VT正式名称は「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」日本では保有残高が一番大きなETFとして有名です。 しかし先日米国での人気ランキングを調べたときに発見したのがVT上位10位どころか65位です。(2018/09時点)
つまりVTは日本での人気とは異なり、米国ではあまり人気はないETFとなっています。なんでこんなに差が出るのでしょうか?
VTとSPYのパフォーマンスを比較する
米国といえばS&P500が有名です。 米国でトップ10に入る株式ETFはS&P500連動かVTI、あとはグロースETFのQQQですね。
このS&P500をインデックスとしたSPYとVTを比較してみます。
過去約10年を比較しましたが、やはりパフォーマンスではVT圧倒的にビハインドしています。
組み込まれている銘柄の国別構成比は以下のようになっています。 米国半分はまだいいのですが、日本が2位となっているのはちょっと・・・ あと上位3カ国でおおよそ2/3を占めます。 つまり世界中への分散投資ではあるものの、殆どが米国と日本、英国という事になります。
そしてチャートを見てみるとVTはSPYの半分以下とあまり成績が良くないようです。 これは米国がリーマンショック以降に好調な成長をしているところ、欧州や新興国、日本の回復が遅く、結果的に米国の好調の足を引っ張ってしまった結果だと思います。
投資先進国の米国で人気の株式ETFはS&P500やVTI、VTはそのパフォーマンスから順位65位と振るわなかったものと推測します。
また国際分散投資の意味でも米国・日本・英国以外が全体の1/3しか無いのを世界中への分散と言えるのかちょっと疑問です。 であればS&P500と米国以外の先進国であるVEA、新興国株式のVWOをその人の考えで組み合わせるほうが適切な気がします。
ではなぜ日本でVTが人気なのか?
あくまでも推測ですが、日本は最近まで投資にネガティブなイメージを持つ方が多かったと思います。手数料を取るためだけの投資信託が横行していましたし、投資信託で儲かった人あまりいなかったんじゃないですかね。
そんな中2008年に多分日本で初めてだと思いますが、セゾン投信が長期運用で資産形成できるファンドを発売しました。セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとセゾン資産形成の達人ファンドです。
長期運用と世界中への分散で人気を博しました。 金融庁の積立NISAでもやはり分散投資は必須の要件になっています。 つまり本格的に投資をしたことがない日本人が本格的に投資を始めたのはつい最近、よくわからないけれどとにかく分散度合いが大きければ安心というイメージが刷り込まれているのかもしれません。
VTは先進国や新興国 約47カ国で約8000銘柄で構成されており、投資可能な市場時価総額の98%をカバーしています。ただ、時価総額で計算するので組み込まれている銘柄の大半が米国、英国、そして日本です。
自分で投資されている方であれば、現在は米国のリターンを他国で薄めているのは多分明白だと思うでしょう。 ただ今後共米国が成長し続けるとは限らない、でも投資に手間をかけたくない、ほっぽらかし運用をするのであれば確かに世界中への分散はありだと思います。
ただ、これだけでは日本での人気1位は説明つかない気がします。 多分、投資を始めたばかりの方で、投資の勉強に時間をかけたくない、またはよくわからないけれと貯金だけでは駄目という 意識高い系だけど投資に不慣れな方が 世界中への分散投資であれば安心としてえらんでいるのがVTということなのかもしれません。(もちろん個人的な推測です)
私はVTには投資をしていません。 そのかわりVTIをメインとしています。

日本で人気のVTについて調べました。パフォーマンスは米国人気のS&P500やVTIにビハインドしますが、世界中への分散投資という安心感が強そうです。

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