銘柄選びの参考になると思います。

一方で高配当債券の投資信託といえば、高配当を餌に高い手数料をとる投資信託が多々あります。投資不適格の銘柄に投資し高配当を狙うような投資信託などが横行していますので注意が必要です。

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